将来の漠然とした不安を解消するには?
2024.06.04 執筆者:和仁 達也コミュニケーションビジョン着眼点
周りからはすでに成功者と見られている人でも、
本人の心の中は不安や危機感で焦っているケースは
少なくないようです。
今回はそんなある方からの相談を共有します。
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その業界では業績的にも質的にも一定の評価を受けて、
講演を依頼されることもある社長がいました。
その人からのコンサルティングの相談で、次のように質問をされました。
「この業界で成功している人や会社の共通点は何でしょうか?」
彼は、
「今の時代に必要な要素は何か」
「自分がやっていることは時代の流れにマッチしているのか」
を知りたかったようです。
そこでその答えや考え方をお伝えしてもよいのでしょうが、
わたしは「彼が必要としていることの本質は、そこじゃないな」
と思ったんです。というのも、それでは中核を放置したまま、
問題の表層にアプローチしてしまう気がしたからです。
そこで、わたしはその質問に答えるのではなく、次の質問をしました。
「Aさんの本当に望む理想の状態は、どんな感じですか?」
すると、本人はそれまで自覚していませんでしたが、
「それが見出せずにいることへの漠然とした不安」があり、
だからこそ「周りで活躍している人の噂を聞くたびに、
自分にない要素を感じて焦っていた」ことに気づいたとのこと。
そうなると彼に必要な問いは、
「この業界で成功している人や会社の共通点は何でしょうか?」
ではなく、その前に、
「わたしが幸せと感じる働き方とは?」
であり、自分の理想を言語化することが先だと思い、
それを伝えたところ、とても納得していただきました。
将来の漠然とした不安は誰でも感じることがあると思いますが、
そこで思い出したいのは、
「他人と比べる前に、まず、自分の理想を言語化してみよう」です。