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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

美容院に学ぶ価格設定法 今の自費診療の価格は、ホントに適正か?

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2018.08.08 執筆者:和仁 達也

歯科院が自費診療を行う時に、価格設定で悩む先生は多いと思います。

また、自費治療をしてきて患者さんは増え、自分の技術も経験も上がってきた。

そう考えた時に果たして自分の医院の自費診療の価格は適正なのかと考えることがある。

値上げしたとしても10年以上同じ価格でやっているし、急に値上げしたら患者さんに嫌がられてしまうのではないか?

自医院の価格は果たして適正なのか?と周りの医院や知り合いの先生の医院を見て考えているが、地域も立地も違うからなんとも言えない。

そんな時は、他業種から考えてみることをオススメします。

この記事では、「美容院に学ぶ価格設定法 」をお伝えしたいと思います。

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加藤院長がお昼休みを利用して1ヶ月に一度通う、行きつけの美容院。
その日は受付スタッフの、価格改定の説明から始まった。

受付の壁に貼り出された新しい料金表を見ると、「トップスタイリスト」「チーフスタイリスト」「スタイリスト」の3段階に設定されていた。今まで店長がカットしていた加藤院長は、誰がカットしても均一料金だった今までと比べて、15%程度、高い金額になる。

フトコロに寂しさを感じながらも、しぶしぶ承諾。
お昼休みを終え、キャッシュフローコーチの和仁との面談の時間になった。

今日のテーマは、自費診療の価格設定の見直しについて。
コーヒーをすすりながら、加藤院長は、ついさっきの美容院の値上げのことをキャッシュフローコーチに話した。すると、すかさず彼は院長に問い返した。

「加藤院長は、その価格の見直しの話を聞いたとき、どう思いました?」

「え!?まあ、値上げは嫌だけど、担当を変えるのはもっと嫌ですからね。慣れている人に任せたほうが安心だし、たしかに腕はいいし。とくに不満も言わずに了解しましたけど」

「なるほど。その体験は、今日のテーマと非常に大きく関係しそうですね」

キャッシュフローコーチは、コーヒーカップに手を伸ばしながら言った。

「今日は院長の自費診療の価格設定について、考えてみたいのです。はたして、妥当なものになっているのでしょうか?」

キャッシュフローコーチは続けた。

「今日の美容院のように、経験によって単価が上がっていくのは、どの業界でもよくあることです。院長のいまの自費の価格は、たしか自費診療を始めた10年前のままでしたよね。
1つお聞きしますが、その当時と今とでは、診療のクオリティには、違いはありませんか?」

すると、院長は即答した。

「もちろん、今のほうが格段に手際もいいし、確実だし、スピードだって早くなっています。
研修などかなりの研究開発費を投入して、この10年で相当の経験を積んできましたからね」

「では、院長はなぜ、今のクオリティに見合った価格に改定をしないのですか?」

「・・・。」

提供する人物が同じでも、時が経ち、経験の蓄積によって提供できる価値がアップしているのなら、それはもはや別人のサービスということになる。だが、往々にして、院長自身は自分の変化を客観的にとらえにくいため、「値上げするのは、患者さんに悪い」と考える。
前から来てくれている患者さんに対しては、特に、だ。

だが、よく考えてみれば、常に新しく来院する患者さんもいる。彼らは、昔の経験の乏しかったころの院長のことは知らない。見ているのは、熟練した腕を持つ「今の院長」だけである。

「言われてみれば、そろそろ価格を見直す時期なのかも知れませんね。しかし、一体いくらにすればいいのでしょうか?」

「では、まず今のメニュー表を見せてください」

自費診療の価格表を見ると、現状は全10アイテム。もともと高品質の割に良心的な価格設定をしている加藤院長の性格を見越して、キャッシュフローコーチは挑戦的な提案を出した。

「その価格の右側に、まずは何も言わず20%増しの価格を書きこんでみてください。

院長はちょっと驚きつつも、言われた通りに電卓を片手にペンを走らせた。

「もちろん、この通りに変更してください、というつもりはありません。次に、その20%増しの価格の右側に、加藤院長が『この金額なら納得感がありそうだ』と思える金額を入れてみてください」

院長が数字を書き込み終えるのを見ると、キャッシュフローコーチは話を続けた。

「既存の価格と20%増しの数字。その2つを目安にしながら、世間の相場や地域柄、景気動向なども加味して、いくらが妥当かを考えてみましょう。もちろん、他の医院の価格も参考材料にしたいですね」

加藤院長の医院では、年間の自費診療の売上は2500万円。仮に20%増しの価格設定を実現した場合、患者数が減らなければ、自費収入がそのまま20%アップするので、年間500万円以上の利益増となる。その増加分だけでドクターを1名雇うこともできる。そうすれば、保険治療は勤務医に任せ、自費治療は院長が担うという役割分担も可能となる。

はじめ、院長の心中は「20%も値上げなんて、できるわけない!」と抵抗感でいっぱいだった。しかしすべてをそこまで値上げできないにしても、モノによっては自信を持って値上げできるものもいくらかはあることに気がついた。

「今日はあくまで価格を見直すきっかけをつくったにすぎません。改めて、材料代や技工料の値上がり率、ドクターの時間単価、市場価格、景気動向、地域特性、その他の要因も考慮して、適正価格をつくってみてはいかがでしょうか?」

「そうですね。友人のドクターとも相談をしてみます」

今回のレッスン

自費診療は、保険診療と違い、院長が価格を決めることができる。小売業と違って、材料代で価格が決まるのではなく、診療内容の価値によって価格が決まる。そして、その価値は、時間の経過とともに変化していることがある。さらには、需給バランスという、外界の影響も受ける。少なくとも5年に1度は、価格の見直しを検討してみよう。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎自費診療の価格設定の考え方!高品質&高額な材料に合う治療代はどうやって決める?

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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