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歯科医院の脱★ドンブリ経営 実践ストーリー

歯科医院が粗利率を高めるための3つの視点とは?価値を高め、伝え、届ける工夫をしよう。

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2023.10.15 執筆者:和仁 達也

2020年から3年続いた新型コロナウイルスの影響で、我々は
価値を高め、伝え、届けることの大切さを学びました。

売上拡大路線とは異なる、激動の時代の考え方を歯科医院の事例で
お伝えした事例ストーリーを紹介します。

※この記事はコロナの最中に執筆しました。
普遍的に大切なことなので、そのまま掲載しています。

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加藤院長は、院長室で今後の医院経営について思い悩んでいた。

2020年から3年続いた新型コロナウイルスの影響で、
休業したり診療時間を短縮した歯科医院は多く、
いったん減った来院患者数が戻らないままの歯科医院も少なくない。

ホワイト歯科もご多分に漏れず、多大な影響を被った。

今までは売上を上げ続けていけば多少の支出はカバーできたが、
拡大させる方法が難しくなってきた時代に大切なことは、
「いかに利益を出すか」であろう。

その為には、粗利率を高める為の事業形態にシフトしていく必要がある。
しかし、いきなり業種、業態を変えることはなかなかできることではない。

では、歯科医院が今すぐ取り組むことができて、
粗利を高めるために重要な課題は何だろうか?

そんな問題意識を紙に書き出していたところに、
キャッシュフローコーチの和仁が定期ミーティングに訪れた。
加藤院長はメモを見せながら、持ち掛けた。

「今回は、ウィズコロナの時代において歯科医院は
いかに粗利を高めて利益を出すか?その視点について、
ご相談したいと思います」

キャッシュフローコーチは院長の意図をくみ取ると、話を始めた。

「まず一般論でお話ししましょう。
企業が粗利率を高めるために、2つの工夫が必要です。

それは、『①価値を上げる工夫』と『②価値を伝える工夫』です。

供給過剰な現代では、①はほとんどの企業が注力済みです。
そして、控えめで奥ゆかしい文化の日本では、
②がまだまだ手付かずな企業が多く、そこが飛躍する伸び代であり、
チャンスでもある、とわたしは考えています。

つまり、
価値の言語化や、背景やこだわりのストーリー化・ビジュアル化が
重要です。

歯科医院で言えば、
『その治療方法の価値や希少性、およびその治療で得られる効果を
あらゆる手段で伝えること』です。

そんな中、コロナの影響でオフラインでの接触に制約が生まれたことで、
もう一つの着眼点が顕在化しました。

それは、『③価値を届ける工夫』です。

これまでは、例えば学習塾なら『学びという価値』を、
飲食店なら『飲食という価値』を、
『お客に来店してもらうことで届ける』ことができました。

ところが外出自粛の状況では『来店してもらえず』『集まれない』
ことから、『価値を届ける工夫』が必要になりました。
大筋として主に次の3つの道がありそうです。

1・オンラインで提供する
2・テイクアウトで提供する
3・配達で提供する

あらゆる業界において、このいずれかでの価値提供が必要になり、
具体的にどうやってカタチにするかを問われています。

もちろんこの3つはどれか一つだけでよい訳ではなく、
組み合わせの工夫も必要でしょう」

加藤院長はうなずいて聞きつつ、率直な疑問を投げかけた。

「たしかに多くの飲食店はテイクアウトや配達を始めましたね。
でも、歯科医院はまさか治療をテイクアウトや配達って訳にはいかないですよね?」

キャッシュフローコーチは答えた。

「加藤院長の疑問はもっともな話です。
ただ、“行き詰ったら他業種に学べ”です。

例えば、ある酒造メーカーは、従来の工場見学を
1と3の組み合わせで提供しています。

複数のお酒を予め宅配して、お客はオンラインで
工場見学会に参加して、ライブ放送でうんちくを聴きながら、
手元にあるお酒を味わうわけです。

これなら、飲酒運転のリスクもなくこだわりのお酒を
その背景や関連情報と共に味わうことが可能になり、
リアルな工場見学よりもうれしい人もいることでしょう。

わたし自身も、毎年開講しているキャッシュフローコーチ養成塾を
オンライン講座として提供することに切り替えました。

講座の資料は予めメールで塾生に送信しておき、
講座はZoomでオンラインで行い、塾生はパソコンで
自宅から参加してもらいました。

結果として、海外からも参加できたり、移動時間が不要になるなど、
かえって評判は上々です。

この発想を歯科で取り入れるとしたら、どんなことができそうでしょうかね?」

加藤院長はしばらく上を見上げながら答えた。

「『価値の届け方の工夫』なんて、考えたこともなかったなあ。
でも、もはや他人事ではないですしね。実際にやるかどうかは別として、
思いつきレベルで言いますよ」

そう前置きをしながら、いくつかのアイデアを口にした。

・今までは歯ブラシや歯磨き、フロスなどのセルフケアグッズを
患者さんに求められた時だけ受付で販売していたが、
今後は定期配送で継続的に届く仕組みをつくる。

・今は歯周病予防やホワイトニング効果のある良いグッズが
開発されているから、ちゃんと選定し、患者さんに積極的に提案する。

・これまで待合室で行っていた「患者さん向けの健康セミナー」を
オンラインで行ってみる。

・今までは定期検査に来院するタイミングで
画一的な定型ハガキを送っていたが、今後は本人口腔情報が
掲載されたものを送り、当事者意識を高め、来院率を高める。

キャッシュフローコーチはそのアイデアをホワイトボードに
書き留めながら、笑顔で伝えた。

「加藤院長、いいじゃないですか!
この調子で、リストアップしていきましょうよ。
いつやるか、はひとまず置いておいて、今後、
中長期的にやれることを書き留めて、アイデアのストックを
してできることから備えておけば、突然の有事にも慌てずに済みますからね」

奇をてらうことなく、今できることからやればいい。
そう実感できた加藤院長の表情はいくらか和らぎ、
他にもできることがありそうな予感を感じ始めた。

 

【今回のレッスン】

◎粗利率を高めるために、3つの工夫が必要。それは、
『①価値を上げる工夫』と『②価値を伝える工夫』と『③価値を届ける工夫』である。
◎“行き詰ったら他業種に学べ”の発想で、未来に備えて、
医院でやれそうなアイデアをストックしておこう。

「さらに理解を深めたい人はこちらの記事もオススメ」

▶︎価値を伝える工夫で利益を増やす方法。契約率20%が30%にアップしたら、利益は何倍?

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  • 和仁 達也

    ビジョンとお金を両立させる専門家、ビジョナリーパートナー。1999年に27歳で独立、月1回訪問・月額30万円以上の顧問先を複数抱える。継続期間は平均10年で、20年以上の支援先も。この高額報酬で長期契約が続く【パートナー型】コンサルティングを学びたいコンサルタントや士業が養成塾や合宿に1,000人以上参加。2015年に日本キャッシュフローコーチ協会を設立。CFコーチの育成と普及に注力。著書に「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書」他多数。

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