上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
離職を防ぐ!スタッフや社員の余裕のなさを探るためには、数値化して確認すること
2020.02.23 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり聞き方
社内のコミュニケーションは離職を防ぐ為にも大切です。
上司は大丈夫!と思っていても、スタッフのキャパシティは
いっぱいいっぱいの場合もあります。
「今、どのくらい忙しいのか?」
「大変な度合いはどのレベルなのか?」
それをスタッフに尋ねても、正しい答えが返ってくるとは限りません。
それを放置したたま過剰な負担がかかり、ある日突然
「退職します」なんて言われたら困りますよね
先日、スタッフとの面談で、ヒヤッとする体験がありました。
ある歯科医院の新人スタッフと面談をしていたときのこと。
入社して数か月が経ち、だいぶ仕事にも医院にも
慣れてきたと思われる頃。
「仕事の調子はどうですか?うまくいっていますか?」
と尋ねると、彼女は言葉少なげに「はい」と返答。
しかしその言葉とは裏腹に、表情には余裕がない。
からだ全体から、張りつめた空気を感じる。
(何か上手くいかないことがあるのか?
それとも仕事の量が多すぎて一杯いっぱいなのか?)
そこで、もう一度確認してみました。
「本当に上手くいっていますか?
なかなかスタッフの補充ができない人手の限られた中で
仕事をしているから、かなり忙しいんじゃない?」
そう問いかけると、一瞬の間があったあと、彼女は答えました。
「・・・でも、はい、大丈夫です」
この言葉を鵜呑みにしていいのだろうか?
言葉を真に受けるとしたら、
ほかにも彼女にお願い仕事はいくらでもあるので、
「じゃあ、この件もお願できます?」と言いたくなるところ。
でも、本当に大丈夫なんだろうか?
過剰な無理が続いて、ある日突然、
「もう限界です!辞めます」
なんてことになったら大変です。
そこで、次の質問をしてみました。
「今のあなたの受け皿は、最大100%のうち、
今、何%ぐらい埋まっているの?」
彼女の回答を聞いて、わたしはヒヤッとした。
「・・・120%です」
全然「大丈夫」じゃない!
すでに、彼女の力量を超える仕事量だったのです。
それは
「医院の人手が足りない中で、
自分だけ甘えたことを言っていてはいけない」
という彼女なりの考えで、自分を抑えていたのでしょう。
余裕のなさを数値化することで彼女の状況を知ったわたしは、
新しい仕事をお願いする前に、
今の仕事のやり方にどんな工夫の余地があるかを
話し合うことにしました。
抽象的な表現での会話が続いたら、
「数値化する」のは力になります。お試しを。
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