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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

院長が自分の時間を作るために必要なタイムマネジメントとは自分でやりたいことと他人に任せたいことの仕分けをすること

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2019.11.03 執筆者:和仁 達也

自分の時間を作ることが中なできない院長は多いです。

経営者でもある歯科医院の院長は、治療で患者さんに対応する以外にもスタッフマネジメントや、事務作業、経営のことなど様々なことをやらないといけません。

この記事では、経営者でも院長がやるべきことに集中するための時間の作り方を解説しています。
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このところ、加藤院長は充実した日々を過ごしていた。
とりわけ、新たに導入した初診カウンセリングも定着し、また先日おこなったインプラント説明会も好評で、一定の割合で申込みをいただく流れができ、集客や売上の目処が立ち始めたことが院長の心に希望を灯していた。

そんな中、今日は経営キャッシュフローコーチの和仁の毎月定例のミーティングの日。
さぞノリノリで面談に臨むかと思いきや、キャッシュフローコーチに面談前日に届いていたメールの行間には、やや疲労の後が伺えた。

「加藤です。明日の面談では、自分の時間をいかにつくるか、について相談に乗っていただきたいです。今、あれもこれも院長である自分に負担がかかっていて、ちょっとストレス気味です(笑)。よろしくお願いします」

キャッシュフローコーチは院長室に入り、あいさつを手短かに済ませると、さっそくホワイトボードに向かいながら院長に問いかけた。

「加藤院長が今かかえている案件を、思いつく限り、リストアップしてもらえますか?」

院長の口からはよどみなく業務項目がこぼれだした。

・ スタッフとのミーティングや面談

・ スタッフのマナー教育、スキル教育

・ 事務作業(給与計算、経理処理、レセプトチェック)

・ 経営状況の分析や判断

・ 医院のマニュアル作成

・ スタッフの評価制度づくり

キャッシュフローコーチはそれらをホワイトボードに書き出すと、質問を投げかけた。

「加藤院長、これらの業務の中で、とりわけ精神的ストレスが高いのはどれですか?」

加藤院長は腕組みをしてホワイトボードを凝視しながら答えた。

「そうですね、『スタッフとのミーティングや面談』と『事務作業』でしょうかね。ほかのことはキャッシュフローコーチの和仁さんの力を借りながらやっていけば時間の問題で解決する気がするし、相談相手がいることでそれほど精神的なストレスにはなっていないです。
やっぱり、この2つですね」

キャッシュフローコーチはうなずきながらも、さらに突っ込んで質問を返した。

「なるほど。ところで、『事務作業』から解放されたいのはよくわかりますが、『スタッフとのミーティングや面談』はどのようにストレスなんですか?

まあ世の中には『ミーティング中に院長の声しか聞こえない』医院も少なくないようですが、ホワイト歯科では、みんな積極的に発言するし、熱心に仕事をしているのでは?」

「たしかにウチのスタッフは、けっこうがんばってくれている方だと思うんです。ただ、今かなり患者さんが増えて忙しくなっていましてね。その上にミーティングで新しくやる事が決まって、それをスタッフに割り振ると、中には露骨に嫌な顔をするスタッフもいるんですよね。

それを思うと、わたしがブレーキをかけてしまって、そんな状況がストレスになっているんだと思います。とは言え、ミーティングの司会を任せられる人材も今のウチには見当たらないし」

つまり、せっかく良いアイデアがあり、医院で取り組みたくても、その原稿や資料づくりをスタッフに割り振れない、という機会損失があるのだった。それは衛生士に限らず、受付スタッフもキャパいっぱいで、やはり仕事を割り振るのが難しいとのこと。

院長はミーティングの司会や面談を自分でやるか、他のスタッフに任せるか、あるいはキャッシュフローコーチの力を借りるか、その3択で考えていた。

つまり、スタッフのミーティングや面談の際にスタッフの嫌そうな顔を見ずに済む方法を考えていた。そこに、キャッシュフローコーチはまったく別の切り口を提案した。

「院長、1つのアイデアですが、『クリニックアシスタント』をパートで雇うというのはいかがですか?クリニックアシスタントとは、診療業務のアシスタントではなく、診療行為は一切やらず、クリニックの運営をアシストする存在です。いわば、“院長のスーパー秘書”と言ってもいいかも知れません」

院長は聞き慣れない言葉に、「それは何ですか?」と尋ねると、キャッシュフローコーチは続けた。

「医院の中で一番パフォーマンスが高いのは誰かと言えば、当然ながら院長ですよね。ところがさきほど加藤院長がお話しされたように、その院長のパフォーマンスにブレーキをかける様々な業務が医院運営には存在しています。それは、診療行為ではなく、むしろデスクワーク周りなんですよね。

大きなことでは、経理の入力、社労士との給料計算のやり取り、ホームページ業者とのやりとり、院長の手書きメモをワープロ打ちする、など。細かなことを言えば、届いた郵送物を開封してくれて要らないものは処分する、ちょっとしたものを発注する、など。

ちなみにそんな業務をやってもらう存在は、何も常勤でなくても事足ります。

わたしのクライアントの医院では、週3日、院長の友人の女性に事務所に来てもらい、それらをすべてやってもらっています。もちろん、給料データなどを扱うので、診療室内のスタッフとの適切な距離感を保ってくれる人であること、そしてその旨をきちんと理解してくれる人を雇うことは言うまでもありません。そういう目で見てみると、意外と身近にそれにふさわしい人がいたりしませんか?」

加藤院長は、ハッとした顔で答えた。

「そういえば、妻とわたしの共通の友人が携帯メーカーのカスタマーサービスの仕事をやめて、新しい仕事を探しているって言っていました。もし彼女が引き受けてくれたら、かなりいい感じかもしれません。それにしてもクリニックアシスタントというのは、盲点でした」

「さっそく思い当たりましたか。では、まずは『クリニックアシスタントに任せたいこと一覧』を書き出してみましょう。その際に、給料データの扱いなどもあるので、『留意してほしいこと一覧』も同時にね」

キャッシュフローコーチはホワイトボードを消しながら、再びペンのキャップを取った。

 

【今回のレッスン】

◎ 多くの院長が、自分がやらなくてもよいことを抱え込んでいる。「もっと、やりたいことをやる時間が欲しい」という人は、自分の感情に耳を澄ませよう。そして、「自分が本当はやりたくないこと」をリストアップする。そしてその理由も。

世の中には、わたしが「やりたくないことリスト」に入れていることを「やりたいことリスト」に入れている人が存在する。それを前提に周りを見渡すと、誰の力を借りれば良いかが見えてくる。どうしても思いつかないときは、「やりたいことに集中できている」お手本を探そう。その人は確実に「やりたくないことリスト」を他人に任せている。

 

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

 

▶︎院長が診療を休むのは悪いことなのか?スタッフに不満を抱かれずに理解してもらう方法

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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