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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

医院の継承をどう考えるか?10年以上前に考え始めた方がよい理由

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2025.03.15 執筆者:和仁 達也

 

事業主が必ず迎える、事業の継承。
それは、突然の不測の事態で強制的になさられることもあれば、
予め計画的に準備した上でなされることもあります。

今日はそれを考え始めるきっかけについて、歯科医院の事例でお伝えします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

加藤院長は50歳の誕生日を迎え、先のことを考えていた。

歯科医師は長く現役をやれる仕事の1つだが、いつかは引退する時が来る。
その時、医院はどうすれば良いのか?

漠然とした不安がよぎっていた。

子供は歯科医師以外の道を歩み始めているから、
子供に譲る道は考えていない。

今の勤務医は独立する気があるかどうか、まだわからない。

自分はいつまで現役でやっていけるのか、またやっていきたいのか?

あるいは、M&Aで医院を売却する道はあり得るのか?

最近友人のドクターが医院をM&Aで売却することを視野に入れて
専門家に相談しているとの話を聞いた。

しかし、まだ考えが定まらないうちに専門家に相談しても、
半ば強引に誘導されるのではないか、と不安だった。

そこで今月の定例ミーティングでキャッシュフローコーチの
和仁と話をして思考を整理することにした。

 

キャッシュフローコーチは院長の趣旨を把握すると早速話し始めた。

「まず、論点を挙げてみましょう。
医院を継承する際に考えることがいくつかありますね。

まず『①家族の資産と医院の資産の分離』が必要です。
個人の家計をどうやりくりするか、と医院の会計をどうやりくりするか、
の財布は別にすべきです。

ここがドンブリ経営になっていないか。

従来の歯科医院は、生涯現役で働けるだけ働いて子供に継承するか、
廃業するかと言う道をたどるケースが多いようですが、
最近は他院に売却するM&Aを選択するケースも増えています。

この辺は税理士を交えながら考える必要がありそうです。

次に『②ノウハウの継承』をどうするか。
とりわけ加藤院長は歯周病分野で高い見識をお持ちなので、
そのノウハウを後世に継承する意思があるか否か、と言うことです。

そして『③患者さんのケアの継承』も重要です。
長く医院に通い続けてくれている患者さんや
その家族をどこまでフォローするのか。

一般的に医院や会社の事業継承と言うと、
相続税対策などお金の話だけを議論しがちです。

でも実際には、今挙げたように少なくとも3つ以上の論点があります。
その論点を先に出し尽くした上で、具体策を考えた方が
良いのではないかと思いますが、どうでしょうか?」

加藤院長はなるほど、とうなずきながら尋ねた。

「そこまで多面的には考えていませんでした。
まずは今言われた3つのことについて私の考えを
整理する必要がありますね。
ちなみに和仁さんはどう考えているのですか?」

キャッシュフローコーチはにっこりしながら答えた。

「それではあくまで“誘い水”の事例として、
コンサルタントという異業種のわたしの考えをお話ししますね。

まず『①家族の資産と会社の資産の分離』については、
わたしが所有する法人は、自分の個人事務所と
全国に800人超が所属する仲間たちが所属する協会の2つがあります。

前者の個人事務所は、わたしが生涯現役で働くための器として使い、
もう一つの協会はその影響力の範囲を最大化するための法人として、
いずれはわたしの手を離れて価値を発揮し続ける器として
継承していく予定です。

次に『② ノウハウの継承』で言えば、
わたしは自分が実践し体系化してきたノウハウを本やセミナー、
教材、講座などで同志に伝授し、またそのノウハウを
ブラッシュアップするためのコミュニティも作っています。
なので、この点については現在進行形でやれていると思います。

『③患者のケアと継承』に関して言えば、
わたしが今関わっているクライアントに関しては、
自分が必要とされているうちは関わり続けたいと考えているし、
いずれ寿命の問題で関われなくなったときには
全国にいる仲間たちが助けになってくれると考えています。

わたしは歯科医院ではなくコンサルタントなので、
参考になるかどうかわからないのですが。

加藤院長の場合は、いかがですか?」

 

加藤院長はメモを取りながら答えた。

「話を聞いていて思ったのは、歳を重ねるたびに
右肩上がりにどんどん楽しくなる仕組みを作りたいと思いました。

やりたいことをやり続けられるとともに、
周りが迷惑を受けないように安心できる体制を作っていく
必要があると思います。

それに必要なところを専門家の力を借りて進めていけばいいわけですね。

まず『①家族の資産と会社の資産の分離』については、
今のクリニックをあと15年は私が院長として経営するけど、
規模の拡大ではなく質を高める方針でいきます。

なので、後を引き継ぎたい勤務医がいれば譲るし、
いなければM&Aで売却するのもありでしょう。

M&Aで良い条件で売るには相応の状況を整える必要があると
知人から聞いたところです。
今のうちから備えておく必要があるでしょうね。

『② ノウハウの継承』で言えば、歯周病の分野を
今後も掘り下げていくので、その知見は勤務医に伝授するのと同時に、
5年後くらいには同業者のドクターに伝授する講座を開きたいです。

『③患者のケアと継承』は、勤務医に譲るにせよ
M&Aで売却するにせよ、そのときの院長に任せることになるでしょうね。

その情報の継承がスムーズにいくよう、当社はDentalXRで
患者情報のデータベース化は万全なので、そこは大丈夫でしょう。

あと、今日は久しぶりに長い時間軸で先のことを考える機会になりました。

いろんな分野の友人やブレイン、パートナーが周りにいて、
『何か問題が起きてもサポートしてもらえば何とかなると思える状態』
を作ることが、これからの人生を楽しく生きるカギなのではないかと思いました」

 

【今回のレッスン】

◎一般的に医院の事業継承と言うと、相続税対策などお金の話だけを議論しがちだが、
少なくとも『①家族の資産と会社の資産の分離』『② ノウハウの継承』
『③患者のケアの継承』など3つ以上の論点がある。
その論点を先に出し尽くした上で、具体策を考えたい。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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