上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
疑問を感じたら遠慮せずに確認することをルールにすることで生産性を上げることができる
2020.05.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり
上司に依頼された仕事をしていて「アレ?このまま進めちゃっていいのかな?」と
疑問に感じながらも、わざわざ確認することなく、進めてしまうことって
ありますね。それが後でやり直しの原因になり、結果的に生産性を下げる
要因だったりします。
今日はそのことについてのお話です。
数年前に、スタッフとのやりとりで、わたしがびっくりし、
そして上司として反省したできごとがありました。
わたしはそれ以来、そのことに「アレ?体験」と名付けて、
そのまま放置しないようにスタッフに伝えています。
そのときわたしは、ワードでつくった資料をPDFの
保存形式にしてスタッフに渡し、それをセミナー用に
参加人数分、コピーするよう依頼しました。
ところが、そのPDFの原稿の一部に誤字がありました。
普通なら、スタッフが
「和仁さん、ここ誤字ですよ。元原稿をワードで
送ってもらえれば、修正しておきますが」
となるのでしょうが、その当時、わたしが忙しそうにしていて、
ほとんど接触する機会がなかったせいでしょう。
そのスタッフは、元データを修正すれば5分で済むことを、
わざわざイラストレーターで1時間以上かけて
手直し作業をしていたのです。
「言ってくれたら、元原稿を送ったのに?」
と問いかけると、スタッフは
「いえ、和仁さん忙しそうなので、
こんなことで連絡しちゃ悪いかな、と思って…」
との返答。
でもよく考えると、スタッフの本音はこうだったのかもしれません。
(わざわざ電話して確認するの、おっくうだなぁ。
そんなことに気を揉むくらいなら、多少手間がかかっても、
イラストレーターでつくりなおしたほうが早い、
というか、精神的にラクだな)
つまり、上司であるわたしとの気持ちの距離感が遠く、
風通しが悪かったということです。
そのときわたしは「この原因はわたしにある」と
猛烈に反省して、彼に言いました。
「今後は、“アレ?”と思ったら、すぐにメールか携帯に連絡してね。
遠慮はまったくいらないから。
疑問を感じたら遠慮せずに確認することをルールにして、
これからこういうのを、“アレ?体験”と呼ぼう。
ちなみに、他にはそういうちょっとした“アレ?体験”はないかな?」
脳科学では「わかった!」「そうか!」という発見したときの
脳の働き=「アハ!体験」が注目されています。
こういう創造的な体験はいいのですが、職場内ではときとして、
「アレ?体験」がおこっています。
これは放っておくと余計な仕事を膨らますので、注意したいところです。
あなたの職場では、スタッフが密かに「アレ?体験」を
積み上げてはいませんか?
こういうのはきっかけがないと、表面化しにくいもの。
一度、尋ねてみてはいかがでしょうか。
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