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精鋭CFコーチの 実践コンサルティング・レポート

【売り上げを上げさえすれば儲かるのではないですか?行列のできるお好み焼き店の社長の悩み】

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2020.01.21 執筆者:稲葉 琢也

 
売り上げはあるのに、全然お金が残らない!

売り上げを上げる為に頑張っているのになんでだろう?

このような悩みは、中小企業や個人経営者に特に多いの
ではないでしょうか?

売り上げだけを見ていると、売り上げが上がっていれば、
経営者の感覚では忙しいから儲かっているように感じがちですが、
経営数字は、売上高だけを見ていると実は利益が残らないと
言った事も起こってしまいます。

そんな事を言われても毎日忙しいし、数字の見方がわからないから
数字と睨めっこばかりできないよ!

現に、売上高は毎年上がっているんだから!と思う経営者の方も多いと
思います。

しかし、売上高だけではなく、会社は利益を残さなくてはいけません。

そして、利益は売上高を上げれば利益が出るわけではないのです。

この事例報告では、経営者の方に知って欲しい数字を見る大切さと
どうやって利益を出せばいいか?の考え方を実際の事例をもとに
お伝えいたします。

 

事例の会社は広島の名物 お好み焼きの老舗です。
先代が創業され、長男が社長を引き継がれました。

お店は土曜、日曜日には 観光客などで行列のできる
大繁盛のお店ですが、社長には悩みがありました。

その悩みは、「忙しくてアルバイトも増員して
お好み焼きを焼いているのに、ちっともお金が残らない」

その社長さんに私が関わるきっかけとなったのは、商工会議所で
お金のブロックパズルを使った「脱★どんぶり経営セミナー」を
行った際に社長さんが受講されたからです。

そのセミナーの後で社長さんから電話があり、

「数字は苦手なので、自分のお店のブロックパズル作ってみたい」
「お金が残らない訳を教えてください」

と依頼がありました 。

店は、行列になるぐらい繁盛しています。
しかし、資金繰りが厳しくあまり多くの報酬は 支払いが
できないということでした 。

 

【正確な現状把握と課題解決の方向性を見出す】

そこでまずは、セミナー特典の 1時間の無料相談で現状把握を
することとしました

弊社の事務所に来ていただいて、安心安全ポジティブ
(AAP)な場づくりをしてヒアリングをしました。

お店は繁華街の好立地ですが、店舗の賃借料は高い。
客席はカウンター10席、テーブル席12席と手狭で
土日は店舗の外に行列ができます。

次に、持参して頂いた決算書をもとにホワイトボードに
ブロックパズルを 3期分書きました。

そして、一緒になって検討すると売り上げは毎期伸びていますが、
粗利率は低下傾向であることがわかりました。

更に、ヒアリングすると、生イカやキャベツなど、
材料費が上昇しており原価が上がっていました。

販管費も毎期増加していました。
なかでも忙しく、大学生のアルバイト増やしたために
人件費が膨らんでおりました。

又、借入返済が苦しく、
本業のキャッシュフローと借入の返済額を
比較するとキャッシュフローが足りていません。

総借入を年間返済額合計で割ってみると、4.7年と短いので
返済期間を延長すれば、返済額を減少出来る目途がつきました。

そこで、借入を10年に借り換えして返済額を半減させ、
当面の必要資金を追加借入する方針を立てました。

 

【課題解決のためにしたこと】

一方で、事業面の改善については、粗利を増やす方法を
利益倍増着眼点モデルを使い検討しました。

現在は、店舗の土日の稼働率は限界に近づいています。

お好み焼きは、注文を受けて焼きあがるのに約15分。
食べるのに約15分かかります。焼き方を工夫して
10分程度に短縮しない限り、これ以上お客様を受け入れるのは難しい。

したがって、狭い店で、数量を増やして売り上げを伸ばすのは
困難です。客単価を上げるには 値上げをせざるを得ません。

社長さんは、

「安くて美味しい お好み焼きを食べて欲しい」
「値上げしてお客様が 減るのが怖い」

この気持ちが強くて、どうすれば良いのか困っていました。

そこで、ブロックパズルを活用して、1番の売れ筋のA商品を
1,000円から1,200円に値上げした場合の粗利を
何通りかシミュレーションしながら話し合いました。

 

お好み焼きの直接原価は、約50%です。

売価1,000円、原価500円、月間販売数1,000個、粗利500,000円/月

<図1>

 

1割売上数量が減少した場合

値上げした売価1,200円原価500円、月間販売数量が10%ダウンで900個
粗利は、月間630,000円となり、差引130,000円利益が増えます。

<図2>

 

2割お客様が減った場合でも、売価1,200円、原価500円、
月間販売数量が800個に減少しても、粗利は月間560,000円となり
差引60,000円の増益となります。

<図3>

 

又いずれのケースでも 1,200円のAを買わない顧客は、
他の950円の商品Bを注文すると想定され、利益は更に増えます。

1割がシフトすると475×100個=47,500円の粗利が増加。
2割がシフトすると475×200個=95,000円の粗利が増加。

<図4>

 

値上げをしてお客様が減ったとしても利益は増えることが
分かり、社長さんも値上げの効果を理解されました。

更に、競合店のメニュー表を調べて、自社の方が安いことや
競合の他社は消費税が外税、自社は内税であることを
確認して値上げを決心されました。

 

【補助金を活用して改善計画を作り、金融機関の支援を得る】

利益の少ないこのお店で この経営改善計画を立てるのは
国の経営改善支援センター事業を活用しておこないました。

専門家費用の1/3をご負担いただき、2/3は補助金で対応できました 。

借入は金融機関(銀行、信金、公庫)に期間を10年に借り換えして、
メインバンクと公庫からは、運転資金5百万円を増額借入できました。

金融機関の経営改善計画の同意を取り付け、資金繰りも確保して、
値上げにより増収・増益となり安定した経営となりました。

現在は、毎月1回1時間で 月5万円の顧問契約を継続しています。
お金の流れを確認し合って、安心して本業に専念して頂いています 。

利益が無くて零細な事業者でもキャッシュフローコーチを
活用して経営改善する方法が、皆さんの参考になれば幸いです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

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  • 稲葉 琢也

    資金繰りに時間とエネルギーを消耗して本業に専念できない社長をお金の悩みから解放、経営数字を起点に本音で相談できるパートナーとして将来を見通し、社長の理想の未来の実現をサポートする経営コンサルタント。
    銀行勤務時代に700件以上の融資を経験。広島県中小企業再生支援協議会統括責任者時代を含めて75社以上を再生。資金調達や再生手法に精通している。
    「早めに対策することで、お金で不幸になる人をなくす」ことを使命として活躍中。