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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

新メニューにおけるスタッフの分配はどうするか?役割の構成比を数値化する!

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2025.01.15 執筆者:和仁 達也

 

新サービスを開発して提供し、それを成果連動で
スタッフに分配するときに、どのように考えれば良いか?

会社とスタッフの納得のいく分配の仕方について、
歯科医院を事例にしたストーリーをご紹介します。

 

**************************

 

ホワイト歯科では新たな診療メニューの開発を進めていた。
それはドクターではなく、歯科衛生士による診療だ。

一定以上のレベルに到達した歯科衛生士が担当することで、
「さらなる向上心の促進と共に、医院の新たな収益の柱にもなる」
と加藤院長は見込んでいた。

診療内容は具体化し、それを任せる歯科衛生士も
3人の目処が立っている。

患者さんへの告知活動や必要な機材も整い、
あと唯一気がかりなのは、「スタッフへの分配の仕方」であった。

そこでキャッシュフローコーチの和仁との定例ミーティングでは、
この新メニューにおけるスタッフの分配をどうするかについて
検討することにした。

キャッシュフローコーチは一通りの話を聞くと、質問を投げかけた。

 

「加藤院長、今のお話を整理すると、
この新メニューを提供するにあたり、その診療を担当するスタッフに
ちゃんと報酬が連動するようにしたいわけですね?

このメニューは自費診療であり、相応の勉強と訓練をした人
でなければ提供できないからこそ、
その努力に経済的にも報いてあげたい、と」

加藤院長は答えた。

「そうです。この新メニューは、当院のビジョンに連動したものです。
スタッフもそれなりの緊張感と責任感を背負って担当することに
なると思うんです。

だからこそ、それが精神的な報酬だけではなく、
ちゃんと経済的にも報酬として分配する仕組みを作ることで、
うちのスタッフが自律型人材に育つきっかけにしたいんです」

 

院長の意図を理解するとキャッシュフローコーチは話を進めた。

「院長、この新しいメニューはどのような役割の要素で
構成されているでしょうか?

例えば、当然ながら患者さんに直接行う”診療”がありますね。

そしてその診療サービスの”コンテンツ”も重要でしょう。

また、このホワイト歯科の建物やチェアを始めとする
”ハードとソフト”があってこそのサービスだと思います。

そして当然ながら”集客活動”があってこそのサービス提供ですね。

この

1・診療、
2・コンテンツ、
3・ハードとソフト、
4・集客

の4つの要素は必要だと思いますが、他にはあるでしょうか?」

加藤院長はしばらく考えて答えた。

「そうですね。その4つでいいと思います。」

キャッシュフローコーチはうなずきながら話を続けた。

「わかりました。
ではこの4つの要素についてトータルが100点になるように
ウェイト付けをしてみましょうか。

シンプルに考えれば、比重が均一なら25点ずつとなりますが、
実際はどうでしょう?

こちらよりもあちらの方が重要だ、みたいな差が
あるのではないでしょうか。

そこで、加藤院長、次の括弧の中に思いつく数字を入れてみてもらえますか?」

 

キャッシュフローコーチはそう言うと、ホワイトボードに書き始めた。

1、診療(   )
2、コンテンツ(   )
3、ハードとソフト(   )
4、集客(   )

 

しばらくすると加藤院長はホワイトボードに次のように数字を書き入れた。

1、診療( 30 )
2、コンテンツ( 20 )
3、ハードとソフト( 30 )
4、集客( 20 )

 

それを見てキャッシュフローコーチは尋ねた。

「なるほど。このように考えた理由を聞かせていただけますか?」

加藤院長は答えた。

「今までこのように考えたことがなかったのですが、
あえて考えると、まずその診療をするスタッフがいてはじめて
患者さんに価値提供できるわけですから、
『1、診療』は少し大きいと思います。

またこのホワイト歯科があってこそのメニューなので
『3、ハードとソフト』も少し大きいかなと。

なので、『2、コンテンツ』と『4、集客』は
そこより少し下げてみました」

 

キャッシュフローコーチはうなずきながら話を続けた。

「なるほどそういうことですね。では次の質問です。
この4つの要素のうち担当するスタッフ自身が果たす役割が
どのくらいあるかを考えてみましょう。

『1、診療』30点は全てスタッフの役割になりますね。
それ以外はどうでしょうか?」

加藤院長はしばらく黙考した後答えた。

「『2、コンテンツ』20点のうちの5点と、
『4、集客』20点のうちの5点は担当スタッフの役割に
入れて良いでしょう。

そこに主体的に関わる姿勢を見せて欲しいですから。

『3、ハードとソフト』は含めなくて良いと思います。

すると『1、診療』の30点と、2と4のそれぞれ
5点ずつを足した40点がスタッフの役割貢献とみなせば
良いでしょうかね」

 

キャッシュフローコーチはうなずきながら答えた。

「そうですね。その新メニューの売上が仮に1万円だったとして、
そこから変動費を引いて8千円が粗利になり、
医院としての正味の収入となります。

そこから、スタッフに40%分配し、医院に60%を残すと言う
イメージになります。

今こうやって数字にしてみてどのように感じますか?」

 

「はい妥当な線だと感じます。
今まではこれをなんとなく雰囲気だけで決めようとしていましたが、
このように4つの要素の配分を決めてから分配を決めれば、
私自身もしっくりくるし、スタッフの納得感も得られる気がします。」

 

報酬分配においては、そのメニューの売上から粗利を算出し、
それをスタッフと医院がどのように分配するかを
具体的な要素に分けて数値化することで、
納得感のある基準を作ることができる。

 

「はじめは正解がわからないこともあるだろう。
その時はやりながら改善していけば良い。

まずは3ヶ月限定でこれでやってみよう。
そして必要があればスタッフの意見を聞きながら改定していけば良いな」

と加藤院長は手ごたえを感じていた。

 

【今回のレッスン】

◎報酬分配においては、そのメニュー粗利をスタッフと医院が
どのように分配するかを具体的な要素に分けて数値化することで、
納得感のある基準を作ることができる。

◎はじめは正解がわからないこともあるので、
期間限定でやりながら改善する道もある。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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