上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
患者さんに良い医療を提供するために余剰人員が、診療時間内にやるべきこと。
2021.02.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション生産性向上
歯科医院において、診療時間内にやるべきことは何でしょうか?
もちろん、診療業務ですよね。
でも、たとえば各チェアにすでに1人ずつスタッフが
ついているときはどうでしょう?
あるチェア3台の医院で、
たまたまスタッフの勤務シフトが重なり、
4人の日がありました。
そこで、手の空いた余剰人員の1人は
裏で別のことをしていました。
もちろん、遊んでいるわけではありません。
在庫チェックや材料の発注、後片付けなどの
作業をしていたのです。
さて、このスタッフの行動は、
医院にとって好ましいものか否か、どちらでしょうか?
「それは、スタッフが余っているんだから、
空いた時間で他の作業をやるのは合理的で、
好ましいんじゃないですか?」
そう考える人もいると思います。
実はその答えは、前提によって
YESでもあり、NOでもあります。
その前提とは、
「患者さんを待合室に待たせているほどの人気医院かどうか」
です。
もし、待ち時間ゼロでスムーズにまわっているようであれば、
余ったスタッフは他の作業をした方が効率的と言えます。
しかし、患者さんの待ち時間ができる人気医院の場合は、
そうとは言えません。
なぜなら、その余ったスタッフが各チェアのサポートに
入ることで、診療時間を短縮できるからです。
その医院は、それまで1日30人の患者さんを診ていましたが、
1人多めのスタッフ体制にし、そのスタッフに各チェアを
こまめにサポートさせたところ、約1割スピードアップしました。
その結果、1日の患者数が30人から33人に増えたわけです。
それは、売上の1割アップを意味します。
もともと毎日満席となる人気医院にとって、
1割の売上アップは、利益ベースで少なくとも
30%~50%以上のアップをもたらします。
それは、より多くの患者さんに良い医療を
提供することにつながります。
その上に、医院の経営を安定化し、雇用を確保し、
さらにはスタッフのボーナス原資をもたらします。
つまり、診療時間は歯科衛生士や助手は、
診療室内で本業に徹することが大前提。
そこで最善を尽くすことをまずは考えてみましょう。
●診療器具の置き場所や向きは適切でしょうか?
●ワゴンの配置は適切でしょうか?
●患者さんごとに、次にどんな診療行為をするか、
先読みして動いているでしょうか?
●初診の問診で聞いた情報を、診療時の補綴を選ぶ際の
会話におりこんでいるでしょうか?
余った人は、プラスαの余力でできることを
探ってみたいものです。
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