上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
新人スタッフに教えるときは、技術習得の前に、心のガソリンを満タンに!
2018.12.23 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり
新人のスタッフが医院に入ると、新鮮な雰囲気が漂うものですね。それまで自分が最年少だ、と思っていたスタッフも気がつくと先輩になり、新人スタッフにイチから教えてあげる立場になっていたりします。
そんなとき、指導する立場になる先輩スタッフが、こんな悩みを持つことがあります。
「新人のAさん、真面目なのは分かるけど、社会人としての基本がなってないのよね~。子供じゃあるまいし、患者さんにちゃんと挨拶をしてね、とか言って、笑顔の仕方まで私が教えなくちゃいけないのかしら」
先輩としても、「いちいちうるさいわね、この先輩はっ!」なんて逆恨みされたらイヤだし、いろいろ葛藤するものです。それでも思い切って注意をしてみると、必要以上に落ち込まれて、ズ~ンと院内が重苦しい空気につつまれたりして・・・。
「言うんじゃなかった・・・」と、先輩として自己嫌悪に陥ることもあるかも知れません。
そんなとき、先輩であるあなたに、1つ気にかけて欲しいことがあるんです。それは、「その新人スタッフは、あなたのアドバイスを受け止める心の状態ができているか?」です。
というのも、5月病という言葉もあるように、新しい環境の中で働き始めて数ヶ月がたった頃というのは、とかく自信を無くしやすいものです。
それまでの自分の中の常識が通用しなかったり、いくつも失敗したりして。ましてや、周りを見れば、自分以外はその医院において「なくてはならない存在」に見えますが、自分だけは先輩の忙しい時間を割いてもらったり、失敗して医院に損を出したり、と「足をひっぱる存在」に思えたり。
つまり、自己重要感(自分は必要とされているという実感)が満たされない状況。言わば、「心のガソリン」がカラッポなんです。
そうなっているかどうか、は、仕事のオンとオフのときの表情の明るさの違いでわかります。休憩中は笑顔で話せるのに、仕事中は笑顔にならない(なれない)としたら、要注意。その状態で走れ走れ、と言われても、いずれ力尽きてしまいます。
笑顔や接客を教育する際には、特に「心のガス欠状態」になっていないか、をよ~く観察し、小さな成功を指摘してあげたり気づかせたりして、そこを満たしてあげることからはじめてみてはいかがでしょうか。
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