上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
目先の仕事ばかりで先を見れないスタッフとの向き合い方。
2025.06.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
経営者として、部下やスタッフにより多くを求めたくなることがあります。
特に「目先だけじゃなく、もっと先(ビジョン)を見て仕事をして欲しい」
と苛立ちを感じた時に、気をつけたいことを紹介します。
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目の前の仕事に専念して、がんばってくれているが、
もっと先のビジョンにも目を向けて欲しい。
医院がどこに向かおうとしているか、そして理想の医療とは何か、
を考えて、今の仕事をして欲しい。
そんな不満や欲求を持つ院長の声をよく聞きます。
この時、1つ気をつけておきたいことがあります。
それは、
「もしかしたら、過剰な期待をかけてしまっているかもしれない」
ということです。
先日、ある院長が、こんな話を聞かせてくれました。
「産休やご主人の転勤などが重なって、しばらく人不足の状態が続きました。
そこで、現場が回らないので、わたしが受付のデスクワークをはじめ、
スタッフに任せていた定型の作業を代わりにやっていたんです。
そうしたら、それが予想以上に大変だったのと同時に、
1つハッと気づいたことがありました。それは、
『定型の作業をずっと繰り返しやっていると、そこだけに
意識が向くようになり、先のビジョンにまで気が向かなくなる』
ということです。
例えて言うなら、目先20cmの本を読みながら、
3m先のゴミ箱にゴミを投げ入れるのが難しいような感じでした。
膨大な仕事を抱えているスタッフにとっては、
『ずっと目先に置いていた視点を、いきなり遠くに飛ばす』
ことは、こんなに難しいことなんだって、実感したんです。
わたしは今までスタッフたちに
『目の前の仕事をきちんとやり、同時に先のことを見据えて仕事をしよう』
と言い続けてきました。
これは、ひょっとしたら相反することで、かなり高度なことを
要求していたのかも知れません。今後は、
『先のことも意識して目の前の仕事をして欲しい。
ただ、それは相反することだから、無理は禁物。徐々に、でいいからね』
と、スタッフの気持ちに寄り添い、焦らず長い目で見守ろうと思います」
院長や経営者は、立場的に遠い先を見据えて仕事をしています。
それは一方では、目の前のことやルーティーン作業は
スタッフがやってくれて、そこから解放されているからこそ、
できている面もあるのでしょう。
それを理解した上で、スタッフにどこまで期待するか、
を考えるだけで、眼差しが幾分、優しくなり、
それはスタッフにも伝わるのではないでしょうか。
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