上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
「何がわからないのかわからない」という新人にイライラする前に上司がすべきこと
2018.08.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション聞き方
新入社員や新人スタッフが入ってきたときに、指導する立場の上司は、「これくらいはわかるだろ!」と思うようなことも理解できなき新人に、イライラすることが多くなりますよね。
居酒屋で、「最近の若いものは」なんて愚痴ってしまうこともあるかもしれません。
自分が知っていることを人に教える時は、自分は経験して知っているので、「知っている前提」で相手に説明してしまいます。
しかし、実際にあなたが説明する人は、何も経験もなく、知らない人かもしれません。
あなたが、新人には気を使っていたり、ストレスを感じているように、相手も同じようにストレスを感じているはずです。
「新人はわからないくせに相談にも来ない!」なんて怒ってしまう人も多いのですが、このように、新人スタッフが入ると何かとストレスがあるものです。
それは上手く出来ないのに相談にこないので、手を差し伸べようがないからではないでしょうか。
ただ、彼女達が相談に来ないのは、「自分が何をやればいいのか、何を勉強すればいいのか、今はどこまで分かっているのか」が見えないからかも知れません。つまり、「迷子状態」。
したがって、先輩が「分からないことがあったら、相談に乗るよ」と親切に言ってくれても、どのように相談していいか分からないのです。
そして、周りに救いの手を差し伸べないまま、一人で試行錯誤をし続けます。すると、周りの人たちは思うのです。「この人は、自分だけでなんとかしようとしている。なぜ協力を求めないのだろう?やる気がないのかな?それとも私が嫌いなのかな?」と。
しかし実態は、「本人の頭の中が混乱していて、何を聞いていいかが分からないだけ」なのです。
あなたが先輩として、新人スタッフをこの「思考の迷路」から脱出させてあげるために、どうすればよいでしょうか?
それは、次の質問をしてあげることです。
それを自由に話していると、本人は話しながら頭の中が整理されていきます。
新人「私は、衛生士として、患者さんに何を話していいのか良く分かりません」
先輩「そのことについて、今あなたが分かっていることを聞かせてくれますか?」
新人「え~っと、まず痛みの個所を聞いて、磨き残しを説明しようと思っているのですが・・・」
先輩「それから?」
新人「あと、患者さんのプライベートなことや天気のこととかもいろいろ話すんですよね・・・」
先輩「つまり、“初診の患者さんと親しくなるための一連の会話の仕方を知りたい”のかな?」
新人「あ、そうですね」
そこまで分かれば、遠回りをせずにピンポイントのアドバイスができて、便利ですね。
ちなみに、この記事を読んでいる方が、
新人の立場であれば、この発想を使って
上司に相談するのも1案です。
例えば次のように。
「〇〇さん相談があります。
私は知識不足で、何がわかっていないかが
わからない状況なので、
私がわかっていることをお話ししますので
何が足りないかをアドバイスいただけないでしょうか」
と言うように。
何がわからないかがわからない時は
わかっていることを明らかにすることで、
結果的にわからないことが浮き彫りになります。
試してみてくださいね。
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