良かれと思ってしたことが不信感を招く落とし穴
2023.03.04 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方着眼点
効率化を急ぎすぎると、時に良かれと思ってしたことが
不信感を招くことがあります。
とくに、「求められてもいないのにする提案は
押し売りになる」ので要注意です。
以前、わたしは思慮不足により、相手に戸惑いと不信感を
与えかねない体験をしました。
日頃、関係性ができていてスピード感を共有できている
仲間との仕事に慣れ切ってしまうと、
つい陥る落とし穴だと感じたので、自戒を込めて共有します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クライアントから「ある経営者の相談に乗って欲しい」
とのメールをいただきました。
その内容を読んで、先方が急ぎの様子だったのと、
わたしがそこから1週間の海外出張で連絡が
取れなくなることから、
「まずはわたしが信頼するA社の教材で学ぶことが得策」
と考え、そうメールを返信して、またA社からも
その経営者に詳しい情報をメールするよう手配をしました。
もちろん、和仁への同時送信メールで。
すると数日後、その経営者から
「A社(和仁が紹介した会社)から教材の提案の
メールが来たけど、何をどうしたらいいのでしょうか?
教材を見ただけで、わたしの課題が解決するとは思えないのですが」
と戸惑いのメールが届いたのです。
その瞬間、わたしは「しまった!」と反省しました。
一足飛びに話を進め過ぎた、と。
ちなみにその方にはすぐにお詫びのメールを送り、
電話でお話を聞く約束をしました。
そして後日、相談に乗ることでよろこんで
もらえたので良かったものの、
一歩間違えれば、紹介者であるクライアントにも
迷惑をかけるところでした。
わたしは日頃、身内同士では「効率化重視」で、
同時送信メールで複数の関係者との間で
どんどん話を進めていくことが多くあります。
ですがそれが成り立つのは、関係性ができていて、
お互いがスピード感を共有しているからこそ。
初見でまだお互いによく理解していない段階では、
丁寧に階段を上がっていかないと、
相手に戸惑いと不信感を与えかねません。
求めてもいない相手にする提案は
「押し売り」になります。
相手の状況をきちんと共有して、
相手から求められてはじめて、具体的な提案をする。
とりわけ、
「初見の人に対しては、その当たり前のことを丁寧にしよう」
と心に決めた出来事でした。