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社員を巻き込みビジョンを実現する キャッシュフロー経営って?

社員が育つ企業は知っている「全員参加経営」社員が自ら育つ仕組みを実践できる10か条とは?

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2019.03.01 執筆者:和仁 達也

 

企業業績を向上させる方法は、シンプルに言えば、ただひとつ。
「コスト以上に稼ぐ」ことです。

ところが、この単純な真実に
社員一人ひとりが気づいているかどうか
は疑わしいものです。

「会社が支払っているコストに見合った稼ぎをしているか」
を意識し、業績に貢献している社員は少ない。

そう考えるのが現実的ではないでしょうか。

その意味で、社員が社長目線で仕事に取り組む
“全員参加経営”こそが業績向上の最良のアプローチだと
わたしは考えています。

そこでこの記事では、中小企業の社長に共通する悩みとその解決策、
さらに、社員一人ひとりが自ら育つ“全員参加経営”の秘訣
について、次の3つのテーマでお伝えします。

テーマ1)全員参加経営のしくみをつくる7ヵ条
テーマ2)社員に報いてやりがいを引き出すための3ヵ条
テーマ3)<コラム>今すぐ実践できる!全員参加経営のためのアイデア集

なおこの内容は、机上の空論ではなく、
わたしがコンサルティングの現場で20年間、
実践を重ねて来た実践論です。

 

社長に共通する悩みはノホホン社員の存在

「社員に危機感が伝わらない」

多かれ少なかれ、ほとんどの社長や経営陣が、
このような経験をしているのではないでしょうか。

たとえば、毎月○○円の売上がなければ
会社が存亡の危機に立たされるのに、
社員がなんとなくのんびりして見える。

売上目標を達成したはいいが、
大幅なダンピングで利益に貢献しない。

仕方なく、社長自ら営業に走り回って
社員を食わせるのに必死になる。

このような光景は、いまやあちこちの企業で見られます。

社長の思いと社員の行動の間の大きなギャップは、
社長と社員の立場が大きく異なることに起因します。

社長には常時、自分が考えてどんどん行動しないと
会社がつぶれてしまうという危機感がある。

一方、社員は言われたことだけやっていれば
それほどがんばらなくても毎月給料をもらえてしまう。

こうした立場の違いによって、
働く社長、ノホホン社員という構図が
できあがってしまうというわけです。

 

“全員参加経営”でヤル気あふれる会社に

社長が常に危機感に駆られるのは、
企業業績が社長自身の生活に直結しているからです。

会社の業績が悪化すれば、報酬を得ることはおろか、
損失の穴埋めまで必要になることもある。

だからこそ必死に働くのです。

実は、社員にとっても事情は同じはず。

業績があがらなければ、給与の遅配こそ
経営者の努力で免れるかもしれないが、
自身の生活の向上はあり得ない。

にもかかわらず、会社の成果と自分の報酬のつながりを
具体的にイメージできていないことが、
社長と社員のギャップにつながっているのです。

とすると、対策は絞られます。

社員一人ひとりが、社長同様、
会社業績と自分の生活の関係を具体的にイメージ
できるようにすればよいのです。

これが“全員参加経営”の要諦。

とはいえ、お金だけがすべての社員のモチベーションに
なるとは限らないことには注意が必要です。

社員は常に「やりがい」を求めえています。

やりがいとはすなわち、夢の実現に他ならない。

自分の抱く夢が実現すると思えばこそ、
やる気もあふれる。

つまり、夢とお金の両輪があってこそ、
社員は自発的に、社長と同様のモチベーションをもって動きます。

“全員参加経営”とは、夢とお金というモチベーションを
社長と社員が共有する状態を指すのです。

 

“全員参加経営”のしくみをつくる7ヵ条

まず、“全員参加経営”を行動に移す際には、落とし穴に
陥らないよう、事前に知っておきたいことがあります。

この記事を読んで、実行を決意されたら、
ここに戻って、下記↓の記事を読むことをお勧めします。

「社員に会社の経営数字を公開する前に、知っておくべき4つのこと」

 

さて、
この4つのことを踏まえた上で、“全員参加経営”を導入するには、
次の7ステップで取り組むことが効果的です。

 

1. 会社の価値観を文字にする

会社がめざしている状態―ビジョンを文字に表して、
社員の誰もが共有できる状態にします。

堅苦しい計画書よりも、
1年後、3年後、10年後にどうありたいか、
視覚的にわかりやすい表現で伝えることが大切です。

さらに、仕事上の合言葉となる
“カンパニースピリッツ”を明示する。

どんな思いで、何を大切にして仕事をするのか、
行動の価値基準となる言葉です。

社員の心を奮い立たせるようなワクワクする言葉を選べば、
社長の指示が浸透しやすくなります。

 

