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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

患者さんにお金の心配をさせない配慮をしているか? 先に言えば説明、後で言えば言い訳。

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2026.10.15 執筆者:和仁 達也

 

医療機関や時価の高級寿司のように、先に金額を知りたいけど
遠慮して聞けないお客さんに対して、サービス提供者側が
考えておきたいことを、歯科医院の事例でお伝えします。

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ホワイト歯科の加藤院長には仙台に住む妹がいる。
そして通っている歯科医院のことでたまに不満の電話がかかってくる。
先日の電話は治療の支払い金額についてのことだった。

「お兄ちゃん、ちょっと聞いてよ。私が通っている歯科医院で
奥歯のインプラントを勧められたのでお願いしようと思っているんだけど、
なかなか金額を言ってくれないんだよね。

インプラント以外の方法も合わせて説明を受けて、最後に
『金額は次回伝えます』と言われたんだけど、なぜ今言わないの?って感じ。

大体いくらぐらいかはネットで検索すればわかるんだけど、
こちらにも心の準備があるじゃない?
かと言って、こちらから『早く金額を教えてよ』とも言いにくいし。
歯科医院ってそういうものなのかな」

加藤院長は苦笑いしながら答えた。

「まぁ、そのドクターも患者さんから十分な情報を全て聞き出した上で、
ちゃんと診療内容を確定してから金額を伝えたかったんだと思うよ。
不十分な情報で先走って低い金額を伝えておいて、
後から上増ししようものなら不信感を与えるからね」

電話越しの妹は言葉を出した。

「うん、それはわかるけど、それだったらそう言って欲しいわよね。
なんだかはぐらかされてるような気分になるんだけど」

それからしばらくの間、妹との一連の会話が加藤院長の頭に
引っかかっていた。自身の医院でも同じような不満を患者さんに
持たれているのではないかと感じたからだ。

この点についてキャッシュフローコーチとの定例ミーティングで
話題に上げることにした。
キャッシュフローコーチは一通りの話を聞くと、言葉を切り出した。

「加藤院長、それは大切な教訓を含んでいる気がします。
患者さんにとって決して安くは無い治療費を支払う際に、
心の準備は必要ですよね。

妹さんのように、ある程度経済的に余裕がある方であったとしても、
いくらを用意しておけば良いのかはあらかじめ知っておきたいはずです。

ましてや経済的に余裕がない患者さんであれば、どの治療が良いかは
金額との比較無しには決められないでしょう。

高級寿司店が時価で 寿司ネタを出すように、専門家が
『私が言う通りにすればいいんだ』と上から目線で来るように
見える医院も中にはあると言うことでしょう。

でも今の時代、前もって予算額を伝えずに話を進めたり
契約を決めてしまうのは、リスクでしかありませんね。

例えばホームページの制作や家の建築やリフォームなど
高額な請負サービスにおいて、事前の予算と実際の請求金額に
ズレがあってトラブルになるケースは多々あります。

もちろんこれは最初の想定よりもお客さんの要望が上乗せされて
そうなっているのだと思いますが、その金額の上増分を
その都度きちんと共有していなかったが故に起きたトラブルでしょう。

特に医療機関の場合、患者さんは遠慮して、なかなか金額の事は
聞きにくいものです。時価で出す高級寿司店で値段を聞くのが
無粋に感じて気が引けるのと同じように、
『医療機関で金額を気軽に聞けない』という人はいるものです」

キャッシュフローコーチの話を聞きながら、
加藤院長はうなずきながら話した。

「確かにそうですね。 患者さんにお金の心配をさせない配慮を
我々側がする必要があると感じています」

キャッシュフローコーチは続けた。

「今回の妹さんの話から導き出される教訓は、
患者さんにお金の面でモヤモヤさせないためにできることは何か、
です。 よくあるケースで3段階あります。

1つ目、最も軽いケースは『金額は次回伝えます』と言って
すぐには言わないケースです。

これは今回の妹さんのケースに当てはまりますね。
これだと医院側の都合はさておき、患者さんは
『なぜ今言ってくれないの?』と言う疑問を持つことがあるかもしれません。

2つ目のケースは、金額以外の説明が長々と続き、
いつになったら金額を知らせてくれるかがわからないので尋ねたところ、
『これからそれをお伝えするところでした』と返ってきたケース。

これも患者さんからすれば『こちらはさんざん待って
いつまでたっても出てこないので堪えかねて尋ねているのに、
本当にこれから伝えるところだったのか?』と不審に思うかもしれません。

3つ目、これが最もダメなケースですが、治療を終えてから
正式な金額を提示して患者さんが事前に想定していたよりも高くて
びっくりさせると言うものです。

こうなると不信感が最大化して別の医院に移ってしまうかもしれませんね

全てに共通して言えることは、ある1つの教訓です。それは
『先に言えば説明、後で言えば言い訳』と言うものです。

今、患者さんがどんな気持ちでいるかを察する余裕があれば、
何を前置きしてあげると良いかが気づきやすくなりますね」

加藤院長はうなずきながら答えた。

「確かにその通りです。私も余裕がなくなると、つい自分目線に
なってそうなりかねない。今度の定例ミーティングでうちのスタッフとも
このことは共有したいと思います」

「気をつけよう」という精神論で片付けると、
同じ過ちを繰り返してしまいがち。

再現性を発揮するには、医院全体の共有言語にしたり、
トークマニュアルに一文を追加するなど、システム化することが重要。

加藤院長にとって、妹からの電話は
「他人の振り見て我が振り直せ」の教訓となった出来事だった。

 

【今回のレッスン】

◎患者さんにお金の面でモヤモヤさせないためにできることは何か、
 を考えて対処する。
◎全てに共通して言える1つの教訓は
 『先に言えば説明、後で言えば言い訳』である。
◎再現性を発揮するには、医院全体の共有言語にしたり、
 トークマニュアルに一文を追加するなど、システム化する。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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