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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

高額な設備投資の判断の仕方。本当にその金額を払うにふさわしい価値なのか?

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2020.03.02 執筆者:和仁 達也

決算前になると節税対策と設備投資を考えるところもあるでしょう。

その時に、節税だけにフォーカスして考えてしまうと
確かに節税にはなるのかもしれません。

しかし、投資をする場合は、投資金額を回収するまでを
考えなくてはいけません。

その設備投資は本当に利益につながるのか?

払うにふさわしい投資なのか?

その視点が抜けている場合があります。

この記事では高額な設備投資の判断の仕方を解説しています。

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決算を1ヶ月後に控えた加藤院長は、節税対策の意味も含めて
「必要なものは今期中に買っておこう」と考え、
様々な業者を医院に呼び寄せていた。

そんなある休診日の木曜日、
かねてから関心があった予約管理システムを導入しようと、
2社の営業マンにそれぞれ午前と午後に来社してもらい、
プレゼンをしてもらうことになった。

午前中のA社は、システムは100万円で、
月々の保守維持費は2万円だった。

一方、午後に来社のB社は、システムは200万円と
高額ながら、保守維持費は1万円。

性能的には甲乙付けがたく、
加藤院長はどちらを選択すべきか悩んでいた。

院長が予約管理システムを導入したい主な理由は、
「無断キャンセルの撲滅」があった。

今回の2社のシステムをつかえば、予めメールその他の手段で
来院予定者に次回のアポを知らせることができ、
うっかり忘れを予防したり、万が一都合が悪くなった場合でも
患者さんは気軽に医院に連絡を入れ易くなる。

その効果を期待して、システムを導入することを前提にしつつ、
どちらを導入しようか迷っていた。

その翌日。
キャッシュフローコーチの和仁との定例ミーティングで、
加藤院長はその話題をとりあげた。

キャッシュフローコーチは一通り話しを聞くと、
院長に「そのシステムは何年稼働できるか?」と尋ねた。

性能的には最低でも5年、場合によっては長くて8年くらい
使えそうだが、新製品の登場での陳腐化による
商品ライフサイクルも考慮すると、
まあ控えめに見て、A社もB社も5年程度だろうとのこと。

そこでキャッシュフローコーチは、5年間のトータルコストを試算し始めた。

つまり、5年間のトータルコストは、B社のほうが40万円低い、
ということだった。

ちなみに9年使うと、A社308万円で、B社316万円となり、
立場は逆転、A社のシステムのほうが低い計算になる。

ただ今回、「長くても8年」と考えていたことからすると、
B社のほうが安いということになる。

キャッシュフローコーチは院長に質問を続けた。

「概算でこんな収支になりますが、どう思われますか?」

院長は「う~ん・・・」とうなりながら答えた。
「正直、出費だけでいえばB社のほうがお得なのかもしれませんが、
営業マンがちょっと気に食わなかったんですよねぇ。
言葉づかいが微妙に偉そうな口ぶりで。
それだけ商品に自信があるからなのかも知れませんが。
その一方で、A社の営業マンは愛想がよくて、
とっつきやすかったです。なので、わたしの心の中では、
A社かな、って感じですね」

キャッシュフローコーチはうなずきながら答えた。

「5年スパンで40万円の違いということは、年間8万円の差ですね。
考え方として、

”その判断理由は、その金額の差を上回る価値があるか?”

と問いかけて、答えがYESだったら、良いと思います」

「うっ・・・」院長は一瞬、ためらった。
なぜなら、システムを導入して稼働してしまえば、
その担当営業マンと接することは、ほぼないからだ。

お金以外のメリット・デメリットも判断基準として
検討する必要があるとは言え、今回の担当者の対応の良し悪しが、
40万円の金額差を埋めるほどとは思えなかった。

院長が考えを改めようとしている様子を見て、
キャッシュフローコーチは別の視点を投げかけた。

「院長、そもそも設備投資においては、
投資効果を概算でいいので、計算しておく必要がありますね。

仮にB社の予約管理システムを購入して5年使うとして、
投資額は220万円。
それによって得られる投資効果はどうなるでしょうか?」

加藤院長は電卓を片手に計算を始めた。
ホワイト歯科では、1日来院者50人のうちキャンセルが5人、
うち無断キャンセルは2人。
よって、1ヶ月あたり40人の無断キャンセルが発生している。
それが予約管理システムによる事前コールでゼロになるとは
さすがに考えにくい。良くて半減だろう。

仮に月20人の無断キャンセルがちゃんと来院してくれた場合の
投資効果はどれほどだろうか?

1回の来院による患者単価が@5千円として、5千円×月20人=月10万円。

いやいや、無断キャンセルというのは、
実際は連絡をしてくれなかっただけで、
結局はキャンセルになる人のほうが多いだろう。

となると、実際にこのシステムをつかってフォローすることで
無断キャンセルから来院につながる割合はさらに半分、
つまりキャンセル者の25%程度なのではないか?

だとすると、無断キャンセルから来院につながるのは月10人。
経済効果は月5万円か。

これは売上ベースの話だから、粗利ベースでは、
粗利率80%として、月4万円。
つまり、「年間48万円の機会損失を取り戻せる可能性がある」
ということか。

そして、220万円の投資をすると、
それを回収するのにかかる期間は4年強。

言い方を変えれば、
「このシステム投資の元をとるのに4年強は必要で、
そこから先になってやっと利益が生まれる」という計算になる。

しかし、4年後にはもっと性能がよくて安いシステムが
出ているような気もする。

だったら、今はあえて「待ち」を決めるのも
一つの決断かも知れない。

そう思い至った院長の考えを察するように、
シミュレーションの様子を眺めていたキャッシュフローコーチは言葉を添えた。

「多くの経営者が、つい感覚で設備投資を決断してしまうのですが、
100万円以上の設備投資においては、必ず“投資効果”の
簡単なシミュレーションをすることが大切ですね。

すると、今回のように『どちらを買うか、の判断が変わる』
こともあるし、『買うタイミングが変わる』こともある。

場合によっては『買わないことが最善の策と気づく』こともあります。
今回の案件は、それを確認するのによい機会だったかも知れませんね」

 

【今回のレッスン】

◎ 100万円以上の設備投資では、「投資効果」を
シミュレーションした上で判断する。

◎ 設備投資の投資額は、その設備そのもの以外の支出
(たとえば保守料やメンテナンス料、それに付随する人件費など)も
含めてトータルで考える。

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書多数。

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