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上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術

「他人の振り見て我が振り直せ」作戦

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2025.09.07 執筆者:和仁 達也

 

時間や約束を守らないことで、周りに迷惑をかけているのに、
態度を改めない人がいます。

その人にいくら注意しても変わらない状況が続くと、
どんどん悪循環に陥ることも。そんな時は、違う角度から
アプローチすると良いかも知れません。

そこで、ある歯科医院での事例を紹介します。

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出社時間やミーティングの開始時間にいつも遅れてくる
スタッフがいました。

本人に悪気は無いようですが、何度言っても5分程度、
遅れてきます。

動きを10分前倒しするだけで時間に間に合うのだから、
やって出来ないことは無いはずです。

はじめのうちは上司が注意をしていましたが、
やがて注意をやめました。

上司も同じことを何度も言いたくないし、逆恨みされたくもない。

と同時に「この人は言っても動かない人だ」と諦めてしまったようです。

そんなある日のこと。

スタッフミーティングで「患者さんのドタキャン対策」について
話し合いをしました。

ある特定の患者さんが、遅刻やドタキャンを何度もすることに対して、
医院としてどんな対応ができるかを話し合いました。

その中で、

「来院時に伝えておくことで意識が変わる前置きトークは何か?」

「注意書き等のツールを使ってできることはないか?」

「本人が行動を改めたくなる何らかのペナルティーは何か?」

などの意見を交わしました。と同時に、

「本人が無自覚にするドタキャンや遅刻という行為が、
周りにどんな不快な思いや不便をかけさせているか」

についても話し合いました。

なお、そのミーティングには、前述のよく遅刻をするスタッフも
気まずい表情で参加していました。

その後、興味深いことが起こりました。

そのミーティング以降、そのスタッフは遅刻をしなくなったのです。

ドタキャンや遅刻する患者さんの対策を考える行為を通して、
自分がやってきた遅刻がいかに周りに迷惑をかける行為だったか
を自覚したようなのです。

彼女は、それまで直接的に遅刻を指摘されても
身構えて受け入れようとはしませんでした。

ところが、「問題行動をする患者さん」という別人に対象をズラして
議論したことで、そこに自分を投影し、内省的になれたわけです。

まさに「他人の振り見て我が振り直せ」作戦とも言えるでしょう。

このように時に、
対象をズラして議論をすることで、本人の気づきをもたらす
こともあるようで、これは自発性を促すヒントになりそうです。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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