2020.03.18
3月の広島勉強会は、
大宮7期 仲光 和之さんに登壇頂き、
経営疑似体験ゲーム ビズストームを
開催しました。
大阪4期 金子 文がレポートします。
*新型コロナウィルス感染予防のため、
常時換気、アルコール消毒液設置、
マスク着用などの対策をして
開催しました。
自分が持っている経営資源をどこに投資するか、
意思決定をして利益を競うゲームです。
社長さんのお悩み事に
“社員に危機感がなく自発的に動かない”ということがあります。
ビズストームは、
そういうお悩みをお持ちの社長さんの
社内研修にぴったりです。
なぜかというと、
ビズストームを体験することで社員さんに、
“単に売るだけでなく、利益を出さなければ会社が存続できないことが体感”
でき、コスト意識が芽生えるからです。
社員さんは日々の業務をする中で、
どんな仕組みで会社に利益がでるのかを
体験する場がありません。
ですから、自分の仕事が
どう会社の利益に影響しているか
ピンと来てない部分もあるの
ではないでしょうか。
ビズストームは、何度か意思決定をするうちに、
利益を出さないとお金が回らなくなることに
自分で氣がつくことができます。
シンプルなゲームながら、“誘惑”や“運”など、
想定した戦略通りにいかない仕掛けもあるので、
社長さんが抱えている危機感を
感じることもできます。
経営の知識がなくても、
「なるほど、そういうことか」と
経営の仕組みを体感することができます。
今回広島メンバーの顧問先の
社員さんが3名参加されました。
それぞれ、経営の難しさや面白さ、
人材の育成が大事だけど、育成にはお金がかかること
などを感じておられました。
会社に帰って、“自分がどう行動したら利益を出すことができるのか”を
考えることができ、自発的行動に繋がっていくことでしょう。
グループでわいわい楽しみながら、
氣づきを得られるゲームです。
ビズストーム認定インストラクター
→ 仲光 和之さんのHPはこちら
今回の参加者20名は、全員ビズストーム初体験です。
最初はちょっと複雑に思えるルールを
仲光さんは、軽快な口調でテンポよく、
解説してくださいます。
さすが、全国の商工会議所を回って、
セミナーをされているだけあるなぁと思いました。
3回ウォーミングアップのゲームをしたら、
いよいよ本戦です。
ビズストームを体験した、
私の感想を6つの観点から書いてみます。
① 経営資源の配分
商品生産をして売上をあげるのか、
商品力・販売力に投資するのか、
人材を採用育成するのか。
限りがある資源をどこに投資するか、
戦略を立てて実行する醍醐味が味わえました。
すぐに結果が出るので、
自分の経営判断の可否がわかります。
失敗を改善して次の対策を
立てることができます。
② どの市場を狙う?
ゲームでは、成熟市場か成長市場か、
大きな市場かニッチな市場か、
または複数の市場を狙うのか、
自分で選択することができます。
私は、成熟産業のニッチな市場に絞って勝負しました。
途中で他の市場が活氣づいて来た時は、
そっちにも手を出したくなりました。
でも、自分の手持ちの商品を見てみると、
その市場で利益がでる商品を
育てていないことに氣づきました。
そこで、安い価格の商品をその市場に売り出し、
価格破壊を起こしたのです。
自分の利益は出ませんでしたが、
他の人が儲かるのを阻止することはできました。(←意地悪)
結局、他の市場への進出は諦めましたが、
あれこれ手を出さなかったのは、結果的にはよかったです。
ただ、短期戦では、
一点集中のほうが利益が上がりますが、
長期戦では、自分の狙った市場が不況になって、
商品が売れなくなることも想定されるので、
収入の柱は複数持っていたほうがいいだろうなぁと感じました。
③ その価格、利益が出てる?
最初、私は売りたい氣持ちが強く、
商品価格を低く設定しました。
価格を下げると当然、競争力が上がるので
売れやすくなります。
市場に出してみると狙い通り売れたので、
その喜びにひたっていると、
仲光さんから
「コスト回収できていますか?」
とシビアなコメントをもらいました。
収支を計算してみると、
あらら、価格が安すぎて
コストが回収できていません。
この価格では売れば売るほど、
赤字になってしまいます。
商品の価格設定は、コストを回収した上に利益がでるように設定しなければ、
経営が成り立たないというのは、当たり前のことです。
頭ではわかっていたつもりでしたが、いざ、実際にやってみると、
見事に落とし穴にはまってしまいました。
最初は商品力・販売力がないので、利益がでる価格設定にすると、
ライバルとの競争が激しくなります。
「これくらいでいけるかな」
というギリギリのところを攻める、
ヒヤヒヤ感を味わえるのも楽しかったです。
投資効果がでて、商品力・販売力がついてくると、
高単価の価格設定ができるようになります。
それが売れた時は快感でした。
④ 意思決定は時間との戦い
ゲームでは意思決定をするのに、
時間制限があります。
資源を何に投資するのか、商品をいくつ作って、
どの市場にいくらの価格で売り出すか、
など、短い時間でたくさんのことを
決めなくてはいけません。
「あと1分です」のコールがかかると
あたふたしました。
実際に経営をする場面でも、
経営者はスピーディに判断を下すことを、求められています。
ゲームとはいえ、時間制限を設けることで、
状況を迅速に見極めて適切な手を打っていく訓練になるそうです。
脳をフル回転して活性化できました。
⑤ 銀行借り入れはする?しない?
