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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

どのスタッフも、必ず医院の業績に貢献できる! 医院のフトコロを痛めずに、スタッフの年収を上げるには?

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2018.11.03 執筆者:和仁 達也

人手不足がどの業種でも起こり、採用難は最大の課題になり人件費も高騰しています。

人件費の高騰や、採用するための費用は経営の圧迫になる問題でもあります。

経営者だけが売上の増大を考えるのではなく、スタッフも業績に貢献し、スタッフの貢献がそのままスタッフの年収に反映することができるのであればどうでしょうか。

特に、歯科医院などの医療機関は、利益追求型の経営は表立ってやりにくいのが現状ではあります。

しかし、利益を出すことは、患者さんにとっても良い医療を提供するためにも必要なことです。

スタッフの年収をあげ、医院の業績を上げるために必要なことはなんでしょうか。


今日はホワイト歯科がスタッフにボーナスを支給する日。1日の診療を終え、加藤院長は歯科衛生士のチーフスタッフの加藤と面談をしていた。

歯科医院は医療機関であるため、利益追求を目的とする一般企業と違い、お金の話はデリケートな面がある。スタッフに、「売上」「利益」「患者数」と数字ばかりを口にすると、「ウチの院長はお金儲けばかりで、なんだかヤラシイわね」と誤解されかねないからだ。

加藤院長は、加藤にいつも話していることを伝えた。

「私たちが売上目標を達成しなければならないのは、医院を運営するには、お金がまわり続ける必要があるからだ。そして、それは、①よい医療を患者さんに提供し続けるため、そして②スタッフの雇用を生み続けるためなんだ。そのためには、一定の利益を出さなくちゃいけない。それらを計算して、舵取りをするのが、経営者である私の役割なんだ。そして、それなりの活躍をして医院の業績に貢献しているスタッフには、それに見合った給料やボーナスを払える医院にしたいと思っている。今はまだ、横一列に支払っているけどね。近い将来、貢献度に見合った年収を支払うようにしていきたい。チーフである加藤さんには、その意味を理解しておいてもらいたくてね」

加藤はうなずきながらも、かねてから疑問に感じていたことを切り出した。

「院長の言われていることはわかるんですが、具体的にどうがんばっていいのか、よくわからないときがあります。というのも、ドクターは治療の数が増えればそれが売上につながるのはわかります。でも、私たち歯科衛生士や助手、受付のみんながどう医院の業績に貢献できるのか、よくわからないんです。何らかの形で貢献しているんだろうとは、漠然とは思うのですが・・・。」

加藤院長は、もっともな疑問だと感じた。そして、キャッシュフロー経営の概念を教えるよい機会だと思い、1枚の紙を取り出して、レクチャーを始めた。

「これは、よくミーティングで話をする、医院のお金の流れの全体図なんだけど、覚えているかな?」

お金のブロックパズルを描きながら問いかけた。

「はい、売上から、材料費や外注技工料などの変動費を引いたのが、“粗利”。そこから人件費や家賃などの固定費を引いた残りが“利益”で、そこから借金の返済とか将来の投資用の貯金をしたりするんでしたね」

「うん、その通り」

加藤がちゃんと理解していることを確認すると、院長は続けた。

「ここに、ドクターである私も含めて、スタッフそれぞれがどう関わっているかをブロックパズルに照らし合わせながら考えてみよう。
まず、ドクターは治療する患者さんの数に応じて、売上をつくっている。これはわかるよね?」

加藤はうなずいた。

「歯科衛生士は、今ウチの医院がとりくみ始めた予防メンテナンス。これはドクターの力を頼らず歯科衛生士にまかされている仕事だ。3〜6ヶ月に一度の予防メンテナンスの患者さんの数に応じて、売上をつくっている」

加藤はすかさず質問を投げかけた。

「それは理解できますが、診療行為ができない助手や受付はどう考えればいいんですか?」

「うむ、そこは確かに見えにくいところかも知れないな。でも、助手の力量が医院の受入れ体制、キャパシティを決めると言っても過言ではないんだ。というのも、本当に“デキる助手”は、常に一歩先の動きを見て、ドクターや衛生士のアシストができる。

たとえば、器具の置く向きや場所、院長に手渡しするタイミングや位置を先読みして動ける助手がつくと、ドクターが1日に診れる患者数は10〜20%はアップするものなんだ。また、ドクターや衛生士が後片付けなど診療以外の業務をしなくて済むように一手に引きつけてくれるとしたら、それも間接的に医療行為をサポートしていることになる。言っていること、イメージできるかな?」

「はい、それはわかる気がします。たしかに新人の助手の子がつくのと、ベテランのスタッフがつくのとでは、私自身もかなり効率が違うって感じますから」

「つまり、直接医療行為をできないスタッフでも、医療行為をするスタッフを適切にサポートすることで、間接的に売上、粗利をつくっていることになるんだよ。

受付スタッフもそうだ。彼女達のアポイントの入れ方次第で、1日に診れる患者さんの数が決まってくる。スカスカなアポの入れ方をすれば、1日の患者数は医院の稼働力以下にとどまってしまう。また、待合室に長い時間待たせている患者さんがいるときに、ぶっきらぼうな対応をしたら、怒って帰ってしまうこともあるだろう。

逆に、アポの入れ方を工夫して、その日診れる最大の患者数を確保する。電話やハガキなどで患者さんとよい関係性をつくって無断キャンセルを予防する。待たせてしまっている患者さんに気配りのある対応ができる。そんな受付スタッフがいたとしたら、その人は医院の売上を間接的につくっていることになる。

それ以外にも、ウチの医院では、「在庫削減係」「経費削減係」「初診カウンセリング普及係」「患者教育ツール開発係」「物販促進係」「研修情報収集係」など、これからいろんな係が登場する予定だけど、これもそれぞれの立場で医院の業績に貢献できるんだ。だから、業績に反映できたときには、工夫や努力に応じてボーナスで還元していきたい。わかるかな?」

加藤は大きくうなずいた。

「はい、今まで院長がミーティングでおっしゃっていたことが、今のお話でよくわかりました。いろんな形で医院の業績に貢献できて、その結果として給料やボーナスが増えることは可能なんですね」

「そうだ、よろしく頼むよ」

加藤院長は、加藤の肩をポンとたたくと、今回のボーナスの明細を手渡した。

今回のレッスン

◎ 歯科医院に働いているスタッフは、どの立場の人でも医院の業績に関わっている。

◎ それが、受け取る報酬と比べてバランスが取れているか?全スタッフがそれを意識し始めた
とき、医院の生産性は格段にあがる。

◎ ただし、お金はあくまで「良い医療を提供し続けるための手段」であることを忘れず、「お金
儲けありき」に陥らないよう気をつけよう。

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書多数。