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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

自費診療の価格設定の考え方!高品質&高額な材料に合う治療代はどうやって決める?

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2018.08.20 執筆者:和仁 達也

自費診療に移行したい。

自費診療を導入したいと考える時に、価格設定は院長の大きな悩みでもありますよね。

特に、保険のみでやっていた場合は、急に高額になる自費診療では患者さんは集客できるのか?

もしかしたら、高額にするとお客様の負担になってしまうのではないか?

やはり、安いほうが頻繁に通ってもらいやすような気がするし…

と患者さん思いのあなたはこのように考えることもあるのではないでしょうか?

ステーキレストランを例に、自費診療の 高品質&高額な材料に合う治療代を解説していきます。

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ひさしぶりの連休。加藤院長は、家族を連れて2泊3日の温泉旅行でくつろいでいた。その帰り道、ある焼肉・ステーキレストランに目がとまった。腕時計に目をやる。

「もう12時過ぎか。昼はここで食べていこうか」

そこは、地元の銘柄牛を売りにした直売所を併設した、大衆的でにぎやかなレストランだった。

「せっかくだから、ここのお勧めの銘柄牛のステーキ200gを3人前、もらおうかな」

たらふく食べたあと、一家はとなりに併設された直売所を覗いてみた。そのとき、妻が声をあげた。

「あなた、さっき食べた銘柄牛の肉って、これじゃない?さっきは3,000円だったのに、直売所で買うと2,500円で買えるのね!」

見ると、たしかにさっきのメニューと同じ名前の肉で、部位も同じサーロインの200g。

このとき2人の意見は正反対にわかれた。
直売所で買って家で食べれば2,500円、そっちの方がお得だと考える妻。
一方、店内で食べても、たったの500円しか違わないなんて、良心的なレストランだと考える夫の加藤院長。

長い間、キャッシュフローコーチの和仁から「商売における粗利率の大切さ」を学んできた彼は、頭の中でこんな計算をしていた。

「直売所の2,500円の銘柄牛。この粗利率が仮に30%とすると、変動費(牛肉の仕入)は70%の1,750円だ。その同じ肉をレストランで出して3,000円ということは、レストランの粗利は1,250円、つまりたったの42%ということになる。

たしか、飲食店は通常70%ぐらいの粗利率だったよな?たしかに店内は騒々しいし、スタッフの対応も、ふつうの大衆食堂みたいな感じで、決して上品ではない。それにしても、安すぎる。
もしこの同じ肉を、それなりの高級店で出したら、一体、いくらになるんだろう?

仮に粗利率70%、つまり変動費率が30%だったなら、、、。」

加藤院長は、ケータイを取り出して、計算し始めた。

「変動費1,750円÷30%=5,833円!なんと、2倍近くの価格になるのか!
だとしたら、ここのレストランは、めちゃめちゃ良心的じゃないか!」

たしかに、広く用意されたテーブルは14時を過ぎても、ほぼ満席。どうりで、流行っているはずだ、と納得。きっと、もともと直売店だった会社が、副業でレストランをやっているから、そんなに低い粗利率でやっていけるのだろう。

翌日。ちょうど、今後の医院の自費診療の価格をどうするか考えていた院長は、この話をキャッシュフローコーチに話してみた。

『接客はどうでもいいから、味がピカイチならOK』というお客さんなら、その店は最高です。でも、歯科の場合、『治療技術はどうでもいいから、材料がピカイチならOK』とはいきませんよね。だから、歯科の自費診療では、ちゃんと粗利を確保することが大切です」

なるほど、加藤院長はうなずき、質問を投げかけた。

「ただ、高額な材料を使う自費診療の場合、材料代にいくらを上乗せすれば妥当なのか、まったく基準がわからないんです。他の医院に話を聞いても、たいていは『ヨソの医院の価格を参考にして・・・』と横並びで根拠が見えないし。何か、目安はないでしょうか?」

キャッシュフローコーチの和仁は、紙にお金のブロックパズルの図を描きながら説明した。

「この図を見ておわかりいただけると思いますが、食材を皿に入れて出すだけで済む焼肉レストランと違って、歯科医療はたくさんの労力とコストがかかります。それはすなわち、付加価値の違いです。高い付加価値を提供している歯科医院としては、わたしの経験則上、80%を目安に考えられると良いでしょう。

もちろん、個々の治療内容ごとに、それより上回るもの、下回るものもあって良いのですが、トータルしたときの、医院全体としての粗利率が80%程度をキープできれば、経済的にも収支のバランスが整った状態になります」

「なるほど、業種が違うと、発想からなにから違ってくるんですね」

具体的な数字の目安がわかった院長は、さっそく治療内容ごとに価格設定に取り掛かった。

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今回のレッスン

◎個々の治療ごとの価格設定をする前に、医院全体としての粗利率が何%になるかを想定しておく。歯科医院の場合、80%を目安に考えるとよい。(もちろん、状況によって柔軟に考える必要はあります)

◎粗利率の高い・低いは、その医院やお店の「付加価値の高い・低い」と連動している。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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