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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

忙し過ぎる人が見落としていること。 対策の前に、理想の生活スタイルをイメージしよう!

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2024.11.15 執筆者:和仁 達也

 
やることが多過ぎて、余裕がないと感じている経営者は、
「時間をどうやってつくるか」の対策を考える前に、やっておきたいことがあります。
今日はそれを歯科医院の事例でお届けします。

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週の初めの月曜日、加藤院長は診療前から疲れ気味だった。

ホワイト歯科の経営は順調だったが、それは院長が休みなく
働き続けた結果であり、どこか無理があることを感じていた。

そんな中、キャッシュフローコーチの和仁との
今月の定例ミーティングは、
「今の忙しさから解放されるには?」
をお題にあげることにした。

 
「とにかくここ数年、仕事が忙しすぎて、バランスが悪いんです。
どうしたら、公私ともにバランスが取れた生活になれるでしょうか?」

 
キャッシュフローコーチに訴えかけると、逆に

「現状はどんな感じの1週間ですか?」

と尋ねられた加藤院長は、思い起すように振り返った。

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・平日は、診療時間中は当然仕事に専念し、その後も
 院長室で資料作成や勉強会の準備などに追われ、
 帰宅は夜の11時を過ぎる。

・木曜日と日曜日は休診日だが、昼ごはんを家族と食べた足で
 医院に向かい、夜まで8時間以上は院長室にこもって
 考え事や医院の管理業務などを行う。

・子供は小五と中一で、まだ親との会話が必要だと思っている。
 ただ、ここ数年は日曜日のランチの時くらいしか話す機会がなく、
 ふと気がつくとずいぶん大きく成長していることに驚かされる。

・妻はパートで働きに出ている以外は、家事と子供の学校のことで
 いつも忙しそう。こちらも余裕がないので、
 あまり詳しく話を聞いていないが。。。

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一通りの現状を聞くと、キャッシュフローコーチは質問を投げかけた。

「なるほど、それは確かに大変そうですね。
それで、加藤院長の望みは何ですか?」

 
「それは、土日を完全オフにして、自由に使えるようにすることです。
もっと家族との時間や趣味、健康のための時間を確保したいんです。
どうしたらよいですか?」

 
加藤院長がやや強い口調で迫ってくるのを感じたキャッシュフローコーチは、
「今の状況への不満やストレスが溢れ出しているな」と感じた。

そこで、それを正直に口にした。

 
「加藤院長、実は今回のように現状への強い不満を脱却したい時に、
人は『どうすれば良いか?』を考え始めますが、実はここに盲点があるんです。

それは、

『理想の姿が曖昧なまま、解決策を考えても、
結局はそれは行動に移さず、現状は変わらないままになりがち』

ということです。

なぜなら、理想が不鮮明なので“向かう先にワクワクがない”からです。

新たな行動を起こすのは、それなりにエネルギーが必要です。

その時に、『痛みから逃げるため』だけの動機だと弱い。

それは今までも耐えられていたことなので、
『今のままを続けるのは、嫌だけど、ラク』だったりするんです。

なので理想を具体化してみましょう。

ちなみに加藤院長にとって、今の忙しさが解消したら、
理想の木曜日と日曜日の過ごし方は具体的にはどんな感じですか?」

 
「具体的な休みの過ごし方」と問われ、加藤院長は言葉に詰まった。

そんなことは具体的に考えたことはなかった。

とにかく、月に1日もまともに休めずにいる現状を何とかしたい。
家族との時間を取れない現状への罪悪感や、周りの友人が
マラソンやテニスなど趣味や健康のための運動に時間を取っている姿
と比較しての劣等感を払拭したい。

つまりすべてが「◯◯からの脱却」という否定形であり、
「◯◯をやりたい、なりたい」という肯定形ではなかった。

察しがついた様子を見て、キャッシュフローコーチは続けた。

 
「おそらく今までの院長の思考の癖は、
『どうありたいか』の理想を十分に描き切る前に、
『どうやるか』の対策を考える感じだったんでしょうね。

この機会に、先に理想を描いてみましょうよ。

木曜日と日曜日に仕事を入れず自由に使えたら、
それぞれどう使いたいですか?」

 
しばらく考えて、加藤院長は答えた。

 
「そうですね。日曜日は、昼と夜は家族と外食しながら
ゆっくり話をしたいです。子供の学校でのことや、
妻の気がかりなことも聞いてあげたいし。

たまにはショッピングやドライブもいいでしょう。

 
木曜日は、妻は仕事で子供は学校なので、
私は自分の自由な時間として満喫したいです。

朝からカフェで読書して、ジムで運動したり、
1人で映画に行くのもいいなあ。

たまには夜に馴染みのバーでゆっくり1人で飲んだり、
友人を誘ったりして気晴らしもできたら最高かなあ」

 
理想が明確化した様子を見て、キャッシュフローコーチは
微笑みながら、考える着眼点を提示した。

 
「加藤院長、それは魅力的な過ごし方ですね!

まず1つ目に考えたいことは、まさに今おっしゃったように
『空いた時間をどう過ごすか』を決めることです。

それを決めずに、空き時間をつくっても、
“大自然は空白地帯を嫌う真空の法則”が働いて、
結局は元のように仕事がその時間を埋めにかかるので。

次に、いま抱えている業務をリストアップして“見える化”しましょう。

ポストイットを使って1枚に1つの業務名と1ヶ月に何時間かかるか
の見積もり時間を書き出して、それをホワイトボードに貼っていきます。

それを一覧で眺めながら、

『やめて良い業務』

『人に任せられる業務』

『自分がやる業務』

に分類します。

『人に任せられる業務』は、スタッフや外部の専門家など、
誰が適任かを考えて振っていきます。イメージは湧きますか?」

 
加藤院長は答えた。

 
「なるほど、わかります!おそらく『やめて良い業務』も
結構あると思います。

また、『人に任せられる業務』も本当はあるのでしょうが、
自分でやったほうが早い、と思ってつい抱え込んでしまうんですよね。

この機会にその癖からも脱却したいです」

 
加藤院長は、さっそくポストイットに書き込み始めた。

 

【今回のレッスン】

◎忙しい時間を脱却して、有意義な時間の使い方をしたいなら、
まず「理想の時間の過ごし方」を具体的にイメージする。

◎その上で、(1)いま抱えている業務をリストアップして“見える化”する。そして、
(2)ポストイットを使って1枚に1つの業務を書き出して、
(3)「やめて良い業務」「人に任せられる業務」「自分がやる業務」に分類する。

 

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎忙し過ぎて疲弊してしまう前に考えること。 仕事漬けの毎日から脱却するはじめの一歩

 

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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