依頼と要求と説明の違いとは?
2022.06.18 執筆者:和仁 達也コミュニケーション着眼点
あるスーパー銭湯で館内放送が流れたときのこと。
違和感を感じる出来事がありました。
その時の放送内容は次のようなものでした。
「リラクゼーションルームのチェアの、
手荷物による場所取りはお辞めください。
また、岩盤浴の作務衣での
リラクゼーションルーム入室はお辞めください。
また、・・・」
という具合で、注意メッセージが次々と続いていました。
それを聞いたとき、わたしはあまりいい気分ではありませんでした。
それは、言葉は丁寧かもしれませんが、要は
「◯◯をするな」という禁止要求だからです。
そもそも、人は上から目線で「要求」されたくはないものだと思います。
ただ、「依頼」や「お願い」だったら、
嫌な感じは多少やわらぎます。
例えばこのように。
・要求→「手荷物による場所取りはやめて下さい」
・依頼→「手荷物による場所取りはご遠慮いただきますよう、ご協力お願いします」
これが、「説明」になると、さらに印象が微妙に違ってきます。
・説明→当館では、手荷物による場所取りはご遠慮いただいております。
これは、当館のルールの説明をしているだけであって、
直接的にお客さんに「要求」はしていません。
ただ、「お客さんにどうして欲しいかの意図」
はちゃんと伝わります。
お客さんに要求や依頼をする行為は、
感受性の高いスタッフにとっては、言いづらい場合があります。
とりわけ、複数の注意事項を立て続けに
伝えなければならないときは、なおのこと。
そんなときは、そのすべてを「要求」するのではなく、
ひとまずすべてを「説明」した後に、
最後に「ご協力お願いします」と「依頼」するのが、
抵抗感がなくて言いやすく聞きやすいと感じました。