上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
患者さんのクレームの活かし方。
2024.05.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
できればもらいたくないのが、クレームです。
でも、もらってしまったら仕方がない。速やかに対処すると同時に、
それを医院の発展に活かしたいところです。
そこで今日はクレームの活かし方についてのお話です。
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先日、ある歯科院長から相談がありました。
「うちの副院長が診ていた患者さんが、治療後に歯茎に
微かな違和感を感じる、と訴えてきました。副院長に確認すると、
間違ったことはしていないとのこと。ただ話をよく聞くと、
少し特殊なケースのようで、治療前に起こり得るリスクを
伝えておけばクレームになることではないのですが、
どうやらそれがきちんと伝わっていないようなのです。
今後どう対処したものでしょうか?」
治療そのものに問題があれば、それはもちろん技術を
高めていく必要があるし、その患者さんに対して
院長がフォローするなどの対応が必要でしょう。
ただ、今回は診療技術以外の、日頃の副院長の課題が
浮き彫りになりました。
それは、次の2つです。
1・起こり得るリスクを先に伝えることが不十分
(本人は言ったつもりでも、相手にきちんと伝わっていない)
2・患者さんと親しげに楽しく会話するのは良いが、
メリハリがなく診療中に副院長の大きな笑い声が響き渡り、
周りに違和感を与えている
つまり、患者さんとの距離感が近過ぎて、
馴れ合いになりがちということです。
近過ぎず遠過ぎず、距離感を適切に保つことに課題があり、
院長は以前からそれが気になっていました。
ただ、「副院長なりの考えもあってのことだろう」との思いから、
院長は遠慮して、あえて苦言をいうこともなく、やり過ごしていました。
その意味で、今回の患者さんのクレームは、
その課題と向き合うチャンス。
具体的なケースを元に話し合った方が、リアリティがあり、
お互いの認識を揃えやすいからです。
この院長はその後、副院長と面談をし、今回の一件を題材に
「患者さんとの適切な距離感とは?」
「どんな前置きトークをすべきか?」
を話し合い、共通認識を深めることができました。
患者さんのクレームは、社内の共通認識を深めるチャンス
として活かしたいものです。
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