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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

資格がなくても医院に貢献できるポジションづくり!優秀なチーフに任せられること

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2019.11.16 執筆者:和仁 達也

資格必要ない受付スタッフにも、優秀な人材がいます。

そのようなスタッフを信頼し、チーフという役職をつけよう!と考える院長もいると思います。

その時に、実際にチーフとしてどのように働くのか?

また、その院でのチーフとしての役割、チーフの意味を明確に決めていない場合がたまに見受けられます。

どんなことをすべきなのか?が決まっていないと、名ばかりの役職になってしまい、「やりがい」なども感じられずに返ってモチベーションの低下になってしまうこともあるかもしれません。

この記事では、「優秀なチーフに任せられること」は何か?をお伝えしたいと思います。

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「う〜ん、何を任せたらいいんだろう・・・?」

加藤院長は院長室で一人、考えていた。
それは、ホワイト歯科に入社して3年目になる、受付スタッフの鈴村に与える役割について、だった。彼女は、ドクターでも歯科衛生士でもなく、ブティックの店員から転身、当社の受付として、またあるときは助手として活躍してくれている。

患者さんやスタッフへの気配りが抜群で、忙しくて手がまわらないと見るや、すぐにフォローに入る。院長が指示したことを、その意図をちゃんと汲み取り、「1言えば10わかる」機転の早さは、院長の精神的負担を格段に軽くしてくれていた。

院長はそんな彼女の有資格者にひけをとらない仕事ぶりをみて、その活躍にふさわしい場を提供したいと考えた。

そしてチェア数も開業時の3台から徐々に増えて、今では7台。スタッフ数も大幅に増えてきて、そろそろ院長の右腕として衛生士長のような存在が欲しいと考え、鈴村を半年前に「チーフ」に任命した。

鈴村はもともと向上心も高く、資格のない自分を高く評価してくれている院長への恩を感じていたため、二つ返事でその任を受けた。

ただ、数ヶ月が経つに連れて、「チーフとは言ったものの、具体的に何をすればよいのか?」が鈴村自身が見えなくなっていた。そして、そのことを院長にもちかけたのだった。

「院長、わたしはチーフとしてどんなことをしたらいいんでしょうか?
他の医院では、チーフはどんなことをしているものなのでしょうか?」

スタッフからのその積極的な相談は、院長としてはありがたかった。その一方で、漠然と役職だけ与えて、具体的な役割を指示していなかったことに気づき、言葉に詰まった。

「たしかに具体的な役割をはっきりさせていなかったね。ちゃんと書き出しておくよ」
とその場では伝え、診療室が終わったその足で院長室にこもった。そして、ペンと紙を用意して書き始めた。

<チーフに任せること>

・ 院長とスタッフの掛け橋となること。
・ ミーティングで司会をすること。

その2つを書いたあと、10分ほどペンが進まなかった。依頼したいことは山ほどあるはずなのに、いざ書き出そうとすると出てこない。行き詰まった加藤院長は、経営キャッシュフローコーチの和仁に電話で相談をすることにした。

「・・・そういうわけで、チーフとして任せたいことを書き出しているんですが、2つしか出てこないんです。よその医院では、チーフはどんなことをやっているんでしょうかね?」

キャッシュフローコーチは電話口で答えた。

「これは、まず医院の規模の大小によっても違うし、またチーフの力量によっても様々です。
鈴村さんの場合、衛生士ではないものの、接客能力や対人コミュニケーション力が優れていて、また目標達成意欲も高い方ですよね。

そこの2点を生かした役割を与えてみてはどうでしょうか?
たとえば、次のように」

<対人コミュニケーション力>→次の両者の意思疎通の円滑化をサポートする

1)院長とスタッフ間で

①スタッフから院長への伝達→スタッフの不満や疑問を聞き出して集約し、整理した上で
院長に報告する。

②院長からスタッフへの伝達→ミーティングの場で院長がスタッフに伝えたいことが
ちゃんと伝わるよう、スタッフ目線で補足する。

2)患者さんと医院間で

①初診カウンセリングが初診患者全員に100%実施され、当院の診療方針やシステム
(とくに治療の後には予防があること)が全患者に伝わっている状態をつくる。

<目標達成力>→目標と現状のギャップを常に観察して、アラームを鳴らす

1)経営指標が目標対比でどう推移しているかを観察して、目標に近づかせる

①1ヶ月の患者来院数目標、物販目標、メンテナンス来院率、キャンセル率、など。

②それらが目標をクリアした際には、一定のルールにしたがってチーフ手当として還元する。

加藤院長は電話に耳を済ませながら、一気にペンを走らせた。

「なるほど、何をやらせるか、を細かく考える前に、『どんな役割を担ってほしいのか』という根本的なポイントがはっきりすれば、やることは必然的に決まってくるのですね」

キャッシュフローコーチは答えた。

「そうですね。スタッフが意欲を示してくれているなんて、うれしいことじゃないですか。
その意欲に応えるために院長ができることは、細々したことを断片的に指示する前に、ポイントを絞っておくことなんですね。そうすれば、あとは本人がその延長で自ら考えつくこともできるんじゃないですか?」

加藤院長はうなずき、納得した。

「たしかに。わたしはつい、いきなり細かな指示をしてしまう癖があるから、スタッフは応用ができないんですね。

今後は、今回の“①院長—スタッフ間や医院—患者さん間の意思疎通の円滑化”と“②目標達成支援”の2つのように、着眼点を伝えて、具体的な方法論は本人に考えさせるようにしてみます」

院長の頭の中では、鈴村に明快に依頼をし、彼女が笑顔で応えてくれるイメージが描けていた。

 

【今回のレッスン】

◎ 院長がスタッフに責任ある役割を依頼するときは、各論を断片的にバラバラと伝えるのではなく、まずはポイントを絞って着眼点を伝えよう。具体的な細かな指示はその次にする。

◎ 役職の定義は医院によって異なる。「当院のチーフ(マネージャー)は何をする存在か?」を文書化してみよう。院長の考えとチーフ本人の認識は、果たして一致しているだろうか?

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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