上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
理解力の悪いスタッフをどうにかしよう」と考えるよりも、「そのスタッフに伝わる表現方法で伝えること
2018.09.23 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方
人に何かを伝えたり、スタッフや後輩を指導する時に、何度も伝えているのに伝わらないことは多々あります。
しかし、同じことを言っているはずなのに、なぜか違う人がいえば1回で伝わっていることもあります。
なぜ自分も同じように、同じことを言っているのに伝わらないのだろう?と感じたことはありませんか?
伝えようとする際に、人には、それぞれ自分の情報の伝え方があります。
一方、相手にも、伝わる情報ルートがあります。
そこに気づかないと、「前に言ったじゃないの!」「何回も教えたでしょ!?」とスタッフや後輩を怒鳴り飛ばしたことはありませんか?
これでは、スタッフも不満が出て、時にはやめてしまう!なんてことも起こりかねません。
そんなとき、「理解力の悪いスタッフをどうにかしよう」と考えるよりも、「そのスタッフに伝わる表現方法で伝えること」を考えたほうがストレスになりません。
NLP(神経言語プログラミング)などの研究によると、人は外部からの情報を処理する際に、「耳からの情報に頼る人」「目からの情報に頼る人」そして「体感(身体を動かす)からの情報に頼る人」というように、それぞれ傾向があるようです。
ということは、たとえば目からの情報に頼りがちな人にいくら言葉だけで説明しても、その説明は右から左へ抜けてしまっているのです。そのスタッフも一応分かったようなフリをしますが、あとで確認してみると、やっぱりわかっていません。このことは、日常の家庭生活でよく見受けられます。
たとえば家庭で、妻が夫に依頼をする。
「あなた、不燃物と可燃物のゴミが玄関においてあるから、分別して出しておいて」
そのとき夫はソファで新聞を読みながら、「う~ん」と生半可な返事をしたものの、数秒後にはすっかり忘れている。そして妻は 「もう!いつも私の言うことを聞いてくれてないんだから!」と文句を言いながら自分で片づけている。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
実はこの夫は、外部からの情報処理を、耳にはほとんど頼らず、主に目から行なう傾向がありました。そのため聞いたことをスムーズに理解しない、あるいはすぐに忘れてしまうのです。
この場合、妻が夫に依頼をする際に、言葉だけで伝えるのではなく、視覚でも伝える、そして夫は依頼を受けるときに、妻のほうを見ることが大切なのです。
このことを、院長とスタッフの関係におきかえて考えてみると、どうなるでしょうか?そのスタッフが目からの情報処理に頼る傾向の人だとすると、院長のせっかくの熱弁は耳に入っていない可能性があります。
ましてや、体感を通して情報処理するタイプだったら、「聞いていないし、見ていない」ことになります。しかしそれは、その人の能力のあるなしとは関係ありません。
とにかく大切なことは、相手に伝わるように伝えること。これは院内のスタッフに対してのみならず、患者さんに対しても同様に重要なことです。そのような意識を今日から持ってみてはいかがでしょうか。
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