士業のセルフイメージから脱却した事例。FPから社労士、そしてCFコーチへ
2021.04.25 執筆者:和仁 達也キャッシュフローコーチ日本キャッシュフローコーチ協会独立社労士養成塾
ここ数年、社会保険労務士の資格を持ちながら
「経営数字にも関われるようになりたい」
「社長の経営判断の相談相手として頼りにされたい」
と希望する方がわたしの周りに増えてきました。
彼らが口々に言うのは、
「手続き業務だけではなく、
社長と会話ができるようになりたい」
「人事に関わる専門家として、
人件費や粗利、売上、利益など
お金に関わる話もできるようになりたい」
「ただ、我流では不安なので、
ちゃんとした型を学びたい」
ということで、そんな方たちが
「キャッシュフローコーチ養成塾」にも、
多く受講され、目立つようになりました。
そこで、彼らに
「なぜ参加したのか?」
そして
「実際に参加してみてどんな良いことがあったのか?」
を率直に聞いてみることにしました。
あなたのコンサルティング活動のヒントになれば
幸いです。
士業のセルフイメージからの脱却!FPから社労士、そしてCFコーチへ
社会保険労務士の資格をもっていて、
今ではお金と人事のコンサルをしている岩田健一さん。
彼は、もともとファイナンシャルプランナー(以下FP)
の開業を目指してお金の勉強をしていました。
その中で「世界一受けたいお金の授業」読んで
和仁の存在を知り、その後開業を決めた直後に
「コンサルタントの教科書」が発売されたのを
土井英司さんのビジネスブックマラソンという
メルマガで知ったとのこと。
ちょうどその頃、開業を決めて会社に退職を
申し出た後だったものの、開業準備をする中で
(当時の自分では)FPでは食べていけないと気が付き、
今後どうするのか迷走している最中だったため、
藁にもすがる思いで必死に読み漁り、
セミナーを受けに原宿まで行きました。
開業のためにできるだけお金を
使いたくなかった岩田さんは、
名古屋から新宿までの往復夜行バスを利用したのだとか。
今ではこうしたことも笑い話として
聞かせてくれますが、
「あの頃は妻子を抱えて今後どのように食べて
いくのかも定まらず絶望的な気持ちで迷走していた」
そうです。
岩田さんは言います。
「今振り返ると、開業1か月で15万円×4件ができれば
食べていけるのではないか、という
安易な考えだったと思います。
それからしばらく悩み、キャッシュフローコーチに
関心はありつつも、今の自分には合わないのでは、
との不安から養成塾への申込みは躊躇しました。
その後悩みながら開業し、社労士の資格を
持っていたこともあり、セミナー講師の仕事や
社労士の仕事がぼつぼつ入るように。
もともと信用金庫から調剤薬局経理職に転職し、
経理職時代に労務関係も担当した実務経験も
あったので、FPよりも社労士業のほうが
結局は合っていたと判明。
先輩社労士の紹介で東証一部上場企業の人事に
週2約1年半業務委託で働くことになり、
月20万円の収入が確定してとりあえず
ホッとしたことを記憶しています。
しかし、社労士と名乗って社労士として
人から見られ、社労士の仕事をするのに
違和感がどうしてもぬぐえませんでした。
今振り返るとセルフイメージがFPのまま
社労士をしていたので、そこに違和感が
あったのだと思います」
彼はさらに続けます。
「私はFPとしてクライアントの人生に
寄り添っていくことをイメージしていたので、
「納得の報酬」で経営者相手にFPのような
仕事をするCFコーチへのあこがれが
どうしても捨てられませんでした。
正直に言えば、コンサルティングで
月額15万円というのは、
「会話だけして(楽して)15万円もらえる」
という安易な考えもありました。
今振り返ると本当に浅はかだったと思います。
コンサルティングで15万円いただくということは、
それ以上の価値をクライアントにもたらす
という覚悟が必要です。
そうしたことも分からず、ただ単に
15万円もらえたら楽だとしか考えて
なかったと思います。まさに依存的な考えでした」
岩田さんは、あれから大量の行動を続け、
成果を自らの力でつかんだ今だからこそ、
客観的に見えるものがあります。
当時のご自身のあり方や考え方を振り返りつつ、
CFコーチ養成塾を受講したビフォーアフターの
変化についても語ってくれました。
「私の場合、卒業時の経済的な成果は0円でした。
今考えれば、単にCFコーチになれば
受講料が回収できるという安易で依存的な
気持ちだったのだと思います。
自分の道は自分で切り開くという覚悟、
真の自立がなければ成果は訪れません。
「知っている」と実際に「できる」との間には
大きな隔たりがあります。
CFコーチ流に言えば、
「混乱は変容進化の前触れ」というやつです。
「新しいビルを建てるには、古いビルを
いったん取り壊す必要がある。
いったん更地にするのだから、恐怖がある」
ということです。
こうした恐怖を乗り越える覚悟を決めるのに、
私の場合卒業から約3年がかかりました。
CFコーチとしての初契約は、卒業から
実に3年の月日が経っていました。
この3年の間にCFコーチ仲間から刺激を受け、
協会活動でいろいろ学び、
徐々にセルフイメージも変わっていっていました。
「FP」から「社労士」へ、
そして「社労士」から「お金と人事のコンサル」に
徐々に変わっていきました。
セルフイメージというのは、一瞬で変わる
ものではなく、使い続けることによって
