上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
患者さんの“待ち時間”をどう解決するか?
2020.04.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり
クリニックにおいて患者さんを長時間待たせることは
不満につながります。そのため、なるべく待たせない
工夫が必要になるのですが、別の工夫もできます。
今日はそんな気づきのあるお話です。
ある歯科医院で、受付スタッフがこんな問題提起をしました。
「このところ、患者さんを30分、40分と待たせることが増え、
中には待ちきれずに怒って帰ってしまう方もいるんです。
これは問題じゃないでしょうか?」
この医院では、予約制でありながらも急患に対応したり、
そもそも余裕のないアポイントの入れ方をしているなどの理由で、
結果的に予定がずれ込み、患者さんを待たせてしまっていました。
そんなとき、わたしたちは考えます。
「患者さんを待たせるなんて、申し訳ない。
待たせないためには、どうすればいいか?」と。
しかし、一方でちょっと目線を変えてみたら、
どうなるでしょうか。
待たせない工夫と努力も確かに必要。
でもすぐに解決できることではありません。
ならば、それと並行して、
「待ち時間を苦痛に感じさせない工夫はできないか?」
を考えてみるのです。
たとえば、東京ディズニーランドには90分以上の行列待ちでも、
文句ひとつ言わせない工夫があります。
あらかじめ入口に「90分待ち」と予告する
(よそに行くか並ぶかの判断情報を先に与える)。
通路にストーリー性のある飾りやイラストで
目を楽しませる(待っていることを忘れさせる)。
また、いつも行列で有名な某ドーナツ屋では、
行列待ちの客にできたてのドーナツを丸ごと1つ
無料で配っている(お得感を与えている)。
これらのアイデアはヒントになります。
たとえば歯科医院で、待合室をもっと居心地の良い環境にするために、
◆揃える雑誌や香り、展示物など、快適さを演出する
工夫の余地はないでしょうか?
◆スタッフは患者さんに対して「待たせて当たり前」という顔で
素通りしていないでしょうか?
だとしたら、どんな声をかけることで、患者さんの気持ちは和むのでしょうか?
◆待たせてしまう(=患者が集中する)時間帯が決まっている
のであれば、
「10~11時は人気があって30分前後お待たせする
ことがあります。そのかわり、15~16時なら、ほとんど
待ち時間ゼロで診療させていただけます」
という告知をしてはどうでしょうか?
◆待たせてしまう時間帯は、患者さんにハーブティーとお菓子を
お出しして、まるで「カフェでお茶している気分」になって
いただいてはどうでしょうか?
そのコストは、怒って帰らせてしまう機会損失を考えれば
安いものだったりします。
ほかにも工夫できる余地はいろいろあります。
「待たせない工夫」と「待つことを苦痛に感じさせない工夫」、
両方の目を持って対策を考えることで、やれることの幅が格段に広がります。
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