言葉の意味は発信する側と受け取る側で解釈が異なる!コンサル実践例「言葉の定義」を整えるワーク
2019.09.19 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
部下に伝えたはずなのに、自分が思ったようにやっていない!
と不満を感じる事はありませんか?
また、部下は、聞いたことをやったのになぜ上司不満なのだろう?と感じ、
反感を覚えることもあります。
その理由は、こちらの言葉と意味と、相手が受け取る言葉の意味はそれぞれ異なるからです。
そこで、今日は、コンサル実践例のシェアです。
これは
「キャッシュフローコーチの仲間たちが
クライアントの成果に貢献できる着眼点だ」
と思い、日本キャッシュフローコーチ協会の
facebookグループでシェアしたところ、
「さっそく今月のコンサルティングで実践します!」
等の大きな反響がありました。
そこで、このコンテンツサイトをお読みのコンサルタントや
経営者にもお役に立つかと思うので、シェアしますね。
先日、あるクライアント先の社長から次の
相談を受けました。
「ウチの幹部に先日ある件を任せたのですが、
その後、何の報告もなく、すごく心配なんです。
以前にも、しびれを切らせて
『あの件、どうなっているの?』
って聞いたら
『あ、◯◯さんに伝えたので、やってくれているはずです』
との返事で、結局は放ったらかしでした。
いちいち細かい確認を入れるのも、
彼も嫌だろうし、わたしもしたくない。
それでは任せている意味がないですから。
さて、どうしたものでしょうか?」
上司部下間でのこのようなストレスって、
よく見かけますよね。
この話を聞いて、わたしはピンときたんですよね。
それは、
「社長と幹部の間で、『任せる』についての
言葉の定義が異なる」
のではないかと。
そこで、その日のランチミーティングは
当初の議題を急遽、予定変更。
「ふだんの仕事でよく使っていて大事な言葉に
『任せる』があるのですが、
往々にして、その言葉の定義が10人いたら
10人それぞれバラバラだったりします。
そこで質問ね。
みなさんにとっての『任せる』の定義は何ですか?」
と投げかけ、社長や幹部も含むリーダークラスの
8人全員に紙に書いて発表してもらいました。
その際に、やはり全員の言葉の定義が
バラバラだったのは言うまでもありません。
そして、重要なのは社長と幹部の
『任せる』の定義の違いです。
社長は「任せる」とは、
「責任は自分(依頼主)が担いつつも、
途中経過の相談に乗りながら、目的を果たすこと」
でした。
一方、幹部は「任せる」とは、
「すべての責任を任された人が担った上で、
手段を自分で考えて目的を果たすこと」
でした。
つまり、後半は同じですが、
前半のアプローチが異なっていたわけです。
なので、幹部は
「社長から任された以上は、自分の責任において
やり切るべきだから、途中経過を
いちいち報告する必要はない」
と考えて、言動します。
(ただ、忘れていた等のウッカリミスはあるので、
依頼主はヒヤヒヤする)
そして、自分が部下に任せる時も
「任せたんだから、ちゃんとやり切ってくれるはず」
という思い込みで、ノーチェックになります。
(はたから見たら、任せっぱなし、
放ったらかしにも見える)
その日はお互いの
「言葉の定義の違いが、どれほど
コミュニケーションのズレを引き起こすか?」
についてみんなに気づいてもらい、
「任せる」ことの定義を揃えることができました。
人は、自分が無意識のうちに作り上げた
「言葉の定義」に従って動き、結果を出す。
もし、望む結果が出ていないのであれば、
「言葉の定義」がズレていないか、確認した方がいい。
ちなみに、この会社では、
翌月以降のランチミーティングでも
「ふだん仕事でよく使う言葉」
をリストアップして、
「言葉の定義をそろえるワーク」を1時間ほど、
継続的にやる予定です。
このミーティングの司会役を務めるのは、
キャッシュフローコーチにピッタリなので、
さっそく協会のfacebookグループで
シェアしたところ、冒頭のとおりの
反響があったのでした。
みなさんの参考になれば幸いです。