ゲームでは銀行借り入れもできます。
もちろん返済をするときは、
利息をつけて返さないといけません。
ですから借りるだけで、
リスクを背負うことになります。
最初からガンガン借り入れをする人、
いっさい借り入れをせず経営をする人、
けっこうみなさんの性格が出ていて、面白かったです。
銀行から借り入れをするかしないか、
いくら借りるのかで、展開が変わってくるので、
意思決定の重要なポイントです。
⑥ 人材の採用育成について
私はあまり人材の育成には、
力をいれていなかったのですが、
隣の吉村さんは、じっくり人材を育てる戦略でした。
実際に人材育成は時間とお金がかかるので、
ゲームでも、時間とお金がかかるように
設計されています。
ですから、中間決算のとき、
人材育成に投資していた吉村さんの利益は、
そんなにたくさん上がっておらず、
私の方がリードしていました。
ところが、後半戦になると、吉村さんが育てた人材が
バリバリ仕事ができるようになってきたのです。
売上が伸びて、一度に大きな利益を
上げれるようになりました。
人材をじっくり時間とお金をかけて、
育てた甲斐があったなぁと思いました。
今回は、私がなんとか逃げ切りましたが、
もう1期やっていたら負けていたと思います。
同じように人材育成に投資していたのに、
不運にも突然スタッフが辞めてしまう
アクシデントに見舞われてしまった方もおられました。
経営の難しさを体験することができる、
奥深いゲームです。
ゲーム終了後、集計してみると、
ナント私(金子)が全体の1位でした!
こういう状況を見極めて仕掛けていくゲームは、
苦手だと思っていたので、優勝できてびっくり。
「私って意外と経営の才能あるかも?」
と自分の秘めた可能性に
氣がつくこともできてよかったです。
仲光さんから優勝商品として、
ビズストーム公式ウィナーズバッチを頂きました。
このバッチを持っていると、どこでも堂々と
「ビズストームで優勝しました!」
自慢できるそうです。
戸田さんが、
「一番まじめな金子さんが
優勝するというところがよくできたゲームです」
と感想を書いて下さったところ、
仲光さんが、
「高単価商品を全部売りさばいた時の
金子さんの笑みは、完全に商売人でしたよ~」
とコメントを下さいました。
思惑通り、商品が売れてニンマリしているところを、
しっかり見られていたようです(笑)
仲光さんは予定通り8期までゲームをして
振り返り、シェアタイムまでいれて
きっかり定時に終了という素晴らしい進行力でした。
社長と社員の危機感のズレを解消し、
自発的に行動する社員を育成したい方は
ぜひ、ビズストームを体験してみて下さい。
高校生の頃父親と進路の話をしていた時に
「経営」というキーワードに関心を持つ。
自分は、水戸黄門のようなリーダー(経営者)ではなく、
助さん格さんのようにリーダーをサポートする立場が向いていると感じ、
「中小企業診断士」に憧れる。
大学進学後、「中小企業診断士」の資格取得を目指して、
受験予備校に通うも、受験目的が明確でなかったため、
勉強に本腰を入れることができず、不合格。
2001年 同志社大学商学部卒業後、電氣工事会社に就職、経理業務に関わる。
その後、電氣工事の現場監督業務に5年従事。
2008年 不動産会社に転職。
2011年 人生の大きな転機となる東日本大震災が起こる。
2013年 38歳の時、復興支援に従事する友人を訪ね宮城県へ。
そこで被災地の惨状を目の当たりにした時、
「何か地域経済の手助けになれることはないか」と感じる。
その時にふと、「中小企業診断士」の存在を思い出す。
これまでは、漠然と夢に描いていた中小企業診断士の資格取得が、
「地域経済の手助けになりたい」という想いと結びつき、
資格を取得する目的が明確になった瞬間だった。
その後一生懸命勉強し、2年後の40歳の時に試験に合格した。
2018年 株式会社ソウルスウェットカンパニーを設立し、中小企業診断士として独立。
全国の商工会議所でセミナーをするうち、東北で登壇する機会を得る。
自分の道を歩くことを決意させてくれた東北に、
少しでもご恩返しができたのではないかと感じた。
現在では、ビズストームを使って、社長と社員の危機感のズレを解消、
全社一丸となる風土づくりをするなど経営者のお困りごとを解決する
コンサルタントとして活躍中。
ビズストーム認定インストラクター
→ 仲光 和之さんのHPはこちら
<文責> 大阪4期 金子 文
│ ▲ レポート一覧ページに戻る │