上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
スタッフに厳しい言葉をかける時は自分にも欠点があるという前提を忘れない
2018.08.03 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方
アドラーの「嫌われる勇気」が超ベストセラーになり、「嫌われてもいいから、はっきりモノを言うことが大切だ!」みたいな声があります。
SNSなどが全盛の今は、「毒舌になれば注目される」というのが散見されます。
しかし、これは実際のところ、どうでしょうか?
歯に布着せぬ言い回しで、はっきりとモノを言うと言うのは一見カッコよく見えますが、これが職場だったとしたらどうなのでしょうか。
上司であるあなたが、スタッフのミスに対して、バッサリ切ってしまう。
また、逆も然りで、自分が嫌だ思うから、同僚や、周りのことを考えずに感情で動いてしまう。
このような場面が増えれば、組織はギクシャクしてしまいますよね。
厳しい言葉をかけるのは、相手を想ってと言う思いが前提でしょう。そして、相手への愛情があるからこそ厳しくも言える。
それをただ、厳しく、バッサリ言えばいい!と言うわけではありません。
しかし、愛情を持ってしても、なかなかスタッフに苦言を言うのは良い気分ではありませんよね。
自分のことは自分ではよく見えない。
でも、人のことはよく見える。
これは、「人のことをとやかく言う前に、自分自身をよく振り返りなさい」という意味でよく言われることですね。
文字通り自分の姿は鏡を使わないと全身を見ることはできません。鏡を使っても、後ろ姿や一部の角度はなかなか自分では見えません。今回はそのことを忘れずにいよう、というお話です。
医院でも、院長やスタッフリーダーなど、人を取りまとめる役割の人は、ときには苦言を言わなければならないときもあります。言われるほうも決して気持ちの良いものではないでしょうが、それを言うほうも勇気がいるものです。なぜなら、
「こんなことを言ったら、相手にどう思われるだろう?」
という恐怖があるからです。逆恨みされるかも知れません。また、それまでそれなりに良好だった人間関係を、そのひと言で壊してしまうかも知れません。
しかし、リーダーとして、あるいはそのときの立場上、本人に気づかせ、行動を変えてもらうために、勇気を振り絞って言ってあげなければならない場面が出てきます。
そのときに、1つだけ忘れないでいただきたいことがあります。それは、
ということ。その謙虚な気持ちさえあれば、相手に厳しい指摘をした後に、こう付け加えることでしょう。
「今日は思ったことを言わせてもらったけど、私も全然完璧じゃないし、至らない点や自分で気がつかないことは沢山あると思うの。だから、もし私のことで気になることがあったら、遠慮なく教えてくださいね」
そうやって個人個人が成長していった結果、医院の発展につながっていくのではないでしょうか。