上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
紹介してくれた人の顔を潰さないための伝え方
2025.03.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方前置きトーク着眼点
見込み客を紹介してくれることは、ビジネスにおいてとてもありがたいことです。
ただ、それが事前期待のミスマッチを起こすと、こじれるリスクもあるので
注意したいところ。そんなリスクを予防するヒントをお伝えします。
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「紹介していただけるのはありがたいのですが、
誤解して来られる患者さんの対応に悩んでいるんですよね」
という歯科院長から相談を受けました。
その歯科医院は、古くから通う患者さんの中に
積極的に紹介してくれるキーパーソンがいるとのこと。
そのこと自体はありがたいことなのですが、
その人の紹介で来た患者さんはもれなく
「えっ、安いって聞いて来たんですが、
そんなに治療費がかかるんですか!?」
という反応をされるようです。
どうやらそのキーパーソンは、
「あそこは治療が上手な上に、他よりも安くて
感じがいい歯医者さんだから行くといいよ」
と勧めてくれているそうで、とりわけ「安さ」が
強調して伝わっている様子。
つまり、紹介された人は「安い」という“事前期待”で来院するわけです。
そもそも、「高いか安いか」は絶対的なものではなく、
何かと比較して決まる相対的なものであって、
とても不確かな概念です。
なので、キーパーソンからすれば「安い」と感じていることも、
その周りの人たちも同じように感じるか、というと、
決してそんなことはありません。
これを放置しておくと、
「そんなに高いなら、辞めておこう」
「まあ、せっかくだから通うけど、高いなあ」
と不満を感じた人が増え続ける恐れがある。
さらにはそのことが紹介してくれたキーパーソンに伝わり、
関係性が悪くなるのではないか、という不安もよぎります。
こんなとき、どうすればいいのでしょうか?
それは一言で言えば、「事前期待をマネジメントする」ということです。
まず初めて来院された方には、
「その価格設定にしている根拠や価値を十分に伝えられているか?」
という視点で、前置きトークを見直すこと。
そして、紹介してくれているキーパーソンに対しては、
紹介してくれていることに感謝を十分に伝えつつ、
どのように紹介してほしいか、を伝えることも一案です。
たとえば、
「『治療費が高いか安いか、は人によって感じ方が違うので、
話を聞いて納得できるなら治療を受ければいいし、
高いと感じたら辞めておけばいいので、
まずは一度、行ってみてはどうか?』
と伝えていただけますか?」
という具合に。
「先に言えば説明、後で言えば言い訳」といという教訓を胸に。