上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
自発的に動かない社員への自律的な成長の秘訣は考えざるを得ない場をつくること
2019.08.23 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり
スタッフや社員が自主的に考えて動いて欲しい!
指示まちではなく、自ら考えて行動できる自律的なスタッフになって欲しい。
そのように考えている社長は多いと思います。
「スタッフがもう少し、アタマを使ってくれるといいんだが…」
「最近の若い子は、自分のアタマで考えようとしない」
そんなボヤキを口にしたことはありませんか?
スタッフの成長を促すのはエネルギーを使いますよね。
そこで今回は、院長や上司がそれほど時間的・精神的労力をかけなくても、
スタッフが自律的に成長していく方法をご紹介します。
スタッフ教育において、直接教えることはもちろん必要です。
でも、上からモノを言われているうちは、
その知識を覚えることはあっても、
頭をつかって考えることにはなりません。
アタマを使うスタッフに育って欲しければ、
アタマを使わざるを得ない場をつくってみてはどうでしょうか?
ある歯科医院では、「院内発表会」を開催しています。
年1回、自分の役割の中で学んだことや気づいたことを
20~30分程度、皆の前で発表するのです。
そのために1日を確保し、場所も医院内ではなく、
会場を借りて行います。
発表はパソコンを使い、プロジェクターでスクリーンに映しながら、
視覚的にも伝わるようにします。
この発表会のメリットは、教育効果の点から次の3点あります。
1.
人前で発表するという緊張感から、スタッフが日常の仕事を
「意識して」行うようになり、「どのような工夫をすべきか」を
自ら考えて動き始める。
2.
発表(アウトプット)を前提に仕事をするため、
理解・吸収(インプット)するスピードが速くなる。
3.
人にちゃんと「伝わる」よう、表現力がきたえられ、
パソコンの操作方法を学ぶ機会にもなる。
また、それに投入する労力の観点からは、2つのメリットがあります。
1.
発表内容が日常の仕事に直結しているため、
形だけで実践でつかえない無駄な強制をするなどの、
遠回りをしなくて済む。
2.
院長や上司は、事前に発表のまとめかたの相談を受けることはあっても、
基本的に発表会当日に時間を割くだけでいいので、過剰な負担はかからない。
わたしの会社でも先日開催しましたが、
参加者全員が価値を十分に実感できました。
とは言え、いきなり大袈裟にやると、
敷居が高すぎて手がつかずに過ぎてしまうものです。
あまり負担にならない程度の簡単なところから、
試しにやってみてはいかがでしょうか。