上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
人の行動にブレーキをかけている正体は、人間関係である。
2021.09.22 執筆者:和仁 達也コミュニケーション安心安全ポジティブな場づくり着眼点
先輩や上司からみたら、「なぜやらないんだ!?」と
スタッフの動きを不思議に思うことって、ありますよね。
今日はその原因について、考察します。
先日、ある医院の衛生士長が、スタッフAさんに
キャンセル防止の対策としてある業務を依頼したのですが、
1カ月経ってもまったく進展がありませんでした。
衛生士長から見たら、
「何も難しいことはないし、やるだけでしょ!?」
と思うのですが、本人はなぜか行動に踏み切れません。
理屈の上では、
・やらないよりも、やったほうがよいと本人も納得している
・やる手順も、やる内容も明確である
・能力的にやれない業務ではない
なのに、やらない。
Aさん自身も、自分がなぜやらないのか、よくわからない。
そこで、厳しく問い詰めるのではなく、目線を合わせて
話をしていったところ、1つブレーキになっていることがわかりました。
それは、そのキャンセル防止対策をやるためには、
彼女が苦手意識を持っているBさんに、
ある部分を協力してもらわないといけない、ということ。
そして前に一度、自分のミスでBさんを怒らせたことがあり、
その時の記憶が脳を思考停止状態にして、
避けるほうにいっていたのでした。
(なるべくなら彼女に協力を求めずにやりたい。
でも、それはそれで、かえってぎこちない関係になるのも嫌だ)
そんな葛藤が、その業務から目をそむけさせ、
他のやるべきことに注力することで逃げ道を探して
1カ月経っていたのでした。
そのことにAさん自身も気づき、衛生士長も知ったとき、
一瞬で解決しました。
衛生士長がBさんを呼び寄せて、
「Aさんはこんな風に思って遠慮してるけど、協力してあげてくれる?」
すると、Bさんは笑顔で「はい、もちろんです」と。
人が動けずにいるとき、そこにはたいていの場合、
人間関係がブレーキの原因。
そこを突き止め解消するには、
第三者のサポートが必要なこともあります。
それも、リーダーの大切な役割の1つなのかもしれません。
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