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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

費用対効果の高い広告をするために大切なことは投資効果と順番。

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2023.03.15 執筆者:和仁 達也

メディアの進化に伴い、
野立て看板などのアナログな媒体から、
ネット広告などのデジタルな媒体まで、
広告媒体も多種多様になってきました。

今回は、歯科医院を題材に広告をどう考えるか、の
事例ストーリーを紹介します。

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歯科医院に多くの人に来院してもらう上で、
まず医院の存在を知ってもらうことは、はじめの一歩。

その点で、様々な広告媒体が存在するが、中でも
「看板」は昔から定番の媒体である。

とりわけ電車の乗り降りで見かける「駅前看板」や、
車で運転中に見かける「野立て看板」は根強く利用されている。

先日、加藤院長は妻とドライブ中に、
大きな交差点の看板に空きがあることに気がついた。

すぐに調べてみると、1枚あたり月額3万円。
2枚をつなぎで利用するなら倍の6万円だと判明した。

その一角の他の広告は内科や眼科など医療機関が多く、
歯科医院の広告は見当たらない。

「これは、新規患者の流入を増やすチャンスなんじゃないか!?」

そう思った加藤院長は、
さっそく翌日の定例ミーティングでキャッシュフローコーチの
和仁に相談を持ちかけた。

「そんな訳で、この交差点の看板を出そうか、
と思っているのですが、どう思いますか?

実は本当に効果があるのか、と考えると何も根拠がないので、
『無駄遣いになるんじゃないか?』とも思ったりするのですが、、、」

キャッシュフローコーチは状況を大筋つかむと、質問を投げかけた。

「今、ホワイト歯科ではどんな広告にどれだけ使っていますか?」

加藤院長は、事業計画をパラパラとめくりながら答えた。

「駅前広告に月額14万円。ネット広告にも月額14万円。
今は、この2つです」

「なるほど、ちなみにそれぞれの費用対効果はどんな感じでしょうか?」

初診の問診票に「何をきっかけに来院したか」の問いがあり、
それを集計したところ試算した結果は次の通りだった。

・駅前看板がきっかけの人は月4人。ネット検索で来た人は月15人。

・一人の患者が保険単価5千円で月に2回来院すると仮定して、
月の患者単価は1万円。

・よって、駅前看板は、月14万円の広告費で月4万円の新規売上を創出。

・これだけみると10万円のマイナスに見えるが、
その新しい患者が翌月以降も継続的に来院して積み上がっていくなら、
4ヶ月後にはプラスに転じるとも言える。

・一方で、ネット広告も同様に考えると、
月14万円の広告費で初月から月14万円の新規売上を創出。
この時点でプラスマイナスゼロで、翌月からはどんどん
積み上がっていくので、投資効果は高いと言える。

「加藤院長、ここまで見てどんな感じですか?」

だまって話を聞いていた加藤院長はうなずきながら答えた。

「はい、こうやって考えてみると、ネット広告は割がいいんだな、
と改めて思いました。

また、駅前看板も一見割に合わないように思っていましたが、
ウチの医院は予防歯科中心で新規患者が累積していくので、
こちらも見逃せないとわかりました。

さて、それを踏まえて交差点の道路看板をどうするか、ですよね。う~む、、、」

決めあぐねている様子を見て、キャッシュフローコーチは
ひとつ案を思いつき、質問を投げかけた。

「加藤院長、一つ質問させてくださいね。
もし、ネット広告に今より6万円増額したら、
来院患者はさらに増えると思いますか?」

加藤院長はすぐに首を縦に振って答えた。

「いま、当院のウリとしてインプラントと噛み合わせ、
矯正は積極的に告知していますが、歯周病対策は未着手です。
予算を増やしてここを打ち出していけば、
まだまだ患者数は増やせると思っています」

「加藤院長、もう一つ質問です。ネット広告と道路看板、
それぞれ契約期間のしばりは何ヶ月ですか?」

「え~、ネット広告はいつでも契約を止められるし、
金額の変更も可能です。看板は確か6ヶ月更新だったと思います。
あと、最初にデザイン料と製作費で別途7万円が掛かると聞いています」

キャッシュフローコーチはその返答を受けて、こう提案した。

「なるほど、では院長、こうしませんか?
まず、今回の道路看板に使おうと思っていた月額6万円の予算を、
ネット広告の追加分として投下します。

今のデータから仮説を立てると、それによって月に6人以上の
新規来院患者数のアップになれば、十分に元が取れる計算になりますよね。
仮に効果がないならすぐにやめれば損失も最小限で済みます。

それを3ヶ月ほどトライして、先に利益を確保してから、
その時点でもまだ道路看板をやりたいようなら、
その時に申し込むのです。

道路看板を1年間やるということは、年間72万円と
初期投資7万円で計79万円の出費になります。

もしかしたら、その時になったら
『ネット広告に投下した方が割りがいい』
と判断するかも知れないし、

『ネット広告だけでは取りこぼしがあるから、道路看板がやはり必要』
と判断するかも知れません。
いずれにせよ、最小限のリスクで最大の効果を得るには
この順番が良いのではないでしょうか?」

加藤院長は大きくうなずいた。

「それならリスクは最小限で済み、最大の成果が期待できますね。
着手する順番が大切だということは盲点でした」

 

【今回のレッスン】

◎広告に投資する際は、必ず費用対効果を計算してみよう。計算自体は10分でできる。
◎その上で、選択肢を並べて、
「どの順番に着手するとリスクは最小限で成果が最大になるか」を考えよう。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎歯科医院において駅前看板は有効か?その判断方法の投資効果。

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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