2. 事実を正しく知る

会社が置かれている状況をお金の面から把握し、
情報を共有します。

この際、「お金のブロックパズル」のように、
売上から粗利、利益、繰越し金にいたるまでの
全プロセスを図示することが大切です。

図の面積の大きさを感覚的に捉えることで、
会社の現状を実感できます。

※参考記事
「たった1枚の図で会社のお金の流れはすべてわかる!お金のブロックパズルとは?」

 

3. 会社の理想の姿を決める

上記2でとりあげた「お金のブロックパズル」に、
1年後の目標数値を入れた図をつくります。

さらに、各数値を12で割った図で
1ヵ月ごとのお金の流れをつかむことができ、
短期的かつ明快な目標を共有できます。

 

4. 理想の姿にリアリティを持たせる

理想の姿を、具体的な行動計画に落とし込んでいきます。

各行動計画について、12ヵ月間の中でいつ準備を始め、
いつ実施し、いつ成果を出すのか、キャッシュフロー計画表
(エクセルの一覧表)に書き込む形でまとめるとわかりやすいです。

今、どんな目的で何をすればよいのか、
この先どのようなことをする予定で、何を準備すればよいのか、
を共有するためのしかけです。

 

5. 社長と社員のギャップを埋める

課題や目的の共有には、会社の実態を
社内でオープンにすることが必要ですが、
決算書や帳簿などをそのまま社員に公開することは無意味です。

と言うか、有害な場合すらあります。

本当に必要な情報だけを厳選して、
上記2、3のプロセスで作成した「お金のブロックパズル」を、
社員一人ひとりがそれぞれ暗記して描けるようになるのが望ましい。

特に、利益が出た後にも、税金その他の支払いがあることに
気づかせることが重要です。

 

6. 社長と社員の情報量を近づける

経営は目標と現状を比較して、
先の見通しを持つことによって行なわれます。

こうした認識を社長と社員が共有するために、
売上の目標達成度や粗利、利益、労働分配率、
最終のキャッシュフローなどのポイントを押さえて、
経過と目標との乖離をチェックします。

社員の気づきをうながすには、それぞれが
自分のノートに書き込むなどの工夫が効果的です。

 

7. 毎月1回、プランを見直す

最低、月1回は全体会議を行ない、
1からのプロセス全体でPLAN(計画)・DO(実行)・
SEE(見直し)のマネジメントサイクルを何度も回す。

ビジョンを思い出して奮起し、ビジョンに近づくやり方を
全員で考える機会としても大切なことです。

以上の7カ条を、適切な方法で手順を追って実践することで、
望む成果につながることでしょう。

そして次に、社員のやりがいを引き出すカギをお伝えします。

 

社員に報いてやりがいを引き出すための3ヵ条

さて、社員が社長のように働かない理由として、
「成果を出しても報われない」と言われることが多いようです。

社員がやる気を出すには、成果に連動した報酬が重要というわけです。

ところが、極端な業績給では社員のやりがいを
損ねることになりかねず、中小企業にとっては致命的です。

では、どのような給与システムが社員に報い、
やりがいを引き出せばよいのでしょうか?

ここでは、社員に報いてやりがいを引き出すための
3つの条件をお伝えします。

 

1.労働分配率に注目する

成果に連動した給与システムを追求するとき、
成果を売上で測ることが多いようです。

ところが、売上を拡大するために値引きなどに走った場合、
利益は上がらないのに給与をアップさせると言う、
ちぐはぐな結果を招く恐れがあります。

そこで注目したいのが労働分配率です。

労働分配率とは、粗利に対する人件費の割合です。

「お金のブロックパズル」でも明らかなように、
売上→粗利→利益の流れの中で、
目標とする利益を確保するためには
粗利に対する人件費の割合を何%程度にすればいいのか、
比較的容易に判断できます。

社員も最終のキャッシュフローが黒字なら、
ボーナスが出ると簡単に認識できるでしょう。

 

2. ボーナスを業績に連動させる

業績連動型の給与体系にするとはいえ、
毎月の給与が一定しないのでは社員のモチベーション維持は
むずかしいことでしょう。

そこで、月給部分は固定給とし、
ボーナスを業績連動型とするのが現実的でしょう。

業績の変動によって年収が減少することに
納得感が得られないのであれば、
金銭以外の報酬を考えるのも一案です。

スキルアップのための社外研修への派遣や、
ハイスペックな機材の購入などによる職場環境の改善、
非日常的な魅力的な場所での社員旅行などによっても、
社員に報い、モチベーションを高めることができそうです。

 