徐々に体に浸透していくものです。
「お金と人事のコンサル」を策定し、
宣言するようになってから、実際に
自分自身に腑に落ちるまで数年かかっています。
この間に名刺の肩書から「社労士」を
消しました。「社労士」を消せたのは、
徐々にセルフイメージが変わって
いったからあと思います。
今、対外的に社労士を名乗ることは
ほとんどありません。
「お金と人事のコンサルティング、
岩田事務所の岩田健一です。」
「社長のお金の悩みを解放して
本業に専念させる専門家、
キャッシュフローコーチの岩田健一です。」
「会社の成長と社員の幸せの両立を実現する専門家、
リレーションシップパートナーの岩田健一です。」
と名乗っています。
信用力の担保のために、名刺の裏側に
保有資格として小さい字で載っているだけです。
また、仕事も社労士業からパートナー型コンサルに
移行しつつあります。
売上額は2021年ついに社労士業よりも
コンサル業の方が多くなる見込みです。
いろいろ模索する中で、私は経営者を対象とした
45分×月2回または90分×月1回のコーチングセッションか、
3時間×月1回のコンサルセッションが
一番自分に合うなと分かりました。
ですから、無理に月額数十万円の契約や、
フルコンサルを受注しなくてもよいと
自分自身に許可を出せるようになりました。
今後は月1回~2回のセッションを軸に
クライアント数を増やし、その中から
チームビルディング研修や理念策定浸透
コンサルを必要に応じて提供するスタイルに
落ち着くと思います。
今でも開業当初と変わらず妻と2人で
仕事をしています。
社労士の手続業務と事務所経理は妻が、
対外的な業務(営業、折衝、相談、コンサル等)は
私が担当するというすみわけもできており、
私も妻もそれぞれ自分の強みを生かした
仕事ができています。
2020年10月にはいろいろご縁があり、
思い切って来所型の事務所を借りました。
自宅と事務所を分離すること、
訪問型コンサルではなく来所型コンサルへ
移行することなどが目的でした。
今ではどうせやるなら楽しく仕事をしようと、
趣味であるアナログゲーム(トレーディング
カードゲームやボードゲームなど)の会を
事務所の宣伝活動も含めた収益事業として
始めることにしました。
こうしたことはひとえに時間単価が高い仕事が
できているからできることだと思います。
パートナー型コンサルとしてクライアントに
価値を提供するため今でも勉強を続けていますが、
そうした活動を除けば実働時間は
非常に少なくて済んでいます。
もともと学ぶのは好きだったので
学んでいる時間は仕事というよりは
趣味に近いですしね^^
まだまだ収益面では自分の理想に届いて
いませんが、やりたいことで収入を得る
という理想の働き方ができていると感じます」
この岩田さんの話を聞いて、改めて気づかされるのは、
「高額報酬にこだわって、でも不安からそれを
請求できるイメージが湧かず、はじめの一歩が
踏み出せない人は、自分サイズのパッケージの
仕方をした方が良い」
ということです。
面談時間を短くすることで報酬を低くするのなら、
高い時間単価は実現できるのですから。
最後に、社会保険労務士のみなさんに
メッセージを送ってくれたので紹介します。
「私のように伴走型の「パートナー型コンサルで
食べていきたい」という人には、CFコーチの
メソッドを知っておくことを強くお勧めします。
CFコーチには、パートナー型コンサルとして
活動するために大切な考え方がすべて凝縮されています。
仮に、経営数字を扱うCFコーチとして
コンサル契約を受注しないとしても、
コンサルでやっていきたい人にはぜひとも
知っておいてほしい内容ばかりです。
とりわけ、社労士には”ビジョナリーコーチング”
をフル活用できます。
CFコーチ・メソッド(≒パートナー型コンサル・メソッド)
の上に何を積み上げてどう表現するかは
その人次第ですが、少なくともベースとして
知っておいてほしい内容ばかりです。
社長と話すために必要な最低限のお金の知識を
手に入れることもできますし、
何より社長とどのように話をしたらよいのかの
会話の型も知ることができます。
今後自分がどのようなスタイルで仕事をするのか、
も考えることができますし、すべての場面において
何を重視してどのようなあり方で臨めば
いいのかも分かります。
私がいる東海地方では
社労士(他士業中心の方除く)×CFコーチが
まだ3名しかいません。
社長に定期的に面談し、悩みに寄り添い、
伴走していくということがしたい人には
ぜひ我々の仲間になっていただきたいです。
そして、ぜひ一緒にこの地方の企業を、
ひいては地域全体を盛り上げていきたいと思います」
岩田さんの話を聞いて、
わたし(和仁)が印象に残ったことは、
焦らず、正しい努力をしながら実践し続けていれば、
「従来の社労士業の売上よりも、
コンサル業の売上が超える日は必ず来る」
ということです。
継続する力があれば、人はガラッと変容進化することを
岩田さんは証明してくれました。
岩田さんの、これからの変容進化が楽しみです。
そして、わたしは彼のように
・将来の独立系コンサルタントを目指して、
・社長の社外パートナーとして、
経営数字を自身の武器として取り入れて
クライアントのビジョン実現に貢献したい!
との思いをお持ちの方なら、
このCFコーチ養成塾がお役に立てることを
実感しました。
そんな方には、塾への参加を検討してもらえたら
良いなと思っています。