コンサルタント&士業が納得の高額報酬で長期契約が続く オンライン版 コンサルタントの教科書コンサルタント&士業が納得の高額報酬で長期契約が続く オンライン版 コンサルタントの教科書

歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

次のワクワクするビジョンが見えない時に考えたい、2つの視点

690

2022.03.15 執筆者:和仁 達也

「お金の不安もスタッフの悩みもないにも関わらず、モヤモヤする」
という経営者の相談を一定の割合で乗ることがあります。

それは、起業当初に掲げた目標はほぼ達成していて、
次のワクワクするビジョンを見つけたいけど見つからない、
というモヤモヤのようです。

今回は、そんな感覚をお持ちの方に参考になるよう、
歯科医院の事例ストーリーをお届けします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

加藤院長は、ここ数カ月、妙な胸のざわつきを感じていた。

医院も軌道に乗り、スタッフも自律的に働いてくれている。
キャッシュフロー経営の実践により、お金の悩みもなく、
医院の目標に向かって日々、順調に仕事は進んでいる。

それなのに、ちょっと前までは感じていたはずの充実感を
感じられずにいる自分に気がついた。

そんな院長に対して、キャッシュフローコーチの和仁は
意外なことを口にした。

「開業して10年目に差し掛かろうとする経営者に
よくある現象かも知れませんよ」

加藤院長が不思議そうな表情をしていると、
キャッシュフローコーチは続けた。

「わたしが営業マンの頃は1日3社のアポを取り、
中小企業の経営者の悩みをヒアリングしていました。

その中で、共通してみなさんが口にする
”お困りごとトップ3”というのが浮かび上がってきたわけですが、
とりわけ『向上心が高くて、独立10年目に差し掛かろう
というタイミングの社長』に多い、あるお困りごとに気がついたんです。

それは、『次のワクワクするビジョンが見えない焦り』です。
物足りなさとも言えます。

それなりに当初のビジョンは達成して、
資金繰りも業績も組織の雰囲気も、それなりに良い状態。

なんなら、現場のことは、社員がやってくれるので、
かつてのように、時間に追われることもありません。
ところがここで、落とし穴があるんです」

そこでキャッシュフローコーチは、
院長に問いかけるような眼差しを向け、間を置いた。

「それはですね・・・、『ヒマ』ってことです」

「ヒマ・・・ですか?」

加藤院長の意外そうな口ぶりに、
微笑をたたえながらキャッシュフローコーチは続けた。

「いや、本当はヒマって素晴らしいんです。
なぜなら、目先のことだけてなく、長期的な視点で
ビジネスを考えるには、ある程度の余裕、
つまりヒマが必要だからです。

ただそれは、やりたいことの方向性がある時は良いのですが、
その方向性がぼやけている時にヒマだと、
様々な雑音が耳に入ってきます。

・周りのバリバリ活躍している知人の姿を見て、焦りを感じる。

・何か学ばなければ、自分は相対的にどんどん下りの
エスカレーターで下がっていく感じがする。

・とは言え、過去に一通り学びたいことは学んできたし、
今改めて学びたいことも見えてこない。

・そんなことを漠然と考えていると心が後ろ向きになり、
意欲がわかない自分に苛立ちを覚える。

とまあ、そんな感じなのですが、イメージ、わかりますか?」

加藤院長は大きくうなずいて、
「まさに今のわたしがそんな感じです」と答えた。

キャッシュフローコーチは続けた。

「わたしも過去にそんな状況を体験して、わかったことがあります。
それは、ヒマだと気が散るっていうことです。

そして、気が散るとネガティブな雑音が耳に入り、
心がさらにネガティブになる”ネガティブ・スパイラル”にはまる、
ということなんです。

よく先輩が新人に対して
『ヒマしているくらいなら、目の前の仕事をガムシャラにやれ』
と精神論的なアドバイスしたりしますが、
ある意味あれは的を射ているわけですね。

そして、それを脱却するコツは2つです」

そういうなり、キャッシュフローコーチは
黒のマーカーを手に、ホワイトボードに向かった。

「1つは、『①ビジョナリープランを見直す』こと。
もしかしたら、今の自分には、これまでのミッションや
ビジョンが合わなくなってきているのかも知れないからです。

加藤院長は、その点はいかがですか?」

「確かに、過去に立てたビジョンはまだ到達はしていないものの、
今の延長上で十分やれそうで、正直ワクワクしなくなっていました。

以前はあんなにワクワクドキドキしていたのに、
今はただ結果の見えていることを、淡々とこなしている感じに
なっていました。目先のことに不安がない代わりに、
ワクワクドキドキすることもなく、他人には言えませんでしたが、
『別に自分がいなくても、誰も困らないんじゃないか』
と、むなしさすら感じていたくらいです」

仕事において、とりわけ向上心の強い加藤院長にとって、
自分の存在価値を実感できないことほど、苦しいものはない。
その心中を察しながら、キャッシュフローコーチは言葉を選んで伝えた。

「そうだったのですね。それを一人で抱え込まずに、
こうやって打ち明けていただけてよかったです。

この状態に陥ったときに一番避けたいことは『孤立すること』ですから。
なぜなら、心が後ろ向きな時に孤立すると、
”ネガティブ・スパイラル”が加速するからです。

ちなみに、自分の存在価値を実感できる簡単な方法があります。
それは、『人の相談に乗ってあげること』です。

それは、スタッフでもいいし、患者さんでもいいし、
同業者のドクター相手でも構いません。
そこに、今は気づいていない”お困りごと”が隠れていて、
加藤院長が情熱を燃やす『次のワクワクするビジョン』の種が
隠れている可能性が高いのです。

そして、先ほどのネガティブな状態を脱却するための
もう1つのコツは、
『②今の状態は“階段の踊り場”と位置付けて、
そこにいる期限を決める』ことです。

エンドレスにずっと今の状態が続くと思うと、
そんな自分が許せなくなったりしますが、例えば
『来年の3月末までモヤモヤ考えてOK』
と自分に許可を与えて、
『それまでに新たな方向性を見つける』
と決めるだけで、少し気分が軽くなりませんか?」

たしかにその通りだった。

加藤院長は手帳を開き、来年の3月31日の欄に
「新たな方向性を決める」と書き入れて、パタンと綴じた。

その表情はさっきより明るく、穏やかだった。

 

【今回のレッスン】

◎開業して10年目に差し掛かるタイミング、あるいは
50代半ばあたりに、「次のワクワクするビジョンが見えないモヤモヤ感」
で心がざわつくことがある。

◎そこで大切なことは2つ。
1つは、『①ビジョナリープランを見直す』こと。
もしかしたら、今の自分には、これまでのミッションや
ビジョンが合わなくなってきているのかも知れないから。

◎もう1つは、『②今の状態は階段の踊り場と位置付けて、
そこにいる期限を決める』こと。いつまでモヤモヤ考えて
OKかを決めて自分に許可を与え、
「それまでに新たな方向性を見つける」と決めるだけで、少し気分が軽くなる。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎目標を立てることにマンネリ化している人がワクワクできるプランをつくる!年間目標や計画の「2階建て理論」とは?

この記事の内容が役に立ったと思ったらSNSで共有してくださいね!
690
  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

和仁達也がメールセミナーで直接指導!

顧客リストなし独立1年目
コンサルタントでも
理想のクライアントと出会える!
全5回のメールセミナー(無料)でお伝えします。
詳しくはこちら >