3. ボーナスを年3~4回支給する

業績還元の手段がボーナスだけの場合、
年2回では少なすぎるかも知れません。

業績に合わせた調整が難しいからです。

ボーナス支給時に、粗利に合った人件費額を算定し、
当初予算を超えて人件費が払えそうな場合には
繰り越しておきます。

年度末の最終支給時に、繰り越し分をも合算し調整すれば、
次年度への社員の士気も高まると期待できるし、
決算の利益を損なうこともありません。

また、社員は「常に社長に評価されている」という
緊張感と安心感を持つこともできます。

なお、個々の社員の査定については、
複雑な評価基準によらなければならないわけではありません。

中小企業レベルでは、社員一人ひとりの働き具合は
社長の頭にインプットされていることでしょう。

自身が評価するポイントを箇条書きにし、
査定額と根拠を社員に知らせるようにすれば
事足りるケースが大半です。

いたずらな手間をかけることなく、
納得感のあるボーナス査定が実現できることが理想です。

これまでに述べてきた方法は、
社員10名から30名程度までの企業にもっともふさわしいものです。

このクラスの企業では、社員の顔がよく見える分、
「目標や理念をみんなで共有できている」と社長は誤解しがち。

こうした認識を改め、ビジョンや目標、
それを実現するプロセスを目に見える形にする。

さらに、目標達成の喜びを実感できる全員経営のしくみは、
組織を見違えるように変えることでしょう。

 

<コラム>今すぐ実践できる!“全員参加経営”のためのアイデア集

「社員と目標を共有できない」と悩みを抱える社長が、
今すぐにでも実践できる“全員参加経営”の実践アイデアを、
4つ紹介します。

 

1.親密な雰囲気で昼食をともにする

社員との精神的な距離が離れていると感じる社長には、
社員と1対1で向き合う時間をつくることをおすすめします。

それには、くつろいだ雰囲気を出せる食事の席がぴったりです。

普段は行かないようなゼイタク感のある店の
ランチを利用するとよいでしょう。

昼休みという限られた時間だからこそ、
密度は濃くなり、酔いを言い訳にできない。

あえて仕事ではない話をして、
社員の関心のありかや悩み、困りごとを聞く。

聞き手に徹することが大切です。

社員は「話を聞いてくれる人」として社長への信頼を増すでしょう。
社長も、社員の意外な一面を発見できるかも知れません。

半年から1年に一度はこうした機会を持つと、
精神的な距離が縮まり、職場でのコミュニケーションが円滑になります。

 

2.社外の専門家の講義を全員で聞く

たとえば「お金のブロックパズル」についての
説明は重要ですが、社長が直接伝えようとすると
「また、社長が小難しいことを言ってるよ」
などと緊張感を持って話を聞く雰囲気にならないかも。

こうしたときには、社外の専門家の力を活用するのが得策です。

キャッシュフローコーチや税理士などから
客観的な立場で語ってもらうことで、
内容が頭に入りやすくなることはよくあります。

 

3.表彰も全員参加で

ある会社では毎月「月間MVP」を表彰しています。

会議の場を設け、社員全員がそれぞれMVPを推薦して、
その理由を述べる。
もっとも多く推薦された人がMVPに選ばれる。

このプロセスでは、自分が他の社員にどのように
評価されているかを知ることができます。

また、「どのような行動か賞賛されるのか」がわかることも重要です。

意見を表明する場を与えられることで、
モチベーションが高まるメリットもあり、社員間の意思疎通が
進み、関係性が構築される効果も。

表彰された人はもちろん誇らしいでしょうし、
選定のプロセス自体が全員参加経営の醍醐味を
実感する場となることがポイントです。

 

4.経過をわかりやすく掲示する

「掲示物」も、全員参加経営の雰囲気を高める小道具となります。

ある会社では、大きな日本地図を壁に張り出し、
全国の進出拠点をピンで示しています。

事業が拡大する喜びを、社員全員が共有するしかけです。
競うための掲示ではなく、社員が一丸となって
目標や喜びを共有できる掲示にすることが理想です。

 

総括まとめ

ここまで、「全員参加経営のしくみをつくる7ヵ条」と
「社員に報いてやりがいを引き出すための3ヵ条」の計10か条、
ならびに、「今すぐ実践できる!全員参加経営のためのアイデア集」
を紹介しました。

ここに記したことは、机上の空論ではなく、わたしが
コンサルティングの現場で実践して、その要点を
抽出して言語化したものです。

人は漠然とした不安を抱えたまま、
新たな挑戦をするのは難しいものです。

ならば、その不安の正体を明らかにすることで、
具体的に手を打つことができる。

この記事を参考にして、自社がやれていることは何か、
そして新たに着手すべきことは何か、について
考えるきっかけになれば幸いです。

 

なお、この全員参加経営(オープンブック・マネジメント)の実践法について和仁が行なったセミナーを収録したDVD教材はこちです。

 

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎相手を気遣いコミュニケーションを円滑にする「全員幹事体制」の組織がもたらす場とは?

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書多数。

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