書籍「コンサルタントの言語化力」を使って社員研修をやる方法
2026.04.13 執筆者:和仁 達也![]()
社内の「すれ違い」や「言い方のキツさ」は、能力というより
“言葉の選択ミス”で起きていることが少なくありません。
これを上司が部下に伝えるのは意外と難しいものです。
その点、言いにくいことは人が伝えるのではなく
書籍に伝えさせるアプローチが効果的です。
そこで今回は、書籍
『たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力』
を課題図書にした社員研修の事例を紹介します。
今回は和仁が実際にクライアント先で行った経験を元に、
キャッシュフローコーチの塾生にアドバイスしている事例ストーリーです。
クライアント先のリーダー育成をどうやるか
書籍を読むだけで終わらせず、現場の会話に落とし込むことで、
組織の対話の質=おもてなし力が底上げされます。
その研修にトライするあるキャッシュフローコーチ(以下、塾生)から、
次の相談を受けました。
テーマは、書籍
『たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力』
を活用した、クライアント企業のリーダー育成について。
業種は地方のサービス業で、強みは「おもてなし」。
けれど社内では、
・部署間のギクシャク
・若手とベテランのすれ違い
・外国人スタッフとのコミュニケーション不足
・現場リーダーの言葉がキツい
といった、どこの会社にもある“あの課題”がくすぶっていました。
お客様には笑顔でも、社内ではトゲトゲしい。
理念は立派でも、日常会話は雑。
だからこそ今回のテーマは、
「どうやって、言語化力を通して“おもてなし力”を一段上に引き上げるか?」
でした。
塾生
「和仁先生、リーダー研修を2社で始めました。
本も配って、動画も共有して、複数回でやるとお伝えしています。
ちょうど個人面談も始まるので、
面談シートに“本をどう活用するか”をうまく盛り込みたいんです。
さらに、リーダーには“自分の描くリーダー像”も考えてもらおうと考えています」
和仁
「いいですね。せっかく本を配ったんですから、“読んだかどうか”ではなく、
“どう使うか”に意識を持っていきたいですよね」
塾生
「はい。事前に読んでおいてほしいし、考えておいてほしいです」
和仁
「まず確認ですが、今回この本を通じて、
リーダーのみなさんに“どうなってほしい”ですか?」
塾生
「うちのクライアントは“おもてなし”が強みなんですが、
でも結局それって、おもてなしを感じられる言葉を使えなきゃいけないですよね。
言葉の選び方、あり方が整わないと、本当のおもてなしにはならない」
和仁
「なるほど。つまり、
おもてなし力=言語化力のアップデートですね」
塾生
「まさに、それです」
まずは“気になったワード20”
和仁
「だったら、第1回は抽象度を高めにいきましょう。
“気になったワードを20個書き出すシート”を用意してみてください」
塾生
「20個ですか?」
和仁
「はい。シンプルにA4サイズのシートに、マス目が20個。
全部埋めなくて大丈夫で、10個でもOKです。
とにかく本を読んで“気になった言葉”を吐き出してもらう。
ここがポイントです。
人は、自分が課題だと思っていることに反応します。
たとえば、わたしのクライアント先の社員さんで、
・「最後まで話を聞く」
・「決めつけない」
・「要約して返す」
・「影響力のある人ほど言葉を慎む」
そんなワードを書いてきたリーダーがいました。
これ、僕たちコンサルタントが
『あなたは人の話を最後まで聞きましょうね』って言うより、
本人が自分で選んだ言葉のほうが、100倍効きます」
塾生
「たしかに…」
和仁
「だから面談では、こう尋ねるのです。
『なぜ、その言葉が気になったんですか?』
すると、本人が自分の課題を語り始めます」
言われた、ではなく、自分で気づいた。
これが成長のスイッチです。
全員分を共有するという勇気
和仁
「もし社内の風通しがよくて可能であれば、
全員分の課題シートをコピーしてみんなで共有するのもアリですね」
塾生
「えっ、全員分を?」
和仁
「はい、共有する目的を事前に明確にすれば大丈夫です。
『思考の振り幅を広げるために共有します』と前置きします。
すると、
