価値を高めて信頼を積み重ねることが信用を作る!「チャンピオンベルト理論」
2020.07.25 執筆者:和仁 達也MVPコンテストプロレス動画日本キャッシュフローコーチ協会
「チャンピオンベルト理論」はご存知でしょうか?
と言っても、これはわたしが作った「造語」になるのですが、
チャンピオンベルトと聞いてあなたはどのような理論だと思いますか?
チャンピオンは、王者、一番、優勝、などのイメージがあると思いますが、
初めて聞くことなので、よくわからないですよね。
日本キャッシュフローコーチ協会では、
チャンピオンベルトを1年間でのMVPに授与するのですが、
すでに、2019年の11月で4回目を迎えました。
まだ歴史は浅いのですが、このMVPコンテストでは
MVPチャンピオンには盾やトロフィーなどではなく、
チャンピオンベルトの授与で、チャンピオンが防衛を
目指して頑張るわけです。
チャンピオンベルトは、1年間MVPチャンピオンに授与されるので、
それを自分の本業の発展に活用しても良いわけです。
セミナーや講演する人は会場に持っていくのもよし。
営業する人は営業先でクライアントに触らせてあげるもよし。
SNSで、自分がチャンピオンだ!とベルトを巻いている雄姿を
発信するもよし。
その時に、必ず「そ、そのベルトは何ですか?」と聞かれますから。
こちらが話し出す前に、勝手に会話が始まってしまいます。
アイスブレイクも必要なく、相手が「勝手に聞く姿勢」を
つくってくれるのです。
これが「チャンピオンベルト理論」の1つなのですが、
もっと大切なことがこのチャンピオンベルト理論にはあります。
その前に、このチャンピオンベルト理論を理解してもらうための
エピソードをお伝えしましょう。
ある中小企業で、○○リーダーと新しく役職がついたリーダーが
いたんです。その人が
「リーダーっていう名前をつけられるんなら、
給料をもっとあげてください」
って会社に注文しました。
よくある話ですよね。
しかし、実際は、別に「その人が素晴らしいから」というよりは
他にいないから、消去法で任命されただけでした。
本人はリーダーに任命されたからと言っても、
まだ活躍もしていないし、周りにも認められていない。
なのに、「リーダーとか役職がつくんだったら、
給料あげてもらわないとそれはできません」ってなる人もいます。
また、もう一つは、また別の場面。
企業が集まる飲み会があって、その時に出会った方に
「どんなことしているんですか?」と尋ねました。
すると、「僕は社労士の○○会という会の副会長をやっています」と。
「それは、すごいですね」って言ったら、
「いや、全然すごくないんですよ」とのこと。
せっかく副会長という役職についているのに、
本人はわざわざ「すごくない」と自分から言ったのです。
この話がチャンピオンベルト理論とどう言った関係があるのか、
戸惑いましたか?(笑)
ちゃんとつながるので、安心してもう少しおつきあいくださいね。
プロレスの場合だけではなく、格闘技やボクシングなども
チャンピオンベルトは試合して勝つか、
チャンピオン決定トーナメントに勝てばもらえます。
例えば、ボクシングで言えば、WBC,IBF,WBAなど
世界〇〇級チャンピオンとか。
ボクシングのチャンピオンベルトには歴史があるのですが、
わたしが好きなプロレスはどうでしょうか?
