上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
相手の言動でイラッときたら、その背景を想像してみる。
2025.07.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
仕事でも、プライベートでも、相手の言動でイラッときた時に、
その苛立ちを和らげられると、関係性を損ねずに済むことがあります。
そのコツを、歯科医院の事例で紹介します。
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ふだんは院内の雰囲気が良くて、院長とスタッフ間も
スタッフ同士も良好な関係だった、ある医院の話です。
このところ、院長はある特定のスタッフとの間で、
距離感を感じていました。
なぜそう感じるのかを尋ねると、次のように話してくれました。
「以前、そのスタッフの患者さんへの物言いに問題があると感じて、
院長室に呼んで少し厳しめに注意をしたのです。
その時は『わかりました』と言っていたのですが、
今思えば納得できない様子で、それ以来、なんとなくぎこちない感じなんです。
表向きは最低限のやりとりをしているのですが、
ミーティングでも院長の提案に対して反論が目立ち、
距離を置かれている感じがするんです。
院長室で注意したときのわたしは、ついイラッとして
感情的な物言いになっていたので、それが原因かも知れません。
ただ、今さらどうしていいかわからなくて、、、」
この院長のように、自分の価値観と照らし合わせて
「それはないだろう!」という部下の言動を見かけた時に、
感情的に注意をすることはよくあることです。
問題はその伝え方です。
相手の事情を聞くことなく、怒りの感情に任せて
一方的に注意をすると、時に相手との関係性に
ミゾが生まれることがあります。
相手には
そのような言動をせざるを得なかった、自分なりの言い分
があるかも知れないからです。
それを聞くことがなく、一方的に注意をした場合にミゾが生じるようです。
とは言え、程度の問題はあるにせよ、上司には
「ふつう、ここではこうするだろう!」という基準があり、
それを破った言動を見かけると、ついイラッとする気持ちも理解できます。
そんな時におススメしたいのが、一呼吸おいて、
そのスタッフがその言動をした背景を想像してみる
ことです。
それが想像できないなら、本人に聞けばいい訳です。
その上で、どう考えても改善を求めたければ注意をする。
この一手間を惜しまないことが、上司と部下の関係性を
育む上で大切なのではないでしょうか。
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