わかってはいても脳が拒否する時の言い訳とは?
2024.03.18 執筆者:和仁 達也コミュニケーション着眼点
人とのコミュニケーションにおいて、
前置きトークをきちんとするなど、
「事前期待のマネジメント」で対処できることは多々ありますが、
それを駆使しても何ともならないこともあります。
「頭ではわかっちゃいても、イラッと来る」みたいなことって、
誰にでもあるのではないでしょうか。
それは性格によるものではなく、
脳のメカニズムによるものだったりします。
そして、その現象を知って、共有しておくことは、
家族であれ仕事仲間であれ、お互いの良好な関係性を
育む上で大切ですね。(脳にせいにできるから)
先日、商業施設でのこと。
上の階に上がろうとエスカレーターに足をかけた時、
妙な違和感を覚えました。そうです。停止していたのです。
隣の下りのエスカレーターは動いていたので、
油断して登りのエスカレーターに乗ったら、
停止していたわけです。
ただ、エスカレーターが停止しているのであれば、
階段を登るのと同じこと。それを登るだけなのに、
なぜか階段の時より2倍くらい身体が重たく感じたのです。
「何も、下りのエスカレーターを逆走するわけじゃあるまいし!」
と思いつつ、その身体の重さはエスカレーターを
登り切るまで感じました。一体、なぜでしょうか?
これは、脳が「エスカレーターは自動で上に運んでくれる」
と強く条件付けされているため、それに反することが起こると、
頭(理屈)ではわかっていても、体感では重く感じるのですね。
非常に興味深い現象です。
つまり、長年の蓄積によって脳が強く思い込んだ
出来事があると、その期待に反することがあった時に、
その違和感は身体が感じるということです。
たとえば、
「思春期の娘が、パパにツレない態度を取る行為」
などは典型かも知れませんね。
「思春期だから仕方がない」
「むしろ、大人になっていく大切な過程である」
と理屈ではわかっていても、つい数年前まで
「パパ〜!」と言ってかわいく甘えてきていた蓄積があるので、
なかなか割り切れないものがあります。
理屈ではわかっちゃいるけど、脳が拒否することがあるわけです。
今後はこれを、「壊れたエスカレーター理論」と名付けて、
自分を納得させるために利用しようと思います。
ちなみに、そのエレベーター停止の原因は、
上の方でサンダルが挟まっていたせいでした。
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