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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

医院の拡張を決断する前に考えておきたい!Part.2 歯科医院が分院展開する際のメリット・デメリット

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2019.04.03 執筆者:和仁 達也

 

ホワイト歯科では、来院患者の増加にともない、チェアを増設して医院を拡張するか否か、つまり医院の大型化に踏み切るかどうかを検討してきた。

そして、大型化するメリットとデメリットを比べたところ、加藤院長は大型化に踏み切る気持ちが強まっていた。収支面でのスケールメリットやより多くの診療実績・ノウハウが蓄積するなどのメリットも魅力に感じた。

しかし、最大の理由は、医院の理念である「より多くの人たちに安らぎと幸せを提供する医院」を実現するには、医院の大型化は必然であるように思えたからだ。

ちなみに、ここでいう「より多くの人たち」とは、患者さんだけではなく、医院で働くスタッフも含まれる。加藤院長は、スタッフがやりがいを持って働ける職場環境づくりにも人一倍注力してきた。医院を大型化することは、その恩恵を受けるスタッフを増やせることにもなる。

ただ、1つ迷っているのは、「一店舗大型化」か「分院展開」か、どちらがベターだろうか、という点だ。

「それぞれのメリットとデメリットを整理する必要があるな」

加藤院長はそうつぶやいて、経営キャッシュフローコーチの和仁に電話を入れた。

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キャッシュフローコーチはひと通り話を聞くと、すぐに意図をくみとり、話し始めた。

「わかりました。では今回は、大型化に向かうことを前提に、『一店舗大型化』か『分院展開』か、どちらがホワイト歯科にとってベターかを考えていきましょう。
そこで前回と同様に、『分院展開』のメリット、デメリットを、『①患者、②医院の収支、③スタッフの採用・育成、④院長』という4つの観点で整理してみましょう。

 

歯科医院が『分院展開』するメリット、デメリットは?

【メリット】

●患者
□ 大型化同様、より多くの患者さんを助けることができる
□ 大型化同様、診療例が多くなり、ノウハウが蓄積しやすい
□ 勤務医よりもトップのドクターに診てもらいたい患者にとっては、大型店舗だと院長には診てもらいにくくなるが、1診療所が小さい分院なら、分院長に診てもらいやすくなる
●収支
□ 大型化同様、スケールメリットによりスタッフ一人当たりのコストを削減できる(教育費など)
□ 本院でのノウハウを生かして、低コストに分院を出店できる
●スタッフ採用・育成
□ 向上心はあるが、医療だけに専念したいドクターが安心して働ける(理事長に資金繰りや経営を任せて、医療面の責任者として専念できる)
□ スタッフの退職などの際に、他院のスタッフが一時的にサポートするなど柔軟に対応できる。
●院長
□ 身体能力の低下があっても、理事長としての役割を長く担える
(ドクターとしての役割を減らして、経営者としての役割で食べていける)

 

「そして一方、デメリットとしては、こんなことが挙げられます」と、キャッシュフローコーチは続けた。

 

【デメリット】

●患者
□ ますます本院長(理事長)には診てもらい続けにくくなる(分院長には診てもらえるが)
●収支
□ 設備投資負担は、複数の建物がいる分、1か所の大型医院より大きくなりやすい
●スタッフ採用・育成
□ 物理的に院長(理事長)の目が行き届きにくくなり、スタッフの不正や裏切りなどが起こりやすい
●院長
□ 分院長の独立開業などがあると、医院を譲るか新たに分院長候補を採用するか、根本的な見直しを問われる。

 

一通り話を聞き、メリットとデメリットを見比べたあと、加藤院長は目をつぶり、腕を組みながら黙りこんだ。

そして長い沈黙が続いたあと、目をひらいた。

「やはり、前もってメリットとデメリットを文字にすることは大切ですね。こうやって書き出してみて、1つ気がついたことがあります。それは、わたしの場合、『物理的にスタッフの動きが見えないことへの不安』が一番大きいことです。これを克服する手立てが見つかるかどうかが、一店舗大型化か分院展開か、の大きな境目になる気がします」

キャッシュフローコーチは最後に一言、つけ加えた。

「なるほど。ポイントが絞り込まれてきましたね。そこを押さえつつも、それぞれの項目を5点満点で点数化していくと、さらに判断のヒントになりますよ。じっくり考えてみてください」

 

【今回のレッスン】

◎ 分院展開は、そのメリットとデメリットをすべて列挙して、1つ1つ医院のスタンスと照らし合わせて検証しよう。

◎各項目を5点満点で点数化することで、客観視できる。

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書多数。