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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

人が動いてくれない理由は、相手ではなくこちらにあった!自分目線ではなく相手目線でメリットを伝える方法とは?

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2020.06.15 執筆者:和仁 達也

お客様に親切に対応していたとしても、

相手はわかってくれなかったり、

患者さんが完治するまで通い続けて欲しいと

思っていても患者さんはそう思ってなく途中で途絶えてしまう。

こちらがそうした方がいい!と思っていても。

「人を思うい通りに動かす」

ことはなかなかできることではなく、

思い通りにコントロールしようとすると

逆に不満を買ってしまうかもしれません。

特に商売をしている人はつい、

相手のことを考えずに「自分目線のメリット」になりがちです。

今回は、「自分目線」の企画を「相手目線」に再構成する方法 について、

歯科医院の事例ストーリーでお伝えします。

ホワイト歯科では、1ヶ月後に「院内ツアー」を企画することになった。
「院内ツアー」とは、ふだんは診療で来てもらっている患者さんに、
治療に使っている器具や設備を見てもらい、

「どういう流れで診療をしているのか」、また

「ドクターや衛生士がどんな思いで仕事をしているのか」

といった舞台裏を披露する企画だ。

それによって、医院に親しみを感じてもらったり、
日常の診療では時間の兼ね合いで伝えきれていない
健康情報を伝え、さらに健康観の向上と、継続的な
来院を促すことが狙いである。

今回の院内ツアーの集客目標は20人。
各スタッフが個別に患者さんに声をかけて誘うことにした。

ところが、告知開始1週間、いまだに申込はゼロ。

「ん~、これはまずい!伝え方が悪いんだろうか?
それとも、患者さんはウチの医院には
興味を持ってくれていないんだろうか?」

院長が自己嫌悪に陥りかけたところに、
キャッシュフローコーチの和仁が部屋に入ってきた。

今日は毎月の定例ミーティング。
最初の議題は、この院内ツアーの募集について扱うことにした。

キャッシュフローコーチは一通りの話を聞いた。

「なるほど、1週間が経ったのに、
1人も集まっていないんですね。

ちなみに、根本的なことをお尋ねしますが、
スタッフは今回の院内ツアーをどのようにとらえていますか?」

「え?特に嫌がっている感じではないと思いますよ。
ミーティングでも、患者さんとの距離感が縮まって、
診療が今までよりやり易くなるし、
治療途中で来なくなる患者さんも減るだろうっていう
話でまとまりましたから」

キャッシュフローコーチは腕組みしながら、
うなずき、別の質問を投げかけた。

「なるほど。では、主旨には納得しているスタッフが、
それぞれに患者さんに声をかけているんですね。

そのお誘いトークは、何か決まったセリフを用意していますか?
それとも、各自にお任せですか?」

加藤院長は、ハッとした表情で答えた。

「患者さんへの誘い方のトークまでは決めていませんでした。
それぞれが自分なりの言葉で誘っていると思います」

院長はそう言うや否や、

「スタッフが患者さんにどんなトークで誘っているか?」

を確認しに、診療室を飛び出した。

10分後、スタッフから意見を受け取った院長が戻ってきて、
開口一番、言葉を発した。

「うっかりしていました。
やはり、それぞれが、勝手な言い回しで伝えていました。

『今度、院内ツアーをやるので、いらっしゃいませんか?』とか、

『治療器具や機械をさわっていただけますので、よかったらどうぞ』とか、

何のために院内ツアーに参加するのか、が患者さんに
さっぱり伝わっていなかった。

そもそも、患者さんには、院内ツアーなんて耳慣れない言葉ですし、
意味がわからないと思います。
これじゃあ患者さんがわざわざ足を運ぼうとは思わないですよね」

キャッシュフローコーチはにっこり笑って答えた。

「今、それに気がついてよかったですね。
もしかしたら、スタッフ自身も院内ツアーをやる目的を
よくわかっていないのかも知れません。

当事者がわかっていないのだから、その人が患者さんに
声をかけたところで、何も伝わりませんからね。

まずは、医院にとっての目的を整理してみましょうか」

院長にヒアリングをし、キャッシュフローコーチは
ホワイトボードに書き出した。

<医院にとっての目的、メリット>

1・患者さんとの距離感が縮まり、仲良くなれるので、
今後の診療がしやすくなる。

2・通っている患者さんの家族も連れてきてくれれば、
紹介効果がある。

3.患者さんに説明するので、スタッフに説明能力がつく
トレーニング効果がある。

4・院長が日常の診療では伝え切れていない考えを話すので、
患者さんに医院の姿勢が伝わる

5・安全な環境にお金をかけて滅菌処理にこだわっているなど、
「価値の見える化」効果がある。

「・・・と、こんな効果があるわけですね。
たしかにこれだけの効果があるなら、院内ツアーをやる意義は
大いにありそうですね。

これは、ちゃんとスタッフ間で共有しておきたいところです。

ただし、これはあくまで、“医院目線”の目的です。
患者さんに来てもらうためには、“患者さん目線”の目的を
言葉にする必要がありますね。

患者さんが院内ツアーに来る目的、メリットは何でしょうか?」

院長は再び頭を働かせ、リストアップした。

<患者さんにとっての目的、メリット>

1・単純に、知っているようで知らない世界を見れて、
  知的好奇心が満たせる

2・普段は決してみることのない舞台裏をのぞくことができ、
  非日常体験が味わえる。

3・歯を長く大切に扱うことの重要さに気づき、
  もっと自分の歯を大切にしようと思える

加藤院長はホワイトボードを見ながらつぶやいた。

「そうか、こうやって患者さん目線のメリットを伝えない限り、
わざわざ忙しい中、足を運ぼうとは思わないですよね。

いかに自分都合になっていたか、思い知らせれた感じです。

それでは、この目的を踏まえて、患者さんにお誘いするトークを作ってみましょう」

しばらくすると、そのトークが完成した。

「●●さん、来月、院内ツアーをやるので、
ご家族でいらっしゃいませんか?

1時間で、ふだんは決してみることがない
歯科医院の舞台裏を公開します。

わたしたちが使っている器具を触ったり、
ふだん患者さんは治療中は目をつぶっているので
見ることがない治療の様子もお見せするので、
非日常体験が味わえますよ。

小さなお子さんも、模型を触って
「歯医者さんの仕事ってこういうふうなんだ」
って目を輝かせて喜ばれています。

また院長からも、学校では習わない健康のお話もしますので、

『あぁ、もっと自分の歯を大切にしよう』

という気持ちに自然となれて、ますます健康になれちゃいますよ。
一応、先着20名なので、よろしければ、ご参加いかがですか?」

 

【今回のレッスン】

◎ 「自分目線の目的、メリット」を伝えても、相手は動いてくれない。
動いてほしければ、相手が自然と動きたくなるような
 「相手目線の目的、メリット」を言語化し、それを伝えよう。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

 

▶︎人が正論で動かない本当の理由は、思考が一足飛びだから。

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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