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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

忙し過ぎて疲弊してしまう前に考えること。 仕事漬けの毎日から脱却するはじめの一歩

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2024.08.15 執筆者:和仁 達也

仕事漬けで「時間が足りない!」と悩む人の多くは、
自分が仕事漬けである自覚がありません。

忙し過ぎて疲弊し、病気になって強制的に休みをとるくらいなら、
能動的に休みをとった方が有意義な時間の使い方ができるもの。

そこで、「仕事漬けからの脱却」事例を紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

加藤院長は疲れていた。
仕事は順調にまわっていて、医院は常連の患者さんが連日押し寄せ、
次の予約がしばらく先まで取れないほどの賑わいを見せている。

スタッフもそんな患者さんへの診療とカウンセリングを熱心に行い、
院内のムードも良好と言っていい。

その一方で、院長は元来の仕事好きの性格から、開業以来、
ろくに休みも取らずに突っ走ってきた。

しかも、近隣にいくつも医院が建ち並ぶ厳しい環境の中の
開業とあって、「休んでいる場合ではない」と自分に発破をかけて、
走り続けてきた。

そんな加藤院長も40歳を超えた頃から体重が増え始め、
家族との距離感を感じ、せっかくの休みも昼まで寝て潰す日々。

「このままじゃまずい。何から手をつければいいのか・・・」
と途方に暮れていた。

そこで今月のキャッシュフローコーチの和仁との定例ミーティングでは、
「仕事漬けの毎日から脱却するには」のお題を取り上げることにした。

労働集約型の歯科の仕事は、時間とお金は密接な関係があるので、
お金の専門家であるキャッシュフローコーチとの対話から
打開策を見出そうと考えた。

キャッシュフローコーチが現状を尋ねると次の通りだった。

・月に何時間働いているのか、よくわかっていない。分解して考えてみよう。
・平日は診療が8時間と事務作業が5時間で計13時間。
・土日は勉強会や研修の参加で各5時間。
・つまり、月に300時間の労働時間。
・たまの休みは疲れて昼まで寝ている。
・週末は家族と一緒に外食に行くも、疲れて彼女達の話が入ってこない。
・話が噛み合わないことがストレスで、ますます家族との距離が離れがち。
・ストレスから太り始めたが、運動する時間を取れずにいる。開業当時より10kg増えた。

一通り確認すると、キャッシュフローコーチは尋ねた。

「なるほど、なかなか大変そうですね・・・。
この忙しい状況を改善するために、今までに何かトライした
ことはありますか?」

「わたしはつい、抱え込み過ぎるクセがあって、
ある時からスタッフや外部の専門家に一部の業務を
委任するようにしました。わたしがやらなければならないことと、
他人でも良いことに取捨選別して、ね。

その時は、一瞬は余裕ができたのですが、
いつの間にか新しい仕事で埋まってしまって・・・」

「まさに、”真空の法則”ですね。大自然は真空地帯を嫌うので、
空白ができると埋める力が働きます。加藤院長の場合は、
せっかく空白を作ったのですが、そこを何に使いたいか、
を決めておかなかったので、最も関心の高い仕事がそこを埋め始めたのでしょう。

なので、生まれた余白時間を何に使いたいか、理想を明確化しましょう。

もう一つは、労働時間の理想を決めたいところです。
そもそも今は、現状の労働時間も正確には把握できていませんよね?
つまり、現状値も理想値もわからないまま、改善しようとしている状態です。

お金に置き換えて考えると、
『医院のお金の収支が、現状はどうで理想はどうかが
わからないまま、目の前の仕事をがんばっている状態』
です。キャッシュフロー経営をやられている加藤院長なら、
それがどういう意味を持つか、おわかりですよね?」

加藤院長は苦笑いしながらうなずいた。

「なるほど、よくわかりました。労働時間を減らしたことで
生まれた時間を何に使うのか。それを先に決めておかないから、
別の仕事で埋まっていくのですね。
やりたいことを書き出してみます」

・週に3回、30分歩く
・仕事が終わったら、最寄りのカフェで30分好きな本を読んで
頭をクールダウンしてから家に帰る
・月に一度は映画館で好きな映画を観る
・ちゃんと心の余裕を持った上で家族の話を聞く
・日曜日の昼は私がごはんを作り、家族に振る舞う

「すばらしいですね!
これがすべて出来たとしたら、どんな気持ちですか?」

「誇らしい気持ちになります。これらはどうせ無理だろうな、
と半ば諦めていたことなので、人には言ってきませんでしたが、
これから本気で余白時間を作るなら、やってみたいです」

キャッシュフローコーチはうなずくと言葉を続けた。

「いいですね!次は労働時間の現状把握と理想の設定です。
今リストアップされたことをすべてやるには、
新たに何時間を創出する必要があるでしょうか?」

・週に3回、30分歩く→月6時間

・仕事が終わったら、最寄りのカフェで30分好きな本を読んで
頭をクールダウンしてから家に帰る→月10時間

・月に一度は映画館で好きな映画を観る→月3時間

・ちゃんと心の余裕を持った上で家族の話を聞く
→これは心構えを変えるだけ、新たな時間創出は不要

・日曜日の昼は私がごはんを作り、家族に振る舞う→月4時間

トータルで月に23時間が必要と判明した。
週に6時間、1日に1時間の余白創出が必要だ。

キャッシュフローコーチは笑顔で声をかけた。

「かなり具体的になりましたね。理想値が見えたところで、
次は現状値を把握できる仕組みが必要です。

例えば、1日の終わりに労働時間をカレンダーか手帳に記して合計する。
それを週末ごとにカウントして自覚することから始めてはどうでしょうか?

さらに言えば、月末ごとに「医院の売上÷院長の労働時間」を算出して、
院長の労働時間単価をはじき出して、その推移を追いかけていくと、
面白いことに気づくかもしれませんよ」

加藤院長はニヤッとして答えた。

「なるほどね、わたしの労働時間と売上が反比例して、
労働時間を減らすほどに売上が伸びる、なんてことになるかも知れませんね。

だとしたら、これはお金だけでなく労働時間もちゃんと計測しなければ、
という気持ちになりました。

今、気がつきましたが、自分の持ち時間は寿命そのものですよね。
お金以上にきちんとマネジメントしなきゃって思いました」

 

【今回のレッスン】

◎仕事を人に任せて余白時間が生まれた時に
「その時間で何をしたいか」の理想を言語化しておく。
◎医院のお金の収支が、現状はどうで理想はどうかがわからないまま、
目の前の仕事をがんばっている状態を「ドンブリ経営」と言う。
お金だけではなく、時間の使い方に関しても「現状と理想」を把握しよう。
自分の持ち時間は寿命そのものなのだから。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎忙しさに流されず、時間を生み出す秘訣

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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