上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
相手の共感を得るには?理屈の前に、先に共感をすること
2019.09.23 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり聞き方
人は誰しも相手に「わかって欲しい」
と共感をもっとめていますよね。
しかし、共感をさせようと期待をしても
なかなか共感されないことの方が多いです。
相手の共感を得る為に「わからせよう」
としてしまい険悪になってしまうこともあります。
「全然わかってくれない!」
家庭でも職場でもそのように言われる事はよくあるのではないのでしょうか?
私も「共感を得るには?」ということを考えさせられる、
人のココロに響く話し方って、とてもむずかしいな、
と思うできごとがありました。
先日、わたしが書いているレポートを仲間にチェックを
してもらったとき、次のコメントをもらいました。
「う~ん、和仁さんが言っていることはわかるけど、
なんだか理屈で説得されているようで、
人によっては素直に受け入れられないんじゃないかな?」
わたしは考え込み、そしてハッと気がつきました。
「そうか!つい、正しいことをわかりやすく伝えよう、
ということにこだわりすぎて、大切な入口をすっ飛ばしていた!」
大切な入口とは何か?
そう、「相手に共感すること、共感してもらうこと」です。
人に提案をするとき、あるいは説得するとき。
言っていることの中身以上に、大切なことがあります。
それは、まずこちらの言うことを聞こうという姿勢をつくってもらうことです。
耳を両手でふさがれていたら、なにも始まりませんからね。
わたしもそうですが、たいていの人は、
「この人はわたしのことを、よくわかってくれているなあ」
と感じたときに、心を開いてくれますよね。
つまり、相手が自分に共感してくれていると、
こちらも共感しやすくなるわけで、
いきなり理詰めで説得されると、
頭では理解できても、感情が納得できない
ことがあるのです。
そんなことを考えていたあるとき、
知人のドクターが次の話を聞かせてくれました。
「歯の状態がかなりひどい初診の患者さんに、
今どういう状況で、今後どうしていかないといけないかを
丁寧に説明したら、ムッとした顔をして、
次から来なくなってしまいました」
この話を聞いたとき、わたしは先日の自分のケースに
似ているなあ、と思いました。
その患者さんは、きっとこの医院に来るまでに
他の医院でも同じようなことを言われ、
ときにはドクターに歯がここまで悪くなるまで
放っておいたことを叱られたりして、
傷ついていたのかも知れません。
ドクターは歯のことを言っているのですが、
言われたほうは人格を否定されたように
ネガティブに受け止めることもあります。
本当は、説明や提案の前に、
最初に「いままで大変でしたね~」のひと言が欲しかったのかも。
人の心を動かすはじめの一歩は、
正しいことやわかりやすさではなく、
共感し、共感されること。
ここをすっ飛ばして結果を急ぐのは、
こちらの自己満足なのかも知れないな、と気がつきました。
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