上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
ピントのズレた頑張り方を直すには?
2021.12.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
あなたの職場にはこんな人はいませんか?
「あの人はいつも頑張っているんだけどねぇ…. 」
でも….
とスタッフ間でも言われている人。
確かに本人は頑張っているのはわかるのですが、
その頑張りが空回りしていたり、求めている頑張りからズレてしまっている。
こちらが求める意図を勘違いしてしまっているケースはあると思います。
頑張っているのは分かるから怒ることはできないしと悩む
上司も多いのではないでしょうか。
このように、意欲はあるけど、ちょっとズレていて残念な人への
対処法を紹介します。
新しく入社した40歳の歯科衛生士の鈴木さん(仮名)。
採用面接での話を聞く限り、衛生士経験も長く、
また知識も技術も相応に期待できそう。
しかし院長は一筋の不安を感じていました。
それは、
医院の和やかな雰囲気を壊すような人を入れたくない、
ということ。
と言うのも、以前、ある1人のスタッフが院内をかき乱して
大量にスタッフが退職してしまった経緯があったからです。
ここ1年ほどようやく良いムードになりつつあるので、
これを壊したくない、という思いが院長にはあり、
その点で、この鈴木さんは他のスタッフより年齢も高めで、
発言力も強そうな気がしたのです。
そのため、
「くれぐれも医院の和やかに雰囲気を大切にしてほしい」
ことを事前に強調しておきました。
鈴木さんが試用期間として働き始めて数日後、
既存スタッフから院長に質問がありました。
「鈴木さんは、正式に入社するのですか?」と。
「まだそれはわからないよ」と答えつつ、
(スタッフとうまくいっていないのかな?)と
気にかかっていたある日の昼休みのこと。
たまたまスタッフルームの会話が通路に漏れ聞こえてきたのですが、
それが鈴木さんの声しか聞こえてこない。
そして途中からぱったり会話がなくなり、
気がつくと、テレビの音だけが聞こえてくるように。
後でスタッフに話を聞くと、鈴木さんはどうやら、
ふだんも「場の空気を読まずに一人でしゃべりまくっている」
とのこと。
そのとき院長は、はたと気がつきました。
「もしかすると鈴木さんは、
『医院の和やかな雰囲気に貢献してほしい』という
院長の期待に応えようとして
『積極的に自分から話しかけて仲良くなろう』
としているのでは?」
と。だとすれば、前向きな気持ちはある証拠。
ただ努力の方向性が間違っている(というかズレている)
のかも知れない。
そこで院長は鈴木さんを呼び出し
「しゃべるよりも、聞き役に回りなさい」
とアドバイスしました。
鈴木さんは基本的にしゃべり好きな性格のようでしたが、
それ以降はミーティングでも他のスタッフに話をふったり、
質問するようになり、会話のバランスも場の空気もがよくなりました。
もともと、世話好きなタイプだったので、
若い既存スタッフともかみ合ってきたとのこと。
目的は正しいが、方法が間違っていることもある。
頑張り方のピントがズレているだけなのかも知れない。
そんなときは、上司が気づかせてあげることが必要ですね
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