コンサルタントが相手を喜ばせたくて、やりがちな落とし穴とは?
2018.10.12 執筆者:和仁 達也コミュニケーション着眼点
コンサルタントが相手を喜ばせる為には、沢山の情報を与えることで喜ばれる!
ギブの精神だ!なんて言われたりもしますが、相手に与えることは大切なことです。
しかし、物事はバランスが大切でもあります。
わたしはある時期まで、ある偏った考え方をしていました。
それは、「たくさん与えるほど良い」という考えです。
セミナーでも本でも、わたしはこれまで「これでもか!」というぐらい、内容を盛り沢山にして構成してきました。
すると参加者の満足度は高く、中には
「頭から湯気が出ています」
とか
「カルピスの原液くらいの濃さですね」
などと言われ、そこに喜びを感じていました。
しかしある日、わたしは考えました。
「なぜ、そこまで盛りだくさんに詰め込むのか?」
そこには2つの理由がありました。1つは、
「せっかくお金と時間を割いてきてくれたお客さんに、たくさん持ち帰ってほしい」
というサービス心。
そしてもう1つ、これはその裏に隠れた心理として、
「この程度か、と思われたくない恐怖心」
もあったのです。
「さすが和仁さん、すごいですね」
と言わせたい虚栄心もあったと思います。
ところが、その間逆を行く発想に触れ、わたしの考え方が少しずつ変わっていきました。
それは、ビジネスパートナーの丹羽浩之さんの考え方です。
彼は、
「たった1つのメッセージを、いろいろな切り口、事例、ストーリーを通して、深堀りして伝える」
という考えを持っています。
当初これは、従来のわたしの考え方からすると、非常に心もとない感じがしました。
「たかが1つのことを知っただけでは、高い費用の元がとれないと感じないか」
「物足りなさを与えるのではないか」
と。
しかし当時、仲間と商品開発ミーティングを行ったときのこと。
メンバーの1人が、わたし同様、あれもこれも盛り込んだボリューム満点の企画をプレゼンしているのを聞いて、「あぁ、なるほど。僕もこんな感じに見られるんだな」と腑に落ちました。
そのときわたしは彼にこう伝えました。
「相手が消化しきれないほどたくさんの情報を与えることが親切心とは限らない。むしろ、限られた量の情報を、相手がきちんと消化して腑に落ちるまで噛み砕いて手順を追って提供するほうが、本当の親切なんじゃないか」と。
自分のことは見えにくいですが、人のことならよくわかります。
いま、相手が本当に必要としているものは何か。
それをよく考えたいと思います。
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