ネットにネガティブな批判投稿をされた時の対処法とは?
2022.11.15 執筆者:和仁 達也キャッシュフローコーチキャッシュフロー経営伝え方着眼点
ネット社会になり、お店やクリニックを選ぶ基準も変わってきました。
かつては知人からの口コミ頼りだったのが、今では知らない人たちが
SNSなどに発信する投稿を頼りに判断するケースが増えています。
そんな中、言われのない批判や理不尽なネガティブなコメントを
ネットに掲載されるケースも出てきました。
それは新規客だけではなく、既存客にも悪影響をもたらし、
さらにはスタッフのモチベーションを下げる恐れもあります。
そんな時の対処法を、歯科医院を題材に紹介します。
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ある日の朝、ホワイト歯科に衝撃が走った。
ネットの検索サイトにホワイト歯科に対するネガティブな批判投稿が
上がっていたのだ。
加藤院長はスタッフからの報告を受け、受付のパソコンで確認すると、
確かにそれはすぐに見つけられた。
読むと、数日前に医院からの説明を聞かずに自分の主張ばかりする、
かなり癖のある来院者がいて、その人によるものだと察しがついた。
要は、「患者である自分の話を聞いてくれず、
一方的に望まない治療をしようとするヒドイ医院だ。
さらに、衛生士の対応が非常に悪い」という主旨のことが
長々と書き連ねてあった。
口コミサイトの運営会社に対して、批判投稿の取り下げる要望は
すぐに実施。しかし、数日経っても何も変化はなかった。
聞くところによると、よほどのケースを除いて、
それらの批判投稿の削除要求が実行されることは滅多にないらしい。
このまま放置していたら、ネット検索でこれを見た来院予定の人は
悪印象を抱き、他の医院に流れてしまうだろう。
しかも、これまで「常連の患者さんに肯定的な口コミ投稿をしてもらう」
等の働きかけは一切してこなかったので、今回の批判投稿だけが
ドーンと掲載され、とても目立った状態になっている。
加藤院長は焦った気持ちを抑えつつ、
キャッシュフローコーチの和仁に電話で相談することにした。
一通りの説明を聞くと、キャッシュフローコーチは話を整理した。
「なるほど、つまり、批判投稿が上がっているが、
それを削除してもらうことは現実的ではないし、
投稿者本人にそれを削除してもらうことも不可能に近い、と。
その上、そのネットの評判投稿は、今回の一件だけで目立っていて、
営業妨害になって困っているわけですね」
加藤院長はうなずきながら、言葉を加えた。
「そうです。さらに言えば、今回の批判の対象になっている
衛生士の伊藤が精神的に追い込まれてしまうことが心配です。
たしかに、まだ不慣れで患者さんに対して言葉足らずな点は
ありますが、彼女なりにとても頑張ってくれています。
このところやりがいを持って仕事が楽しいと言ってくれていたのに、
今回のことで、極端にモチベーションが下がっているようなんです。
わたしは院長として、どう対応したら良いのでしょうか・・・?」
しばらくの沈黙の後、キャッシュフローコーチは質問を投げかけた。
「加藤院長、今までに患者さんに
『医院の感想や喜びの声を口コミサイトなどに投稿してもらう』
ような依頼をしたことは、ないんでしたよね?
今後は、それって可能ですか?」
加藤院長はうなずきながら、ハッとした表情で答えた。
「そうか、これはそろそろウチも積極的に口コミ対策に注力せよ、
という合図なのかも知れませんね」
キャッシュフローコーチは笑顔で答えた。
「はい、そうかも知れません。今、こちらができることは、
『医院に対する肯定的な喜びの声をたくさん投稿してもらい、
今回の批判投稿が目立たなくさせる』作戦です。
つまり、喜んで通ってくれている患者さんに、
『なぜウチを選んでくれているのか』
『どんなところに価値を感じてくれているのか』
を口コミサイトに投稿するようお願いするのです。
今まではありがたいことに、そこにノータッチでも
多くの患者さんが来院してくれていたので手付かずだったけど、
いよいよそこにも注力すべきタイミングが来た、
ということではないでしょうか。
ちなみに、今回の批判投稿を放置して、
本来当院に来るはずの人が来ないとしたら、
それは何を意味するのでしょうか?
それは、
『本来助けてあげられるはずの患者さんを、助けてあげられない』だし、
『頑張っているスタッフを守ってあげられない』だし、
『今後もこういうことがあったらどうしよう!?と常に怯えて過ごす』
ことになります。
そんなのは、真っ平ごめんですよね。
それなら、今回の出来事をきっかけとして利用し、
親しい患者さんに事情を正直に話して、
医院の応援のコメントを口コミサイトに投稿するよう
促すことができるでしょう。
それによって、
『より多くの患者さんを助けてあげる』ことができ、
『常連の患者さんが当院を応援するきっかけ』にもなり、
『口コミ対策が進み、今後同じことがあっても堂々としていられる』
わけです。
さらには、そのプランを院長からスタッフに伝える際に、
『これはいつも通ってくださる患者さん、
これから来院されるはずの患者さんを守る行為であり、
スタッフの伊藤さんを守る行為でもあるんだ』
と意味づけすることで、動揺していた院内のみんなも一枚岩になり、
みんなで乗り越えていこうというムードになるんじゃないでしょうか」
スタッフを守る行為でもある。
そこは加藤院長にとっては盲点だった。
「なるほど!この逆境をプラスに転じて、
スタッフや患者さんを守る作戦を打ち上げることが、
そのまま『院長の姿勢をスタッフに示し、信頼を勝ち取る』
ことにもつながるのですね。
こうなると、いつまでもくよくよしている場合じゃないですね!
日頃からスタッフたちに『できないことをクヨクヨ考えても仕方がない。
できること・できないことを整理して、自分たちができることに集中しよう』
と言っている私が、それを行動で示すチャンスだと思えてきました。
ありがとうございます!すぐに動きます」
加藤院長は元気な声でお礼を伝え、電話を切った。
【今回のレッスン】
◎一見、ネガティブな出来事があったときも、焦らず
「やれること・やれないこと」を整理して、「やれること」に集中しよう。
◎逆境をプラスに転じで利用できる道を探してみよう。
◎ネガティブな批判の声を打ち消すことができないのであれば、
それを上回るポジティブな感謝の声をたくさん集めよう。
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