上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
社内のホウレンソウが自然と円滑になるシステムをつくる。
2023.02.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
ホウレンソウ、すなわち報告・連絡・相談は、
仕事の基本として、社会人になって一番最初に
教わることの1つです。
ところが、
多くの会社や医院で、このホウレンソウが滞ったために、
クレームを招いたり、スタッフ同士の関係性が
ギクシャクする場面が見受けられます。
ある歯科医院でのこと。
受付スタッフが患者さんから伝言されたことを、
担当衛生士に伝え忘れてしまいました。
それが原因で、担当衛生士は患者さんから
クレームを受け、さらにその原因となった
受付スタッフと担当衛生士が不仲になる、
という出来事がありました。
この受付スタッフは時々、
このようなうっかりミスをするため、
院長は頭を悩ませていました。
はじめは、
「メモをせずに頭で覚えようとして、
そのまま忘れているのではないか」
と思い、その旨をスタッフに伝えました。
「記憶力に頼ってはだめだよ。ちゃんとメモをしなさい」と。
ところが、受付スタッッフからは
「ちゃんとメモは取っていたのですが、
そのメモがどこかに行ってしまったんです」
との返答。
たしかに普段の仕事ぶりを観察していると、
受付のデスクにある紙にメモをとる姿が見受けられました。
ではなぜ、そう何度もホウレンソウのミスが起こるのでしょうか?
その原因は、「彼女の記憶力のなさ」でもなければ、
「メモをしない」わけでもなかったのです。
実は、伝達のシステム、すなわち
「伝達の一連の流れ」に問題がありました。
受付スタッフは、「その場にある紙切れ」にメモをして、
それをタイミングを見て伝達先のスタッフに渡す
ようにしていました。
ところが、その紙切れが膨大な資料にまぎれて
消えてしまうことがあったのです。
それ以来、
①「受付でのメモは適当な紙切れではなく、
大きめのポストイット(付箋)に一本化」しました。そして、
②「伝達メモを書いたら、受付デスクの手前の
ホワイトボードに貼付ける」こと、さらに
③「休憩に入ったら担当スタッフにそのポストイットを
手渡しして報告する」ことをルールとして習慣化しました。
しばらくすると、かつてのような伝達ミスは激減し、
スタッフ間のコミュニケーションも明るく風通しが
よいものになったのは言うまでもありません。
ホウレンソウがうまく行かないときは、
伝達のシステムをチェックしてみましょう。
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