上司と部下のコミュニケーションギャップを解消するコミュニケーション術
お客さんに動いて欲しいなら、要求や依頼ではなく説明をしよう。
2023.06.07 執筆者:和仁 達也コミュニケーション伝え方安心安全ポジティブな場づくり着眼点
お客さんに何かを要求しなくてはならない場面での
「こちらも言いやすくて、相手も受け止めやすい伝え方」
について、先日気がついた事例を紹介します。
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あるスーパー銭湯で次のような館内放送が流れ、
わたしは違和感を感じました。
「リラクゼーションルームのチェアの、
手荷物による場所取りはお辞めください。
また、岩盤浴の作務衣でのリラクセーションルーム入室は
お辞めください。また、・・・」
という具合で、注意メッセージが次々と続いていました。
それを聞いたとき、わたしは正直いって、
あまりいい気分ではありませんでした。
それは、言葉は丁寧かもしれませんが、
要は「◯◯をするな」という禁止要求だからです。
人はそもそも、上から目線で「要求」されたくはないものだと思います。
ただ、「依頼」や「お願い」だったら、
嫌な感じは多少やわらぎます。
例えばこのように。
・要求→「手荷物による場所取りはやめて下さい」
・依頼→「手荷物による場所取りはご遠慮いただきますよう、ご協力お願いします」
これが、「説明」になると、さらに印象が微妙に違ってきます。
・説明→「当館では、手荷物による場所取りはご遠慮いただいております」
これは、当館のルールの説明をしているだけであって、
直接的にお客さんに「要求」はしていません。
ただ、「お客さんにどうして欲しいかの意図」はちゃんと伝わります。
お客さんに「要求」や「依頼」をする行為は、
感受性の高いスタッフにとっては、言いづらい場合があります。
とりわけ、複数の注意事項を立て続けに伝えなければならないときはなおのこと。
そんなときは、そのすべてを「要求」するのではなく、
ひとまずすべてを「説明」した後に、最後に「ご協力お願いします」と
「依頼」するのが、抵抗感がなくて言いやすく聞きやすいと感じました。
要求と依頼と説明の違い。
みなさんのビジネスでお客さんに了解を得たい場面があったら、
一度試してみてはいかがでしょうか。