最近ではプ女子と言われるように大復活を果たした
新日本プロレスのチャンピオンベルトは、IWGPのベルトです。
こちらは30年以上の歴史をほこります。
それとは別に新設されたベルトがあります。
それがインターコンチネンタルのベルトです。
このベルトの価値を引き上げたのが、
今では全米で、もっとも名前を知られる
日本人スーパースター中邑真輔選手です。
プロレスラーは年俸制なので、ベルトを取得して
チャンピオンになったからといって、すぐにはギャラは変わりません。
人気度や貢献度なども加味されてギャラが上がっていきます。
当然ですが、新設されたベルトのチャンピオンになっても
ギャラも評価も上がらないわけです。
彼は、インタビューでこのようなことを言っています。
「俺がこのベルトの価値を、IWGPと同等以上に引き上げてやる」と。
その後彼は、異種格闘技なども行い、
桜庭選手やグレーシー一族など総合格闘技の選手と
戦ってファンを魅了し続けました。
確実に中邑人気は高まり、
インターコンチ王者=中邑という評価が上がって行ったのです。
そして、2014年1月4日。東京ドーム大会。
当時は、オカダカズチカ選手と内藤選手が
歴史あるIWGPのベルトを争っていました。
二人は今でも人気のトップレスラーです。
新日本プロレスとしては当然IWGPのベルトをかけた試合が
東京ドームなどのビッグマッチではメインになるはずでした。
しかし、中邑選手は、自分の戦いによって
ベルトの価値を高め、ファンの評価を経て、
東京ドームの試合に、エースと言われるライバル関係にある
棚橋選手とのインターコンチネンタル王者戦をぶつけてきました。
今まで価値を高め続けてきた新設のベルトを
ライバル関係のエース棚橋選手と戦う。
一方、歴史あるIWGPのベルトを人気度抜群の
若手オカダと人気上昇中の内藤で争う。
どちらをメインにすればいいのか?
新日本サイドは迷った結果ファン投票で決めました。
結果は、新設ベルトの価値を高めてきた
中邑VS棚橋の試合をメインに選んだのです。
そして中邑選手によって高められたベルトは
その後、他の選手が腰に巻いても、価値のあるベルトとなっています。
さて、この話で何が言いたいかというと、
ベルトがゴールではなく、
ベルトを取ってからがスタートなのです。
中邑選手は、歴史のない新設のベルトの価値を高め続けました。
新設のベルトにはなんの信用もありませんよね。
なんせ歴史がないのですから。
ファンの誰も知らなかったベルトです。
それを自らの行動でファンの信頼を集めて行ったのです。
その信頼の積み重ねが、東京ドーム大会のメインで
会場が満員になるという「信用」を作ったのです。
これは、一般的な会社でも同じことです。
自分がその役職についた瞬間、
ギャラを上げて欲しいという人がいますが、
まだなにも成果を出していないのに上がるわけありませんよね。
だから、そのリーダーという立ち位置を利用して、
企画を出す、あるいは、改善提案を出す、変革を起こす。
それを言い出すときの正当性として
「リーダーだから、そういうことを提案する権利はあるでしょう」
と主張する時に使うのです。
つまり、既得権じゃないんです。
自分がよりよいことをするための正当性のツールとして
○○リーダーとか○○課長などの役職が必要なのです。
これと同じで、冒頭の社労士の会で、
副会長をやっているという方もわたしは同じだと思うんです。
「副会長といってもたいしたことないんですよ」
と言うのは、ものすごく勿体ない話なんです。
そのような発想ではなく、
その価値を利用して雑誌の連載に出るだとか、
講演会でその役職を名乗る等すれば、
「なんだかすごい人なんじゃないか」
と、勝手にまわりは思いますよね。
インターコンチのベルトも最初は価値がなかったのです。
だけど、面白い試合を重ねていったら価値があがっていって、
別の選手がそのベルトを巻いても価値は持続した。
これと同じように
会社の中で新しいポジションが生まれたときに、
そのポジションの価値をあげるのは、初めに任命された人なんです。
つまり、キャッシュフローコーチでも
MVPを取ってベルトをもらうことがゴールではなく、
そのベルトの価値を高めていくことで、「信用」を獲得できます。
信頼を集めるには、
「過去」ではなく、あなたの「今」の行動なんですね。
まず、役職を与えられたときに、
その権威に満足するのではない。
その与えられた役職の価値を高めるべく、
行動を起こして信頼を積み重ねていくことで、
認められて、応援者も集まり、
自分の価値が高まる。
その行動の積み重ねが「信用」を生み、
同時に与えられた役職の価値も高まる。
つまり、「チャンピオンベルト理論」とは、
この「与えられた役職の価値」と「自分自身の価値」を
両輪で高める発想で挑戦し続けることが、
最大限に飛躍する鍵であるということです。
あなたにとってのチャンピオンベルトは何でしょうか。
※この「チャンピオンベルト理論」について著者の
和仁達也が語る動画(15分)はこちらです。