上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
相手に伝わる話し方のコツは、前置きにあり
2023.07.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
専門家が素人であるお客さんを接客する際に、
上手か下手かをわけるポイントに「前置きの有無」があります。
今日はそれを歯科医院を題材に紹介します。
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補綴物(被せ物)をどれにするかを患者さんに選んでもらう
「補綴選択カウンセリング」をするときに、
同じ内容をしゃべっても、
10人中4人以上の患者さんが自費診療を選択してくれるスタッフもいれば、
10人中2人以下のスタッフもいます。
その差は2倍以上です。
その違いは一体、何なのでしょうか?
もちろん、ベーシックなしゃべり方の違いもあるでしょう。
声の大きさや滑舌の良さ、話すスピード、表情の明るさ、
身振り手振り、適度な間、など。
これらは、いずれもそれなりの数の反復訓練が必要になります。
その一方で、意識すればすぐに改善できる
「伝え方のポイント」があります。
そして前述の「伝わらないしゃべり方」のスタッフに欠けていたことです。
それをご紹介しましょう。
それは
「伝えたいことをしゃべる前に、ひと言、”前置きトーク”をする」
ことです。
”前置きトーク”とは、たとえばいきなり補綴物の選び方を
説明し始めるのではなく、まず、
「今から、被せモノの選び方についてカウンセリングさせていただきますね」
と言う。
たとえば、いきなり補綴物ごとの機能や特徴を説明し始めるのではなく、
まず、
「今から、それぞれの被せモノごとの機能や特徴を、順番にご説明しますね」
と言う。
たとえば、いきなり価格をしゃべり始めるのではなく、まず、
「今から、それぞれの価格と、その価格の意味についてご説明しますね」
と言う。
ということです。
つまり、今から何について伝えようとしているのか、
のタイトルを伝えることで、相手に聞く姿勢をつくらせるのです。
前置きトークのないしゃべりは、
タイトルや小見出しのないビジネス書のようなものです。
ビジネス本では、必ず章ごとに小見出しがついていて、
そのあと本文がありますよね。
もし小見出しがなくて、いきなり本文がずらっと書かれていたら、
読む気になるでしょうか?
また、仮に読んだとして、スムーズに理解できるでしょうか?
まずは「今から何について述べられるのか」を端的に伝えることで、
相手が聞きやすくなる。
日常会話でも使えることなので、トライしてみてはいかがでしょうか。
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