上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
ミーティングでスタッフから発言を引き出す秘訣。
2023.01.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
ミーティングにおいて、進行役の人が悩むことの1つに、
「スタッフに問いかけても、リアクションがない、発言しない」
というのがあります。それはスタッフにやる気がないわけ
ではなく、ステップが大き過ぎるから、かも知れません。
その解決策を歯科医院を事例に紹介します。
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たとえば、歯科医院のミーティングで
「医院内を、患者さんにとってより快適にするために、
何ができるだろうか?」
と問いかけたとします。
ところが、スタッフは視線を下に落としたり、
自分の爪をまじまじと眺めたり、
およそ自発的に答えようとしません。
このとき、議長役の院長の解釈は、
次の3つのパターンにわかれます。
パターンA
「みんな、ヤル気がないのか?」と、スタッフの態度に腹を立てる。
パターンB
「こんなことも思いつかないのか?」とスタッフの無能さにガッカリする。
パターンC
「自分に影響力がないのか?」と、自分の不甲斐なさに落ち込む。
ところが、実際にはその3つのどれとも違う場合があります。
先日、これと同じシチュエーションを体験した院長に、
次の質問をしました。
「院長、今までに医療か経営か、なんらかのセミナーに
参加したことがありますよね?
そのときに講師が参加者全員に向かって、
『このことについてどう思いますか?』と問いかけたら、
院長はまっ先に手をあげて答えを述べるタイプですか?
それとも、黙っていますか?」
すると院長は即答で、
「あ、僕は黙っているタイプです」とのこと。
その理由を尋ねると、
「自分がしゃべらなくても、他の人が答えるだろう、と
思うからです。それと、もし勇気を出して答えたのに、
それが講師の質問の意図とズレていたら恥ずかしいですし」
とのこと。
そして院長は答えながら、「ハッ」とした表情を見せました。
「なるほど、ウチのスタッフもそれと同じかもしれません。。。」
だとすれば、対策が見えてきます。
一つには、いきなり答えをしゃべらせるのではなく、
いったん紙に書いて考えを整理する時間を持たせることです。
たとえばミーティングの中で、
「今から5分時間をとるので、この質問の答えを、
最低3つ以上、書き出してみて。
そのあと、一人ずつ意見を聞かせてもらうから」
と予告しておけば、その5分間を必死で考えます。
つまり問題は、「スタッフのやる気がない」のではなく、
「指示する側のステップが大き過ぎた」のかも知れません。
試してみましょう!
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