“あ、その視点はなかった”
“自分はそこ気づかなかった”
と、お互いを補完し合えます。
研修とは「教える場」ではなく、「気づき合う場」
であることを強調しましょう。
ここで1時間、十分に濃い時間がつくれます」
次は“要約力”にフォーカス
和仁
「2回目以降は各論です。
例えば“2つのオウム返し”。
単純オウム返しと、要約オウム返しについて
掘り下げていきます。
単純オウム返しは、安心感とリズムを生みます。
要約オウム返しは、信頼感と新たな視点を与えます。
『つまり、〇〇ということですかね?』
この一言が言えるだけで、リーダーの質は変わります。
そして実践編として、2人1組でロールプレイをします。
”脱★完璧主義”で、完璧じゃなくていいので
まずはやってみることが大事であることを強調しましょう。
1回でも体験しておくと、現場で思い出せますからね」
塾生
「なるほど!イメージが湧きました」
モットーを一言で
さらに提案しました。
和仁
「リーダーには“モットー”をつくってもらいましょう。
経営者だけが理念を持つ時代じゃない。
一人ひとりが“自分の人生の経営者”ですからね。
ミッション・ビジョンまでは求めないにしても、
“自分はどんなリーダーでありたいのか?”
を一言に凝縮することで、軸ができ、能動性をもたらします。
そして、リーダー同士で公開してブラッシュアップします。
さらに、キャッシュフローコーチがその場にいる価値として、
誰か一人をモデルに、その場で言葉を整えてみせるんです。
“こうやって言葉は磨くんだ”と体感させると、
より一層、言語化力の大切さが伝わりますからね」
あとは宿題にして、後日提出してもらい、継続的に磨いていくと良いでしょう」
言葉の定義がズレている
最後に、こんな話をしました。
和仁
「これは上級編ですが、“言葉の定義”を揃えるのも大事です。
例えば、“任せる”って、具体的にはどういう意味ですか?」
塾生
「あ、、、たしかに」
和仁
「任せた側は「報告は当然」と思っている。
任された側は「自由にやっていい」と思っている。
それでは、ズレるに決まっています。
報告も同じです。報告せよ、と言った時に、
完了報告だけで良いのか、中間報告も必要なのか。
言葉を揃えない限り、組織は整いません。
ここまで来ると、単なるリーダー研修ではありません。
組織のOSをアップデートする取り組みです。
それが、本を使ってクライアント先の社員の言語化力を高めることの本質です。
どうクライアントに貢献するか?
塾生
「先生、だいぶ整理できました。
これ、ちゃんと組み立てれば他社にも展開できますね」
和仁
「その通りです。一社で磨けば、他社でも使えます。
ぜひシリーズ化していきましょう!
言語化力が上がれば、組織のモチベーションは確実に上がりますから」
塾生
「はい。やります!」
和仁
「いいですね。
せっかく関わるんですから、“研修をやった”で終わらせない。
“社員の言葉も意識も変わりました”と言われるところまで
伴走してあげましょう」
結論:クライアント企業にどう貢献するか?
クライアント企業にどう貢献するか?
それは、
理念を語ることではない。
正論をぶつけることでもない。
本人の口から、気づきを語らせること。
そして、
言葉を磨き、
定義を揃え、
対話の質を上げること。
その積み重ねが、
“おもてなし”を社内から本物にします。
もしみなさんが今、
・理念が浸透しない
・リーダーが育たない
・コミュニケーションが噛み合わない
と感じているなら、まずは問いかけてみてください。
「その言葉、どういう意味で使っていますか?」
そこから、すべてが始まります。
言語化力の研修で起きる変化は、
形だけ整えたスローガンではなく、
リアルな「現場の一言」から始まります。
言い方が整うと、関係が整う。
定義が揃うと、判断が揃う。
すると“おもてなし”は社外だけでなく社内にも広がっていきます。
まずは1冊を共通言語にして、次の会話から試してみてください。
さっそく成果を実感し始められることでしょう。
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書籍『たった一言で頭がいい人だと思われるコンサルタントの言語化力』
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